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生活・しつけ
小学1年生 2015年5月13日の記事
すぐ「もういいや」「できない」に困っちゃう[5/13]
《どうしたらいい? すぐあきらめる子 前編》 なぜあきらめてしまうのか、その理由を探りましょう
遊びや習い事などで、ちょっと難しいことをやろうとすると「できないからいい」「もうやらない」と、あきらめてしまう子。
この先、学校の勉強などもその調子であきらめられてしまうと、親としては困ります。もうちょっと根気とかやる気が出てくれればいいのですが……。
あきらめの早い子の心理や関わり方について、発達臨床心理学がご専門の井戸ゆかり先生にうかがいました。
●あきらめてしまう、子どもの側の理由って?
小学生になると、勉強や運動面などで、「がんばる力」が要求されるようになってくると思うのですが、すぐ「もういいや」とか「できない」とあきらめてしまう子だと、この先大丈夫かなと心配になってしまいます。
井戸 「ひとくちに、すぐにあきらめてしまう、粘りがないといっても、その原因はさまざまです。いくつか考えられる理由をあげてみましょう。
1.自分に自信がない
多くの場合に当てはまると思われるのが、子ども自身に自信がないというケースです。
遊び中心だった園児時代とくらべ、小学校に入ると、お勉強の要素が多くなってきます。すると周囲はもちろんですが、親御さんの子どもへの評価も、できる・できないというものさしで見るようになってしまいがちです。
その評価が高ければ、『自分はできるんだ』と自信を持ち、それが意欲につながっていきます。でも、評価が低いと『できない』『失敗しちゃった、どうしよう』と自信をなくすし、さらにそこで怒られたりすると、『自分はダメな人間なんだ』と、ますます自己評価が低くなり、続ける意欲がなくなってしまいます。
何事にも意欲をもって続けていかれるようにするには、ある程度の自信と『今の自分でいいんだ』という自己肯定感をもてることがとても大切だと思います」
2.目標が高すぎる
井戸 「概して、親は子どもに対して期待が大きいので、とかくその子が今の段階でもっている力よりも高いレベルを求めてしまいがちです。そのため、どうしても目標が達成できず、あきらめてしまうということも多いのではないでしょうか。
なかなか目標が達成できないと、失敗も多くなります。失敗も大切な経験ですが、失敗ばかりが続くと自信を失いやすくなります」
3.子どもにとって関心が持てない
井戸 「親はあきらめが早いと思っていても、実は単にその子にとって関心の持てないことだからということも考えられます。苦手意識があるものを無理に克服しようとしても、嫌なことや楽しいと思えないことはなかなか続けられません。これは大人にも同じことが言えると思います。
よく、上の子が得意なことを下の子にもさせようとする親御さんがいますが、たとえきょうだいであっても、興味や関心は子どもによって違います。子どもそれぞれの個性をよく見極めることも大切です。
なかには、性格的にあまり執着心が無く、マイペースな子もいるかもしれません。ただ、こういう子は、興味関心のあることを始めると集中する場合も多く、周囲に左右されず、ストレスには強い面もあると思います。むしろそういうよい面を伸ばしていくとよいでしょう。
また、子どもはそのときの体調や気分によって、「やりたくない」と言っていることも多いものです。すぐに『ホントに、根気が無いんだから!』などと決めつけず、続かないのはなぜなのか、子どもの側の理由を考えて、それに合った対応をしてあげてください」
井戸先生ありがとうございました。
うちの子は集中力がないのかなと思っていたのですが、子どもなりにいろいろ理由があるんですね。
次回は、あきらめずに、意欲を持って取り組めるようにするための関わり方についてうかがいます。