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学校・まなび

小学1年生 2018年8月17日の記事

学校の先生は「夏休み」に何してる?《後編》

 

 

前回の記事では、日直、プール当番など、夏休み中ならではの先生のお仕事をいくつか紹介しました。思ったよりも忙しい先生の夏休みですが、ほかにもまだまだ、夏休み中にしなければならないお仕事はたくさんあるのだそうです。引き続き、現役小学校教諭の舟山由美子先生に伺います。

 

 

●夏休みは2学期以降の準備で大忙し

 

夏休みの行事などに関わる仕事だけでなく、2学期以降の準備も先生たちの大事な仕事。2学期は、学芸会や運動会など、どの学校も大きな行事がめじろ押し。「夏休み中にできるだけ準備をしておかないと、授業が始まってからの負担がとても大きくなります」と舟山先生。その仕事の内容をご紹介していきましょう。

 

◆研究授業の準備・検討・協議

「研究授業」とは、教育委員会や校内の先生など、教育関係者に授業を公開して、その後に協議し講評をもらう、その一連の流れを言います。年に一度行われるもので、どのような内容で授業をするか、夏休み中に先生方が話し合って決定し、準備を進めるのだとか。

 

「どの学校も、毎年それぞれ『研究テーマ』をもって校内で研究をしており、国語や算数や体育といった教科を重点的に研究する場合や、教育方法や学習指導要領に焦点を当てて研究することもあります。いずれにしても私たち教員は、授業を通して指導するので、そのための『研究授業』はどの学校でも欠かせません」(舟山先生)

 

◆運動会・学芸会・音楽会・展覧会などの行事の計画・準備

「夏休みの間に、学芸会であれば脚本の作成、音楽会なら曲目、運動会ならダンスの選定をし、職員会議で検討したり、必要なものをリストアップしたりします」(同)

 

◆各教科の教材研究

教材研究とは、授業の内容をふくらませるために知識を深め、授業での教え方を見直したり、自分で指導計画を立てたりして、教師としての技量を上げること。いわば、先生の「スキルアップ」といったところでしょうか。「教員にとっての夏休みは、教材研究のためにあるといってもいいほど大切なもの」と、舟山先生は言います。

 

後でご紹介する「研修」も教材研究や教育技術向上のために行なわれるもの。それ以外に講演会を聴いたり、学芸会やダンス指導の参考のための舞台鑑賞なども、知識や見聞を広げ、先生としての技量を深めることにつながります。

 

これらに加え、現在のように、授業の指針となる学習指導要領が改訂される前後の時期は、それに向けての各自の研究も必要になるのだとか。

 

◆学級事務書類の1学期にできなかった分の残務処理

「授業がある間は、事務的な仕事にはなかなか手をつけられないのが現状です。どうしても残ってしまった書類の処理などを夏休み中に行ないます」(同)

 

 

●スキルアップのための研修も必須

 

先生の教育技術向上のために行なわれるもので、講座やセミナーに参加したり、講演会を聴いたりと、その内容はさまざま。どの先生方も、夏休み中は何かしらの研修に参加しているそうです。研修の種類は、以下の2通りがあります。

 

◆教育委員会主催の研修 

「どの教員も夏休み中に必ず参加する義務のある研修で、費用は無料です。教職について初年度から10年目までの教員を対象にしたものや、国語、算数といった教科ごとの研修のほか、教員免許更新のための研修、アレルギー対応給食についての研修などもあります」(同)

 

◆自主研修

「教員が自主的に選んで参加する研修で、参加の際には学校に『研修願』や『報告書』が必要です。費用も個人で負担します」(同)

 

勉強熱心な先生ほど、指導技術のスキルアップのためにいろいろな研修に参加するため、時間的にも費用的にも負担が大きくなるといえそうです。

 

「ここまで紹介した仕事に加え、この時期は、子どもが家に帰ってこない、事故に遭ったというようなトラブルも多く起こります。こういう場合、担任以外の教員も招集され、捜索などに加わることも少なくありません。また、夏祭りなど、地域のイベントのパトロールなどの仕事が入ることもあります」(同)

 

こうして見ていると、夏休みでも、先生たちはかなり忙しく過ごしている様子がうかがえますね。

 

 

●春休みは、夏休み以上に忙しい

 

ちなみに、ほかの長期休暇期間についてはどうなのでしょう? 

 

「冬休みは公務員や会社員と同様、年末年始休がありますが、冬休み自体がそれほど長くないので、学校で用をすませているとあっという間にお休みが終わります。春休みは、教員が年間でもっとも忙しいと感じる年度末と年度始まりにあたる時期なので、ほとんど休みがとれません」(同)

 

年度末は、その年度に担当したクラスの指導や生徒の学籍の記録などを記載した「指導要録」をまとめるという重要な仕事のほかに、教室の整理などの雑務も山積み。4月1日には新しい教室に移って、新年度の準備をしなければなりません。春に運動会や遠足がある学校は、その準備や下見も春休みに行なうそうです。

 

「異動がある場合には、4月1日には新しい赴任校に移り、慣れない環境で運動会や遠足も含め、一から準備を始めることになります。ゴミ捨て場の位置一つわからないので、手探りで仕事しているような状態ですね」(同)

 

宿題がない春休みは、子どもたちにとって天国ですが、先生たちにとってはもっとも過酷な期間のようです。

 

こうして、先生たちは忙しい「夏休み」期間を過ごし、休み明けには元気いっぱい登校してくる子どもたちを迎えます。もしお子さんが「先生は夏休み、宿題がないからいいな~」なんて言っていたら、夏休みの先生のお仕事について話してあげてはいかがでしょうか。

 

(取材・執筆:坂本洋子)

 

 


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