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生活・しつけ
年長 2013年9月1日の記事
☆毎日の生活で行なう便秘対策
《入学前に治しておきたい、子どもの便秘 4》便秘対策は、無理せず、楽しみながらが基本
今回は病院で治療する前に、あるいは治療と並行しながら、毎日の生活で行なう便秘対策について、さいたま市立病院小児外科部長の中野美和子先生にお話を伺います。
●毎日決まった時間にトイレにいく習慣をつける
便秘解消のために、毎日の生活でできること、したほうがいいことを教えてください
中野 「規則正しい生活の中で、毎日のトイレ習慣をつけることです。
まず朝、早く起きて、朝ご飯を食べましょう。
ある程度胃にものが入らないと、腸の反射運動が起きないので、ご飯とみそ汁、おかずに野菜のつけあわせなど、しっかりめの量を食べたほうがいいでしょう。
かといって、小食の子に無理にたくさん食べさせる必要はありません。楽しく食べられることを優先させてください。
そして、食べている最中でも、便意が起きたようなら
『トイレに行ってきたら?』
と、声をかけ、トイレは毎日行くものだということを習慣づけるようにします」
朝、早く起きるのが苦手な人は、かなり頑張らないといけないですね。
中野 「朝、排便をするには、ゆったりトイレに入っている時間が必要ですから、バタバタとあわただしくしていては無理ですよね。
ですが、どうしてもこれ以上早く起きられないという場合は、夕方でもいいと思います。実際、学校ではトイレに入らず、帰宅後に排便するという子も多いようです。
お母さんの負担が重いと、毎朝イライラして、子どもの精神状態にもよくないし、長続きしません。
朝でも夕方でも、無理なくできる範囲で規則的な生活をして、とにかく『毎日1回は出す』習慣をつけることを第一の目標にしましょう」
●野菜は火を通した調理法がおすすめ
便秘によいと言われている食物繊維や乳酸菌はとったほうがいいですか?
中野 「今の食事は食物繊維が不足しがちなので、野菜やきのこ、海藻などを意識してとったほうがいいですね。
野菜は、生野菜よりも煮物などの火を通したもののほうが同じ量でも繊維質をたくさんとることができます。
主食も白いものは繊維が少ないので、ご飯なら雑穀や玄米を混ぜたもの、パンなら胚芽やライ麦の入ったものがいいでしょう。
だからといって、繊維質のものばかり食べさせるのも考えものです。繊維質は不消化物ですから、食べ過ぎると腸閉塞を起こすこともあるんですよ。
いろいろな食品をバランスよく、ある程度の量を食べていれば、自然に繊維分はとれるものです。
生活リズムと同様で、無理なくできる範囲でやりましょう。
排便するために生活するわけではないのですから、楽しく毎日を過ごすことが一番です」
そう言われると、お母さんたちも安心です。
中野先生、ありがとうございました!
プロフィール
中野美和子先生
永年にわたり、先天性の排便障害疾患の治療に携わる。
2005年に開設されたさいたま市立病院内の排便外来にて、先天性疾患だけでなく、一般の子どもの難治性便秘、便通異常、便失禁の治療も行なっている。