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生活・しつけ
小学1年生 2015年4月9日の記事
兄弟ゲンカを止めるときに言ってはいけないことは?[4/9]
《子どもの兄弟ゲンカ対処法・2回目》「お兄ちゃん、お姉ちゃんなんだから」などと言って上の子ばかりにガマンさせないで。
子どもたちが兄弟ゲンカをはじめると、上の子に「お兄ちゃん・お姉ちゃんなんだからガマンしなさい!」と言ってしまうことはありませんか? それを続けていると、上の子は不公平感を募らせてしまうかもしれません。
NPO法人子育て学協会会長 山本直美さんに、上の子との接し方についてお話を伺いました。
●上の子に何でもガマンさせないで
山本 「子どもの兄弟ゲンカを止めるとき、上の子に『あなたがガマンすればいいの』と言ってしまうと、上の子は不公平感を感じてしまいます。
特に、上の子が男の子の場合、弟や妹と“順序不同”に扱われるのを嫌がります。ママが自分よりも弟・妹を優先していると不満がふくらみ、下の子にあたってさらなる兄弟ゲンカにつながることもあります。
例えば、外食時にメニューを選ぶとき。
上の子は、弟・妹よりも先に注文したいと思っています。自分がメニューを選んでいる間に弟・妹が先に注文してしまうと、混乱して怒りがこみあげてくるのです。
そんなときは、上の子に『あなたが選ぶのが遅いからよ!』と責めずに、『お兄ちゃんは何にするの?』と聞いてあげてください。そして、下の子には『待っていてくれて、ありがとうね』とフォローできるといいですね」
●「上の子優先」の子育てで兄弟仲がよくなる
山本 「兄弟関係を良くするためには、何でも“上の子優先”で育てたほうがいいのです。上の子は、心が満たされるので、弟・妹を大事にするようになります。
あるお兄ちゃんは、工作をしているときに、『○○(弟の名前)もきっと欲しがるから、2つ作っておこう」と言っていました。一方で、下の子が『お兄ちゃんもこのお菓子が好きだからとっておこう』と、上の子を気遣うこともあります。
相手を受け入れ、相手の気持ちを想像すること。これは、お子さんが社会に出て人間関係を築いていくために必要なコミュニケーション力なのです」
●下の子より上の子の方に手がかかると感じるのはなぜ?
山本 「お子さんが2人以上いる親御さんは、もしかして『下の子の方が自立が早いな』、『手がかからないな』と思うことがあるかもしれません。 それはきっと、親御さんのしつけだけではなく、お兄ちゃん・お姉ちゃんのおかげでもあるのです。
下の子は、親が丁寧にしつけなくても、お兄ちゃん・お姉ちゃんのマネをして、自然にいろいろなことができるようになります。
下の子は手がかからないうえにニコニコしていて可愛げがある、でも、上の子は注意しないとわからず、わがままを言う……そう感じてしまうことがあるかもしれません。でもそれは、その子の性格のせいではありません。決して上の子を責めないでくださいね」
なるほど、上の子は親がお手本となってしつけてきたので、手がかかると感じてしまうことがあるのですね。
次回は、「兄弟ゲンカの原因の探り方」についてお伝えします。
プロフィール
チャイルド・ファミリーコンサルタント。
株式会社アイ・エス・シー代表。NPO法人子育て学協会会長。
幼稚園教諭を経て、大手託児施設の立ち上げに参画。95年、株式会社アイ・エス・シーを設立し、保護者と子どものための教室『リトルパルズ』を開設。
『ゆるママ講座』、『できパパ講座』を開催し、全国各地で講演会活動を行っている
著書:『子どものココロとアタマを育む 毎日7分、絵本レッスン』(日東書院本社)、『デキるパパは子どもを伸ばす―今すぐ取り組める13のステップ』(東京書籍)