諸富祥彦
明治大学文学部教授。教育カウンセラー。教育学博士。
20年以上、さまざまな子育ての悩みを抱える親に解決法をアドバイス。人生を心豊かに生きるヒントになる子育てのメッセージを伝えている。
著書は、『男の子の育て方』、『女の子の育て方』、『ひとりっこの育て方』(WAVE出版)、『子どもを救う「親の一言」』(青春出版社)など多数。また、テレビ、ラジオなどにも出演。
諸富祥彦公式ホームページ(http://morotomi.net/)
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生活・しつけ
小学1年生 2014年10月8日の記事
前回、男の子の自立を促すためには、「甘えさせて愛情を伝えることが大切」と教えていただきました。では、具体的にどのようなことを意識して子どもと向き合っていけばいいのでしょうか?明治大学文学部教授、教育カウンセラーの諸富祥彦先生にお話を伺いました。
●抱っこやタッチングで愛情を伝える
諸富 「多くの親御さんが、お子さんに対して『小学生になったら、自分のことは自分でできるようになって欲しい』と思われていることでしょう。
でも、お子さんが甘えてきたとき、ワガママを言ったときに、『お兄ちゃんなんだから、ワガママ言わないで』、『甘えないで! 1人でできるでしょ』などと突き放すのは逆効果です。お子さんの甘えたい気持ちに応えて、ゆったり抱っこしたり、ギュッと抱きしめたり、ペタペタとタッチングしたりして、愛情で満たしてあげてください。
『お母さん、○○(お子さんの名前)のこと大好きだよ』と言葉に出すことも大切です。子どもは、思う存分甘えて親から愛されていると実感できると、がんばれる心の土台が固まります。親がいちいち『○○しなさい』と指示しなくても、お子さんの足でしっかりと土台をふみしめ、歩いていけるようになるのです」
●甘やかしすぎには注意して!
諸富 「ただし、『甘えさせる』ことと『甘やかす』ことの違いを知っておいてください。
『甘えさせる』のは、子どもが甘えてきたときに応え、愛情で満たしてあげること。
『甘やかす』のは、子どもが望んでいないのに、親が何でも先回りしてやってあげることです。
例えば……
・子どものものを買うとき、食事のメニューを選ぶときなどに『これがいいでしょ』『これにしなさい』と親が先に決める
・着て行く服、学校道具などを全部準備してあげる
・散らかしたおもちゃをいつも片付けてあげる
などです。
『子どもが失敗しないように』と、よかれと思って何でもやってあげる親御さんが多いのではないでしょうか。それを続けていると、人から指示されないと動けない“受け身”な性格になる可能性があります。
例えば、子どもが小学校の授業で忘れ物をしたときです。最初の3回ぐらいは、届けてあげてもいいでしょう。でも、何回も届けてあげると、子どもは『自分が失敗しても、いつでも親が助けてくれる』と思うようになります。
だから、失敗したら子どもに責任をとらせることも大切なのです。
忘れ物をして、恥ずかしい思いをすることで、子どもは『忘れものをしないように、気を付けよう』と心から思えるようになります。
とはいえ、学校生活に慣れない小学1年生のお子さんに『何でも1人でできるでしょ』と任せるのはハードルが高すぎます。
必要に応じて手助けしてあげながら、何でも親が先回りしないように気をつけてください」
●男の子は人の役に立つことをするのが好き
諸富 「男の子は、みんなの役に立つことで喜びを感じます。みんなの“ヒーロー”になりたいんですね。
例えば、おもちゃを散らかしたままのときです。
『片付けなくちゃダメでしょ!』と叱るよりも、『ママと一緒に片付けしよう』と誘い、片付けをしてくれたら『お母さん、○○(子どもの名前)が一緒に片付けをしてくれて、うれしいな』と喜びを伝えます。
しつけについては、『ほめる』『叱る』ではなく、『共に喜ぶ』ことを意識してください。
自信がついて前向きな気持ちになり『自分は役に立っている』『やればできるんだ』と自信がついていくのです」
男の子のヒーローになりたいとう欲求を満たす、自信がつく声かけを意識するのがいいのですね。
次回は、失敗してもへこたれない、男の子の強い心をつくるための方法についてお話を伺います。
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諸富祥彦
明治大学文学部教授。教育カウンセラー。教育学博士。
20年以上、さまざまな子育ての悩みを抱える親に解決法をアドバイス。人生を心豊かに生きるヒントになる子育てのメッセージを伝えている。
著書は、『男の子の育て方』、『女の子の育て方』、『ひとりっこの育て方』(WAVE出版)、『子どもを救う「親の一言」』(青春出版社)など多数。また、テレビ、ラジオなどにも出演。
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