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生活・しつけ
年長 2013年4月1日の記事
「○○できる子」をめざす危険性
《就学前に身につけたいこと6》「○○できる」にこだわらず、親は子どもに豊かな経験をさせることが重要です。
ここまで、年長の時期に身につけたいこととして、“自己肯定感”、“人とかかわる力”、“意欲的に学ぶ力”、“想像力”、“ことばの力” の5つについて千葉経済大学短期大学部こども学科教授の横山洋子先生にお話しいただきました。
ここで、横山先生は年長児の子どもを持つお父さん・お母さんに、ひとつ注意してほしいことを挙げてくださいました。
●子どもを「できる」「できない」の2択で見ない
年長児のうちに身につけたい5つのことについてお聞きしてきましたが、最後に年長児のお父さん・お母さんに、アドバイスがあればお願いします。
横山 「就学前に身につけたいことについてここまでお話ししました。
ここで、注意していただきたいのは、子どもを『○○できる・できない』という2択の目で見ないでほしいということです。
『できる』にこだわると、親は子どもを監視する人になってしまいます。そして『○○できる』方向へ子どもを追い込むことになりがちです。
親は『○○できる』にこだわらず、『○○をする機会は作る』、『経験できる場を与える』、『やり方が分からなければ教える』。
そして、『できたらかっこいいね』くらいの気持ちで子どもを見守り、できるようになったら共に喜びましょう。
できなくても、『まだできなくてもいいんだよ』、『やっているうちに上手になるからね』ということばをかけるようにしましょう。
こうしたことばは、子どもをホッとさせる救いのことばです」
なるほど、親が「できる」にこだわると、子どもに余計な劣等感を与えてしまうのですね。
●幼児期は、自然物に触れ、思い切り遊ぶことが大切
年長児に、親はどのような経験をさせてあげたらいいですか?
横山 「年長の時期は、『できる・できない』にこだわらず、年長の時期にしかできない豊かな経験をさせることが重要です。
豊かな経験とは、海外に行くなど特別なことではなく、子ども自身が『おもしろい』と思って思い切り遊ぶことを指します。
5感や全身を使って、幼児期にしかできないこと幼児期にふさわしい経験・生活をさせることが大切です。
年長の時期にやるべきことは、自然物に十分に触れて、思い切り遊ぶこと。
自分で楽しいと思って遊ぶうちに、自分で決めることが多々出てきます。
こうした年長の時期の充実が、その子の “主体性” を育てます。
主体性とは、自分で考え、自分で行動し自分で責任を取る(人のせいにしない)こと。
自分の人生を自分で歩むことです。
子どもたちが、自分の人生を輝かせて生きていくために大切な力です。
また、親が子どもにとってよいものをと思い、何でも決めてしまうことがありますが、主体性を育てるためには、子どもに自分で決めさせる経験も必要です。
年長児のお父さん・お母さんは、子どもに多様な経験ができる場を提供し、その子の主体性を大切に育てましょう」
横山洋子先生、ありがとうございました。
幼児期は、その子のその後の人生を決める大切な時間なんですね。
幼児期は、その子のその後の人生を決める大切な時間なんですね。
そんな時間を、大切に楽しく子どもと過ごせたらいいなぁと思いました。