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生活・しつけ
小学1年生 2013年6月9日の記事
★友だちと同じおもちゃを欲しがります
《子どもの友だち付き合い4》 駄々をたくさんこねさせて、子どもの言い分に耳を傾けましょう。
「友だちの間であるおもちゃがはやっています。『同じおもちゃを持っていないと一緒に遊べない』という、息子の言い分は分かるのですが・・・・・・」
子どもには友だちとの間で事情があるようだけれど、親としては賛成しかねる・・・・・・というお悩みです。
石田遊子先生にお考えをうかがいました。
石田 「買ってあげるか、買ってあげないかのどちらかですよね。
『お友だちが持っていたらほしくなっちゃうよね』
と、子どもの気持ちに共感するだけではなく、
『でも、ダメ』
と、親の気持ちを子どもに伝えます。
経済的な理由もあるでしょうし、
『何でも欲しいというから買うというのは、お母さんよくないと思うから』
という理由でも、思ったことを伝えましょう。
そのうえで、親子で話し合って
『誕生日なら買ってあげる』といったルールを決めたらどうでしょう」
前回と同じように、話し合いで決めるのが基本ですね。
石田 「話し合いで決めるといっても、親と子ですから、本当の同等ではないと私は思っています。
どうしても決定権は親にあります。
けれど、子どもは気持ちを分かってもらえれば、行動上の決定権は親であっても納得します」
納得するものですか?子どもにも言い分があるし、簡単には「分かった」と言わないように思いますが・・・。
石田 「確かに、子どもの言い分を聞かずに、独断専行で決めてしまえば納得はできないですよね。
よくある親子のやりとりだと『分かった? 分かったのなら言うことをききなさい』という感じで、気持ちを分かってやらないんです。
それで決定してしまう。
そうではなくて、『嫌だ』というのなら、『嫌だよね。頭ごなしに言われたら嫌だよね。言い分があるよね』
と、その『言い分』をいっぱい聞いてあげるんです。それが共感するということ。共感があれば、納得しやすいものです。
子どもは、いろんなことをいっぱい言ってくると思います。それを全部聞いてあげましょう。
聞くだけの話ですよ。
そのとおりにしてやるというのではありません。
気持ちを全く受けとめてもらえない、相手にしてもらえない、というのが、子どもにとってはいちばんつらいことなんです」
なるほど、自分の思い通りにならないのがつらいのではなく、自分の思いを聞いてもらえないのがつらいのですね。
石田 「そうです。親が自分の意見を言いたいのであれば、まずは子どもの意見もちゃんと聞きましょう。
子どもは大人のように、自分の意見としてきちんと言葉にすることはできません。
ですから、子どもが自分の意見を言うときにはたいてい駄々をこねます。
癇癪を起こします。
それにちゃんと相手してやりましょう。
癇癪を起こさせて、駄々をこねさせましょう。
子どもが駄々をこねたり、癇癪を起こしたりするとたいていは『もう知らない!』『ダメったら、ダメ!』で終わりにしてしまうことがあると思います。
そうすると、子どもは自分の気持ちはまったく聞いてもらえないうえに行動の決定権も親にいってしまい、とてもつらくなります。
大人だって、自分の言い分をたんまり言わせてもらえれば、たとえ自分の思い通りにならなくても、まあ承知はできますよね。
仕方がないかって諦められます。
大人も子どもも同じです。
もしかしたら、その子の言い分を聞いているうちに
『そこまで言うんなら・・・・・・』
『まあ、買ってあげてもいいかな』
となるかもしれない。
それなら、それでもいいんです。
子どもの言い分が勝つことがあるかもしれません」
えっ、いいんですか?
石田 「そこで、負けたからってどうということはありません。勝ち負けで言うのなら、両者が言い合って決めたことならば、両方が勝ち。
引き分けって言うのかもしれません。
お互い譲り合って、妥協するときがあってもちっとも構わないと思います。
なかなか、理想的に最後までとことん話し合いましょう、とはいきませんよね。
おもちゃひとつのことに、何日費やすことになるか分かりませんもの。
生活していくのですからお互い譲り合って、親も妥協、子も妥協。
それでいいんですよ」
石田先生に、そのように言っていただけてホッとしました。
この先、子どもが成長していけば、どんどん難しい問題が出てくるかと思います。そのときに、自分の意見を言いたければ、相手の意見も聞きなさいという先生の言葉を思い出したいと思います。
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