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生活・しつけ
年長 2013年8月29日の記事
☆食事対策だけで便秘が改善しないときは、早めに受診を
《入学前に治しておきたい、子どもの便秘 2》「パンツにウンチ」は、便秘が原因だった!?
子どもの便秘が慢性化すると、意外な症状が現れることもあるそうです。
今回は重い便秘の症状や病院に行く目安について、さいたま市立病院小児外科部長の中野美和子先生にお話を伺います。
●「便秘」がひどくなると「便がもれる」ようになる
便秘がひどくなると、具体的にはどんな症状が出るのですか?
中野 「硬い便が腸の中に大量にたまることで、激しい腹痛が起きたり、肛門が切れたりする子もいます。
さらにひどくなると『便失禁』の症状が出ることもあります。
直腸で詰まった便の周辺は、腸内細菌の状態が悪くなっているので、下痢をしやすくなります。
そのゆるい便が、直腸をふさいでいる硬い便の周囲を通り抜け、無意識のうちにもれてしまうんです。
しょっちゅうパンツを汚す子は便秘になっていることが多いので、叱らないで、まずは原因を調べてください。
あとは、5、6歳くらいでおむつはとっくにはずれているのに、トイレではなくパンツの中、あるいは、わざわざおむつにはきかえて排便するというケース。これも便秘が原因であることがほとんどです。
便秘の子は、便が硬くて出しづらいため排便が苦痛で、トイレでの排便がトラウマになってしまい、パンツやおむつの中でしかできないんです」
●食事や生活の見直しは、3週間から1か月がカギ
便秘もこじらせると、大変なんですね。
便秘がちな子は、自覚症状がないうちから、病院に行ったほうがいいんでしょうか。
中野 「程度が軽いようであれば、後で述べるように(第4回)、食事や生活習慣の見直しから始めてみましょう。
ただ、便秘改善の食事というと、今週はヨーグルト、次の週は野菜ジュース…というように、何か月もあれこれと試し続けてしまいがちです。
あまり時間をかけていると、直腸に便がたまって便秘腸になってしまい、かえって治りにくくなります。
3週間程度様子をみて、それでも改善しないようなら、病院で診てもらいましょう。
ほかに、以下のような症状がどれか一つでも見られる場合は、病院を受診したほうがよいでしょう。
・ 排便が週に2回以下
・ 腹痛や機嫌が悪くて集中できない、排便のときに苦痛が強い
・ 下着がしょっちゅう汚れる(無意識のうちにもらしている)」
悪化させないために、食事や生活習慣の見直しで結果が出なければ、迷わず受診するのが大切ということですね。
次回は病院での治療法について伺います。
プロフィール
中野美和子先生
永年にわたり、先天性の排便障害疾患の治療に携わる。
2005年に開設されたさいたま市立病院内の排便外来にて、先天性疾患だけでなく、一般の子どもの難治性便秘、便通異常、便失禁の治療も行なっている。