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生活・しつけ
年長 2013年8月30日の記事
☆浣腸、座薬で出すことは必要なの?
《入学前に治しておきたい。子どもの便秘 3》
便秘治療は、とにかく「出す」ことが第一!
前回は、さいたま市立病院小児外科部長の中野美和子先生に病院を受診する目安を伺いました。
今回は、病院での治療はどんなことを行なうのかについてお聞きします。
●すぐに効果が出なくても、あせらずに
病院では、どんな治療をするのですか?
中野 「薬で毎日便を出す習慣を作ることが第一の目標です。一般的には、緩下剤やマグネシウム製剤などを服用して、便を出しやすくします。
ただ、便がとても硬くて、出にくい状態がずっと続いているなど、症状が重い場合は、浣腸や座薬を使います。
とにかく、まず『出してしまう』ことが第一だからです」
浣腸や座薬を使っていると、それがないと出なくなってしまうこともあると聞きますが…。
中野 「こどもの便秘は、直腸に便がつまるのが最大の問題です。ですから、腸をもとの形に戻すためには、ある程度の期間、毎日浣腸や座薬を使うのは必要な手段です。
便を出さないままで溜めてしまうと直腸が伸び、便意を感じる感覚がマヒしてしまうので、便秘は悪くなる一方です。
腸がもとの形に戻れば、自分から便意を感じて、トイレに行けるようになり、座薬や浣腸は必要なくなりますよ。
ただ、便秘の期間が長ければ長いほど、治療も時間がかかるので、すぐに効果が出ないこともあります。あせらず、根気よく治療を続けてください。
中途半端にやめてしまうと、あとからぶり返して、また同じ治療の繰り返しで、かえって治りにくくなってしまいます」
●排便日誌で、便の状態を親子でチェックする習慣を
便秘ぎみで入学後が心配という親が、日頃から子どもの便の状態をチェックするには、どうすればいいんでしょう。
中野 「よく注意していれば、親は子どもが毎日排便しているか、便秘ではないかは大体わかると思いますが、親子で排便への関心をもつためにも、『排便日誌』をつけることをおすすめします。
日付と起床・就寝の時間、便が出たかどうか、いつ出たか、どんな便か(バナナ、コロコロ、ドロドロなど)、そのほか気づいたことなどの欄を作って、毎日子どもとチェックします。
ウンチが出たら、シールをはるようにしたりすると、子どもも楽しみながらつけられます。
便秘ぎみなことがわかったら、食事の献立や量、その日あったことなども記録しておくと、排便と体調・生活習慣などの関係がみえてくることもあります。
夏休みや冬休みを利用してつけるのもいいですね」
なるほど、これなら毎日子どもの便の状態が把握できますね!
次回は、家庭で行なう便秘対策についてお聞きします。
プロフィール
中野美和子先生
永年にわたり、先天性の排便障害疾患の治療に携わる。
2005年に開設されたさいたま市立病院内の排便外来にて、先天性疾患だけでなく、一般の子どもの難治性便秘、便通異常、便失禁の治療も行なっている。