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週末・その他
小学1年生 2014年7月24日の記事
バーベキューの準備や焼き方のポイントは?[7/24]
〈この夏、バーベキューデビュー!〉 炭を敷かない場所を作って、肉や野菜の焼け焦げ防止に
前回は、バーベキューを楽しむための基本的な心得を、日本バーベキュー協会の下城さんにうかがいました。今回はいよいよ実践編。楽しみながら、おいしく焼くコツなどをうかがいます。
●材料は家で用意すれば、当日の手間入らず
下城 「食材を持っていく場合は、大部分の作業を家ですませていきましょう。例えばトレーに入った肉は、そのまま持っていくとトレーがゴミになるので、家であらかじめ切って、ファスナー付きの保存袋に入れて持っていきます。これなら、後片付けも楽ですよね。野菜も現地で切ると道具が必要だし、生ゴミが出るので、これも切って持っていく。現地では焼くだけで済ませられます。
ただし、食中毒を防ぐために、食材の扱いは注意が必要です。まず、肉は手づかみしないこと。トングは2本、まな板も2枚持っていって、それぞれ生肉用と焼いた肉用に使い分けます。豚肉は芯の温度が63℃以上、鶏肉なら70℃以上になるまで焼くことが必要です。でもあまり慎重になって焼きすぎるとおいしくないから、天ぷら用の温度計を用意して、肉に刺して温度を測りながら焼くと便利ですよ。
それから、肉が焼けるまでにはある程度時間がかかります。その間に子どもがお腹がすいたときのために、『焼かないもの』も持っていくといいでしょう。クラッカーの上にチーズやハムを載せるくらいの、軽く食べられるものでいいんです。ただし市販のスナック菓子とかじゃなくて、手作りのものがいいですね。子どもの気分が全然違うから」
●グリルの1/3から半分くらいは炭を敷かないで焼く
肉や野菜がいっぺんに焼けて、食べるのが間に合わないことも多いのですが。
下城 「バーベキューの焼き方の基本として、僕が提供しているのが、グリルの中の1/3から半分は炭を置かないようにする『スリーゾーンファイヤー』です。
炭のない場所には、焼き上がった物を置いておけるから焦げることもありません。また、炭がなくても炭に近い場所は輻射熱があるから、シイタケなどのあまり火力のいらない食材がジワッと焼ける。これなら食材を焦がさずおいしく焼けるし、落ち着いて食べられます。
あと、野菜はバーベキューではおいしく焼けないことがほとんどだと思いますが、これは乾燥しているから。乾燥を防ぐために、刷毛でオリーブオイルなどを塗って焼くといいんです。ピーマンなどは切ると乾燥するから、表面にオイルを塗って、種を取らずに丸ごと焼けばOK。ピーマンが苦手な子は多いけど、これなら食べられるんですよ」
炭を敷く面積を減らすだけで肉の焦げが防げるんですね、まさに「目からウロコ!」です。
●焼くメニューにも遊び心を取り入れて
下城 「バーベキューって、いわゆる『クッキング』じゃないから、焼くときもちょっと遊び心を入れて楽しんでほしいで すね。例えば、1本の串に刺す食材は、焼き上がりがまちまちにならないよう1種類が基本なのですが、あえて2種類くらい組み合わせてみる。そうすると、中 には焼き鳥のねぎまみたいになる、当たりの組み合わせがあるんですよ。子どもが考えて、自分で串に刺してもいい。当たりが見つかったら、その組み合わせは マイファミリー串として、今後の定番にしてもいいですね。
あとは、デザートを入れること。これは『これでバーベキューは最後だよ』という〆の意味もあるのですが、フルーツなどを焼くんです。バナナやキウイ、イチゴ、オレンジ、パインなど、なんでもOK。バナナを皮ごと焼いたのはまあまあ評判がいいけれど、あとはけっこう人によって評価が分かれますが、どんな味になるか、いろいろ試してみるのが楽しいんです」
●炭は完全に消火して! 灰捨て場に捨てるか、持ち帰って処分を
先日、捨てられたバーベキューの炭から山火事が起きるということがありました。バーベキューが終わった後の炭の処理について教えてください。
下城 「残った炭の量が多いと片付けが大変になるので、まずは『エンドバーベキュー』をして量を減らすことが基本です。
『エンドバーベキュー』とは、バーベキューの終盤に残っている炭を集めて山型にし、炭の温度を上げて、マシュマロやチーズを焼くんです。マシュマロを串に刺して、火につかず離さず焼いていくと、表面がカリッとしておいしいんですよ。子どもに自分で焼かせるといいですね。子どもって夢中になるから、焼いているうちに炭がどんどん減ってきます。
炭が少なくなったら、バケツに水を入れて、その中に炭を入れて消火します。一気に入れると、煮えたぎったお湯が噴き出して危険なので、一つずつ入れること。火が完全に消えているか確認した後、施設に灰捨て場があればそこに捨てましょう。捨て場所がない場合は、家に持ち帰って家庭ゴミとして処分します。
炭は炭素の塊なので、土に埋めても分解されず、地中に永遠に残ります。みんなが捨てたら、そこらじゅう炭だらけになって環境破壊になりますから、必ず処分して帰りましょう」
当たり前のことですが、マナーをきちんと守って楽しむことが何より大切ですね。ありがとうございました。
プロフィール
日本バーベキュー協会会長。日本で唯一のバーベキューマイスター。
バーベキュー文化の発展と啓蒙を目ざし、協会を設立。日本初の「バーベキュー検定試験」を主催し、バーベキューのプロとして指導にあたれる人材の育成にあたるなど、バーベキュー界のパイオニアとして活躍している。