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生活・しつけ
小学1年生 2014年7月17日の記事
先を見て、子どもに合わせた接し方を[7/17]
《うちの子、発達障害? 3》子どもの「今」の姿を見ながら、そのときどきで必要な対応を心がけましょう。
入学前の進路を考える際、トマコさんは通級指導教室に通いながら通常学級で過ごすことを選択されました。
その後、入学してからのお子さんについてお聞きしていきたいと思います。
●周りが理解することで「二次障害」を起こさないように
入学後のお子さんはどうでしたか?
トマコ 「発達障害の子は二次障害を起こしやすいと聞きます。例えば、発達障害で『できない』のを『サボっている』とか『がんばっていない』などと誤解され、それによって心が傷ついたり、自信を無くしたりすることがあります。
そうして、外からの圧力で心の病気が起こるのが二次障害です。
体が風邪をひくように、発達障害の子は心の風邪をひきやすいのです。
心の風邪は、体のそれに比べて治りにくく、将来の方向性すら変えてしまうものだと知っていたので、二次障害のことを特に心配していました。
それでも、暑さが苦手な長男は、夏が来ると大幅に体調を崩しました。心配していた、心の疲れが出てしまったのです。
そうなってしまった子どもに対して、親も接し方を変える必要があり、それが自分の価値観を崩す作業でもあるので、親子共にずいぶんと疲弊したものでした。
けれど、そのとき選んだ対応が良かったのか、秋が来るころには子どもの状態も戻り、2年生ではまったく問題なく過ごせました。
ただ、やはり二次障害の不安は消えず、今後成長過程で、大きなつまずきがある可能性を考え、常にアンテナを張り巡らせておこうと思っています」
●子どもの「今」を見て、そのときにできることを
今振り返って、こうしておけばよかったという後悔、あるいは、こうしておいてよかったということはありますか?
トマコ 「もっと早くから支援を受けていれば、という思いはやはり消えません。子どもなんてこんなもの、と思わず、もっと周囲を見てもっと早くから相談箇所を作っていればよかった。もっと早くから集団に慣れる訓練をしていたら、もっと早くから子どもが安心できる場所を増やしていたら、また違う結果だったのではないかと。
でも、悔いて自分を責めても良くはならない、むしろ母の精神状態が悪くなり、子どもにもそれが伝わり、悪くなるだけ。だから、前を向いて、今、自分ができることをするようにしています。
簡単なことでは、会話を増やして子どもの状態をさりげなく見るようにしたり、子どもが友だちを呼びやすい家づくりをしたりする。
複雑なことでは、病院や学校と連携を密に取り、子どもの問題と今の状況を把握したりなどと、『先』に繋がる『今』を大事にすることを心掛けています」
現在、トマコさんのご長男は4年生になりました。
最近のお子さんのご様子についてお聞かせください。
トマコ 「実は3年生で不登校になりかけたのですが、学校や病院、通級指導教室と連携し、4年生になった今では元気を取り戻し、また毎日元気に通えるようになりました。
子どもに問題が発生したとき、早い段階で気づけてすぐに対応できるようになったのは、今まで頭を打ってきたことが実を結んでいるのかなとも思います。
今は、長男が安心できる場所で、思う存分勉強や運動ができるようになりました。
友だちを呼びやすい家づくりを心掛けたためか、放課後もお友だちとたくさん遊ぶようになりました。
そういった長男での経験から、弟たちの対応は早め早めにしています。
次男、三男は言葉が遅いのですが、長男のときだと気にもしなかったことでしたが、早々に相談箇所を作り、検査を受け、言葉のお勉強に通える場所を確保しました。
後で慌てて動く前に事前のルート作りを、と思い、動いています。
今までは、どちらかといえば楽観視していた自分の価値観を崩すことは精神的に大変で、送迎の日々は体力的に大変ですが、『今』を見て、『今』できることをしようと思っています。
それが、彼らの『先』を輝けるものにすると信じて」
トマコさん、ありがとうございました。
トマコさんが、ご自身の経験やどのように悩んだか、等身大の言葉で語ってくれたことで、発達障害をただ一人で恐れるのではなく、周りと連携しながら立ち向かえばいいのだと思えるようになりました。
トマコさんの子育てのお話はトマコさんのご著書『うちの子って発達障害!?』(学研)
や、オフィシャルサイト「トマコだもの」 でも見ることができます。
プロフィール
男の子3人の母であり、イラストレーターでマンガ家。
女性向けのWEBサイトで子育てマンガを連載中。
著書に『男の子って、こうして育つ』(PHP研究所)
『うちの子って、発達障がい!?』(学研)
https://shop.gakken.co.jp/shop/order/k_ok/bookdisp.asp?code=1340545900
などがある。
オフィシャルサイト「トマコだもの」
http://tomakodamono.com/