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生活・しつけ
年長 2012年3月12日の記事
子どもの登下校をしっかり見守るには?
《親野智可等先生に聞く入学準備2》
自分の足で登下校する小学校。通学路って危なくないのでしょうか?
ついこの間まで、幼稚園の園バスで通っていた我が子が、行き帰り保育園へ送り迎えされていた我が子が、自分たちの足で、子どもたちだけで、本当に登下校できるのかしら……?
考えるだけで、不安になることってありますよね。
そうはいっても、毎日登下校に付き添うわけにも行きません。
親としては、何ができるでしょうか?
親野 「もちろん通学路は学校側で検討して決められているわけですが、それはそれとして、親の目から見て
『本当にこの道で安全か?』
と確認することはとても大切です。
私は、お子さんと一緒に、最低1回、実際に通学路を往復してみることをお勧めしています。
そして、通学路にどんな危険が潜んでいるか、子どもに現地で教えるのです。
口で『あそこは危ないよ』と言うだけでは、子どもに今ひとつよく伝わらないこともあります」
通学路なのだから安全に決まっていると思わないで、子どもと一緒に歩いて安全確認をしてみる必要があるんですね。
親野 「そのときに、気をつけてほしいのは時間帯です。
なるべく、お子さんが通学する時間帯や下校する時間帯に合わせたほうが効果的です。
同じ道でも、朝の通勤時間とお昼とでは、車の量などまるで様相が違いますからね」
確かにそうですね。どのように子どもに教えたらよいでしょうか?
親野 「危なそうな大通りや信号など、親の目で見つけて、
『ここは危ないねー』『ここは要注意だねー』
と現地でお話ししてあげてください。
また、こちらから一方的に話すだけでなく
『ここはどういうところが危ないかな?』
など、子ども自身に考えさせてもいいでしょう。
登下校時の子どもの事故で、特に多いのは飛び出しです。
見晴らしの悪い通りがあったら
『ここで飛び出すとどうなると思う?』
と注意を呼びかけてください」
見晴らしの悪いところと、それ以外にどういったところに気をつけさせればよいでしょう?
親野 「あとは、交差点で信号待ちをするときですね。
子どもは気持ちが急いているのか、歩道と車道とのギリギリのところで待っていることが多いのです。
自動車は、左折するときに前輪に比べて後輪が内側を通ります。
子どもはこの内輪差を理解していません。
特にトラックなどの大型車は、タイヤが歩道スレスレのところを通ることがあります。
交差点でギリギリのところで待っていると、左折する車の後輪に巻き込まれてしまうかもしれません。
『前のタイヤがこうくると、後ろのタイヤはこうくるよ。
ギリギリで待たないで、1メートル下がって待とうね』と教えてあげてください。
また、子どもというものは大人しく待っていませんよね?
ぴょんぴょん飛び跳ねたり、友達とふざけあったり。
ランドセルに給食袋などヒモの長い袋をつけていた場合、それが子どもの動きで揺れて、バイクに引っかかったりする危険もあります。
そういう危険があることを教えてあげてほしいと思います。
また、そもそも、子どもが道を歩くときそのような紐をつけた状態にならないように親が配慮してください」
ギリギリのところで信号を待ったり、ぴょんぴょん飛び跳ねたりする姿、容易に目に浮かびます……。
普段から、近所の道でも「1メートル下がって待とうね」と教えていきたいです。
親野 「あとは、人通りの少ないところ、外部から死角になるところも要注意です。
昼間でも、不審者が狙っていることがあります。
通学路に、そのような人の目が届かない場所がないか親子でチェックしてください。
そして、何かあったとき、どこにどう逃げればよいのか確認しておきましょう。
地域には『こども110番の家』というものがあります(名称は地域によって様々です)。
親子で、実際にそこに住んでいる人や事務所の人に
『こんにちは、何かあったときはよろしくお願いします』
とひと声かけておくとよいでしょう。
110番の家があっても、知らない家や場所にはなかなか入りづらい。
実際に入ってみれば、何かあったときも入りやすくなります。
それに、ただ素通りするだけでは忘れてしまうものも、一度行ってみれば記憶にも残ります。
お子さんを守るためいろいろやってみましょう」
親野先生ありがとうございました!
通学路の安全確認のポイントは以下の五つ。
(1) 登校時刻、下校時刻に実際に親子で歩いてみる
(2) 見晴らしの悪い通りで飛び出さないよう、現地で注意を促す
(3) 交差点での待ち方、内輪差について、現地で教える。紐に注意!
(4) 不審者が出そうな所を親子でチェック
(5) 不審者から逃げる方法、逃げる場所を確認しておく
心配だけど、実際に4月になれば我が子を送りださなければなりません。
その前に、親子で安全確認&対策についてぜひ話し合ってください。
子どもの危機管理こそ親の出番です!