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週末・その他
小学1年生 2014年7月23日の記事
失敗しないバーベキューのコツって?[7/23]
〈この夏、バーベキューデビュー!〉まずはレンタルや手ぶらコースでラクに楽しんで
今、大人気のバーベキュー。今年の夏休み、ぜひ家族で体験したいという人のために、初めてでも失敗しないバーベキューのコツを、日本バーベキュー協会会長でバーベキューインストラクターの下城民夫さんに教えていただきました。
●子どもには難しいことをさせず、とにかく楽しんで
最近、子どものいるファミリーの間でもバーベキューは人気のようですが、初めて挑戦するときに心がけておいたほうがいいことはありますか?
下城 「まず僕が言いたいのは、バーベキューだけじゃなく、キャンプなどのアウトドアの場面では、子どもに対してしつけをしようとする人をよく見かけるのですが、これは絶対にやってはいけないということ。
自然体験をさせて、子どもにたくましくなってもらいたいという親心なのでしょうが、何もないところから火を起こそうとするなど、とても難しいことをさせようとするので、せっかくの楽しいバーベキューが、子どもにとっては苦痛以外の何物でもなくなってしまうわけです。
だから教育だとかしつけとか、あまり難しく考えず、はじめのうちは、親子ともラクをして楽しめる方法を利用すればいいんです。もちろん、子どもにもできることはさせて、バーベキューに参加させることは大事ですけどね」
●初心者は、まずレンタルや手ぶらコースで楽しさを体験!
「ラクをして」というと、具体的にはどうすればいいのですか?
下城 「今は、各地の公園やキャンプ場などで、道具のレンタルはもちろん、材料まで揃っていて、本当に手ぶらで出かけて気軽にバーベキューが楽しめる施設がたくさんありますから、そういうところを利用すればいいんです。最初は天候を気にしなくてすむ屋根付きの場所で、使い終わった後の炭の捨て場所が設置してある施設がおすすめです。
バーベキューって何回もやればやるほど楽しくなるし、楽しみ方が広がってくるもの。だから、「楽しかった」、「またやりたい」と思えるかどうかの方が、教育やしつけをするよりもずっと大切です。
で も、どちらかというとお父さんが夢中になって、自分もしたことがないのに、いきなり道具を揃えるところから始める人が多いんですよね。でも、体験もないの に道具を買うと、必ず失敗します。いらないものまで買うこともあるし、道具をたくさん揃えれば行動も制約されてきます。けれどもそれはバーベキューの経験 がないとわからないし、道具の良さもわかりません。でも、レンタルを利用して何回か経験していけば、自分たちの楽しみ方にはどういう道具がどれだけ必要か が、わかってきます」
格好いいところを見せたいお父さんにとっては物足りないかもしれませんが(笑)、まずは楽しく体験することが大切なんですね。
●バーベキューを通じて、「みんなで分け合う」経験を
下城 「そ れから、最初は家族だけでもいいけれど、なるべく大勢の知り合いを誘ってほしいですね。バーベキューって、学校とか職場とかご近所とか、家族以外の人間関 係を作れる遊びなんです。子どもにとっては、いつも同じ人に囲まれているよりも、ちょっと知らない人といる経験って、多少の負担はあっても貴重なんです。 だからいつも同じメンバーよりも、毎回いろんな人を誘うのがおすすめです。
バーベキューをただの焼き肉パーティーと捉えている人もいるかもしれないですが、それはまったくの間違い。どこが違うかというと、焼き肉は食事なんです。食事って、自分の分をいかにたくさん確保するか、取られないようにするかが目的でしょう。でも、バーベキューはまったく違って、みんなで同じ物を作って、みんなで分けて食べるもの。食べ物を分け合うって、今の子にはすごく貴重な体験ですよね。小さくてもそういう経験をすることって、とても大事なんじゃないかなと思います。
だから肉も、ステーキくらいの大きめの肉を焼いて、焼けたらみんなに切り分けるっていうのがおすすめですよ」
●子どもに「やること」を作って、参加させよう
子どもにもできることはありますか?
下城 「低学年くらいまでの子どもがバーベキューでできることって、それほど多くはないけれど、子どもは大人の役に立つこと、自分がやったことをほめられることがうれしいんですよね。だから、できるだけ子どもも『仲間』に入れてあげて欲しいんです。
例えばバーベキューって、炎が出ると食材が焦げてしまうんです。そこで、子どもに水鉄砲を渡して『炎が出たら肉がおいしくできない。炎はバーベキューの敵だ。だから炎が出たらこれでやっつけてくれ』と子どもに指令を出すんです。喜んで水をかけますよ。消えたら『よくやった』ってほめればいいし、しくじって水がかかったら、『それは自分で食べるんだぞ』ってペナルティを与える。やみくもにかければいいというわけではないと、親がコントロールすることも必要です。
あとは、これまで触れたように、家で準備をするときに野菜を切る手伝いを頼んだり、串に肉や野菜を刺したり、マシュマロを焼いたりするのを子どもに任せるといいですね」
想像するだけで、なんだか楽しそう。すぐにバーベキューに挑戦してみたくなりますね! というわけで次回は、実際にバーベキューを楽しむためのポイントをアドバイスしていただきます。
プロフィール
日本バーベキュー協会会長。日本で唯一のバーベキューマイスター。
バーベキュー文化の発展と啓蒙を目ざし、協会を設立。日本初の「バーベキュー検定試験」を主催し、バーベキューのプロとして指導にあたれる人材の育成にあたるなど、バーベキュー界のパイオニアとして活躍している。