高橋弥生(たかはし やよい)
目白大学人間学部子ども学科教授。
基本的生活習慣や現代の子どもの生活技術が主な研究テーマ。著書に『生活の自立HAND BOOK』(共著/学研教育出版)、『絵でわかる子どものせいかつずかん』(共著/合同出版)などがある。
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生活・しつけ
年長 2014年10月10日の記事
前回は、ひとりでお風呂に入れるようになる時期や体の洗い方などについて、目白大学の高橋弥生先生にうかがいました。今回は、お風呂のマナーについて考えます。
●子どもと一緒に大人も再確認! お風呂のマナー
これからの季節、温泉や入浴施設に行く機会も増えてきます。大勢の人が使うお風呂場では、家で入るときと違って、守らなければいけないマナーがあることもそろそろ教えていきたいですね。全国浴場組合や各地の入浴施設の子ども向け入浴マナーから、重要なものをママノート編集部でピックアップしてみました。
1. よく体を洗ってからお風呂に入る
汚い体のままで湯船に入らず、体を洗うか、シャワーなどで汚れを落としてから入りましょう。
2. お湯や水の無駄遣いはやめる
シャワーで遊んだり、お湯を出しっ放しにしないようにしましょう。
3. 湯船でもぐらない、タオルを湯船に持ち込まない
タオルを湯船に入れると、お湯が汚れるもとに。もぐったり泳いだりすると、他人の迷惑になることも教えたいですね。
4. お風呂の中で騒がない、走らない
子どもは広い風呂に興奮しがち。ほかの人の迷惑になるだけでなく、ケガをする原因にもなります。
5. 使った後の洗い桶はさっと水で流して片付ける
使った後の桶には、意外に汚れがついています。洗い流して、もとの場所に戻しましょう。
6. ぬれた体のままで脱衣所を歩き回らない
お風呂場から上がる前に、浴用タオルで体の水滴をある程度ふきとっておき、浴室出口にある足ふきマットで足の水分をぬぐいましょう。
いかがでしたか? 大人でも、ふだん自宅のお風呂場でのやり方に慣れていると、つい怠ってしまいがちな項目もあるのではないでしょうか。
●タオルをすすぐ、絞るなど、お風呂の動作は、生活全般に関わってくる
ではここで、前回ご登場いただいた高橋弥生先生に、ふたたびうかがいます。お風呂のマナーについて、家庭ではどの程度教えればいいのでしょう?
高橋 「1や2、6などのマナーについては、ふだん家での入浴に通じることなので、日頃から家庭できちんと教えておきたいですね。
ただ、3、4、5については家庭で教えるのは難しいと思うので、実際に旅行や温泉施設などへ行ったときに教えていくのがいいと思います。
また、子どもがひとりでお風呂に入るようになってからでも、上がった後に洗い桶が使いっぱなしになっているとか、石けんの泡が飛び散ったり、お湯が汚れているなど気になるところがあれば、その都度注意していくこともマナーを覚えるうえでは大切なことです。
お風呂に限らずマナーというのは、子どもが親自身の実践しているところを見て学ぶ部分が大きいものです。親が手本を示し、子どもが騒いでいたら注意するなど、日頃から親子で公共でのマナーを意識していくといいですね。
お風呂上がりに体を拭くということに関連して言えば、私が以前勤務していた幼稚園では、年長さんのお泊まり保育では入浴用のタオルだけでバスタオルを使わないことになっていました。ですから子どもたちは、入浴用タオルで体を洗ってよくすすぎ、お風呂から出るときはそのタオルを固く絞って体を拭くようにしていました。
こうすると、体を拭くことやタオルをすすぐこと、絞るという動作の両方を覚えられて一石二鳥なんですね。タオルを絞る動作については、入学準備にもなっていますが、おだんごのように丸めて絞ったり、端からタオルをしごくだけだったりと、きちんと絞れていない子も意外に多いので、正しいやり方を教える機会を作るのは大切なことだと思います。
お風呂のしつけやマナーというと、大げさだとか面倒だと思う人もいるかもしれませんが、タオル絞りのほかにも、手や顔を洗うなど、生活全般に関わるさまざまな動作が入っているので、自立の準備の一つとして考えてみてはどうでしょう。
入学前は、子どものモチベーションが上がるよい機会です。『なんでできないの』というプレッシャーではなく、『きっとできるよ』と励ましながら教えていってください」
「ひとりお風呂」の練習が、生活全般で役立つというのは意外でした。今日からさっそく実践したいと思います。
高橋先生、ありがとうございました。
高橋弥生(たかはし やよい)
目白大学人間学部子ども学科教授。
基本的生活習慣や現代の子どもの生活技術が主な研究テーマ。著書に『生活の自立HAND BOOK』(共著/学研教育出版)、『絵でわかる子どものせいかつずかん』(共著/合同出版)などがある。
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