西薗一也 にしぞの かずや
スポーツひろば運営責任者。
日本体育大学で学校体育を中心に、さまざまなスポーツの指導法・レクリェーション・スポーツ理論などを学ぶ。
現在は、東京・世田谷区に運動教室「スポーツひろば」を開設。
幼児から小学生を対象にした体育の個別指導や発達障害児のための運動指導などを行なっている。
スポーツひろば 千歳烏山運動教室 HP http://www.sports-hiroba.com/
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学校・まなび
小学1年生 2014年9月10日の記事
前回は、スタートやフォームのポイントを「スポーツひろば」の西薗一也さんに教えていただきました。今回は教え方のコツに加え、ちょっとやる気が出てきた子に、家庭でできる速く走るためのトレーニング法をうかがいます。
●家庭でできるおすすめトレーニング
速く走れるようになるために、家庭でもできるトレーニング法はありますか?
西薗 「腸腰筋(ちょうようきん)という骨盤と股関節の奥にある筋肉を鍛えるトレーニングが効果的です。腸腰筋は、股関節の動きや脚の上げ下げなどに重要な役割を果たす筋肉で、この筋力がないと、どんなに走り方を変えても速くなりません。
また、腸腰筋トレーニングをすることで、体幹が強化され、走るときに体が左右にぶれないようになるという効果も期待できます。
腸腰筋トレーニング1
片脚を一歩前に出し、後ろ脚のひざが90度くらいになるまで曲げる。このとき、親指を中心に、つま先にぐっと力を入れるのがポイント。つま先は両方とも前に向けること。左右の脚で各10回が1セット。1日に3セット行う。
腸腰筋トレーニング2(お尻歩き)
膝を伸ばして座り、脚全体を動かして前に歩く。体の中心を動かさず、膝は曲げないようにすること。最初は後ろに進むほうが簡単なので、まず後ろから始めて感覚をつかみ、慣れたら前に歩くようにするとよい。前歩きと後歩き各3mずつで1日3往復行う。
トレーニングの効果は、早い子なら1週間くらいで出ることもありますが、あまり焦らず、地道に続けることが大切です。トレーニングというよりも遊び感覚で楽しみながら行なうようにするといいでしょう。お腹の引き締めにも効果があるので、お母さんも一緒にトレーニングしてもいいですね」
それはうれしいですね。親子で一緒なら、お互いがんばれそう。
●練習は回数を決めて、短時間で切り上げる
親が走り方を教えるときは、どういうところを注意すればいいでしょう。
西薗 「『どうしてできないの』とか『もっと頑張りなさい!』などと感情的に叱らずに、どうすればいいのか的確に教えるようにしましょう。
練習の時間や回数を決めることも大切です。スピードを上げるためのトレーニングは、短時間でマックスの力で行なうのが基本です。10回や20回も走っていると、疲れるしフォームも崩れてスピードが出なくなります。これでは練習しても意味がありません。1度の練習につき3〜5回程度走って、一番速いスピードが出るようにすればいいでしょう。走り方も、あまり細かく注意せず『ちょっと体に力が入っているかな』とか、その程度で十分です。
あとは子どもに『今の走りは、何点だった?』って聞いてみてもいいですね。子どもって絶対に自分で100点とは言わないんですよ。自分で自分の走りに、ちょっと自信がないんでしょうね。例えば子どもが『80点』って言ったら、『じゃあ、次は90点くらいで走ってみようか』って言うと、走り方がぐんとよくなってくることが多いんです。
でも一番重要なのは、『最初から最後まで全力で走ること』です。走るのが苦手な子の多くは、自分の力を爆発させることが苦手なんです。
僕は子どもたちに『順位じゃなくて、全力で走れたかどうかが大切。それでビリになるのはいいけど、手を抜いてビリになるのが一番恥ずかしいことだよ』と言っています。そう言うと、走るのが苦手だった子も全力で走りますよ。もちろん、よい結果が出ることもありますが、もしそうでなかったとしても子どもは達成感を味わえるし、全力で走れた自分に自信をもつはずです。1位になることも大切ですが、一生懸命やれた経験は、それより遥かに貴重なのではないでしょうか」
達成感や自信は、その後の子どもの勉強や成長にも活きてくるかもしれませんね。西薗さん、ありがとうございました。
西薗一也 にしぞの かずや
スポーツひろば運営責任者。
日本体育大学で学校体育を中心に、さまざまなスポーツの指導法・レクリェーション・スポーツ理論などを学ぶ。
現在は、東京・世田谷区に運動教室「スポーツひろば」を開設。
幼児から小学生を対象にした体育の個別指導や発達障害児のための運動指導などを行なっている。
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