高橋弥生(たかはし やよい)
目白大学人間学部子ども学科教授。
基本的生活習慣や現代の子どもの生活技術が主な研究テーマ。著書に『生活の自立HAND BOOK』(共著/学研教育出版)、『絵でわかる子どものせいかつずかん』(共著/合同出版)などがある。
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生活・しつけ
年長 2014年10月9日の記事
「毎日のお風呂、子どもがひとりで入れるようになったらどんなに楽かな〜」と考えているお母さんも多いのではないでしょうか。とはいえ、子どもが自分で体や頭を洗うのは難しそう……、そもそも子どもって、いくつからひとりでお風呂に入れるのでしょう?
長年、子どもの生活自立などの研究を行なっている、目白大学の高橋弥生先生にうかがいました。
●年長さんから始めたい「ひとりお風呂」の練習
早速質問なのですが、子どもがひとりでお風呂に入れるようになるのは、いつごろからでしょうか?
高橋 「その子の体の大きさなどにもよりますが、3歳半から4歳くらいになれば、顔を洗ったり、石けんを使う動作ができるようになります。入浴となると、さらにタオルなどを使ったり、体を洗えなければなりませんが、洗髪をしないのであれば、年長さんになれば『ひとりお風呂』も可能です。
小学校に入学する6歳前後というのは、子どもが基本的な生活習慣を身につけられる時期にあたるわけですから、個人差はありますが、お風呂に入るための身体的な機能は整っているといえるでしょう。ちょうど年長の夏には、どの園でもお泊まり保育を経験していますし、小学生になったら自分のことを自分でするのが基本ですから、今から徐々にひとりで体や頭を洗ったりする練習していくといいでしょう」
●体の洗い方など、大人が基本をしっかり教えて
ということは、年長さんならひとりで入ることも可能なんですね。
高橋 「だからといって、早くひとりでお風呂に入るようにしなければいけないというわけではありません。
忙しい毎日の中で、お風呂は子どもと親がゆっくりとコミュニケーションをとれる大切な場でもあります。子どもが小学校に入学すると、ますます親子のコミュニケーションは重要になってきます。むしろ小学校3〜4年生くらいまでは、なるべく親子で一緒に入浴して、子どもの成長を確かめる楽しい時間を過ごすとよいのではないでしょうか。
そして親が一緒に入っているうちに、体の洗い方など基本的なことをきちんと教えるようにしましょう。子どもは何も教えなくても、大人の動作をマネしながら洗うので、ちょっと見は自分でできているように思うかも知れません。でも、実はなんとなく体をぬらして終わりにしているだけで、きちんと洗えていないことも多いのです。まずは子どもが自分で体を洗っている様子を見て、どれくらいできるか確認してみましょう。
最初のうちは、自分で洗うのは手や足、お腹など、自分の手の届く範囲からでいいでしょう。仕上げに背中や細かいところをお母さんが洗ってあげます。
液状石鹸の場合、どれくらいの量を使えばいいのか、子どもはわかりませんから、『2回くらい押して出そうね』などと具体的に教えます。
シャワーも子ども自身で流すようにして『泡が流れなくなったからもう大丈夫だよ』と、どこで終えればいいかを伝えましょう。耳の後ろやひじの内側、ひざの裏側など、くびれているところは石けんが残りやすいので、泡がついていたら『まだついているよ』と、実際に触らせるといいでしょう。
慣れてきたら、徐々に背中や足の裏、首など、細かいところも自分で洗うようにしていきます。これを何回か繰り返していきましょう。今は、ポンプ式の石けんや泡立ちやすいタオル、スポンジなど、お風呂道具も使いやすくなっていますから、最初にちゃんと教えれば、子どもはすぐにできるようになりますよ。
洗髪についても、体を洗うときと同様に、シャンプーの量や指のはらで頭皮をこすって汚れを落とすことなど、具体的に、少しずつ教えていくといいと思います」
子どもに洗い方を教えながら一緒に入るのも、いいコミュニケーションになりますね。
高橋先生、ありがとうございました!
次回は、入浴マナーについて取り上げます。
高橋弥生(たかはし やよい)
目白大学人間学部子ども学科教授。
基本的生活習慣や現代の子どもの生活技術が主な研究テーマ。著書に『生活の自立HAND BOOK』(共著/学研教育出版)、『絵でわかる子どものせいかつずかん』(共著/合同出版)などがある。
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