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学校・まなび
小学1年生 2019年5月23日の記事
わが子が「学童行きたくない」と言い出したらどうする?
小1で学童を卒業させたママたちの体験談【前編】
入学から約2か月が過ぎ、小学校生活にも慣れてきた頃でしょうか。しかし、この時期になると、学童に「行きたくない」と言い出すお子さんもいると聞きます。もし、わが子が学童を嫌がり始めたら、保護者はどう対応すればいいのでしょうか。小1で子どもを学童から卒業(退所)させたという先輩ママに、体験談を聞きました。
●「自分だけが学童に行くのは嫌」「自分もママに会いたい」と言った娘
今回、ママたちに聞いたのは、「子どもが学童をやめたいと言い出した理由」と「保護者がどう対応したか」。まず、現在小3になる娘さんを持つ都内在住のYさんから。娘さんが学童に行きたくないと言い出したのは、小1の5月頃だったと言います。
「理由は2つありました。1つは、一緒に登下校をしているお友だちが全員、学童に行かず家に帰っていくから。2つめは、ママと会いたいから。保育園は皆がそこにいるのが当たり前でしたが、小学校に入って環境が変わり、『自分だけがなぜ』という気持ちが強まったようです。
ただ、学童にもお友だちや優しい先生はいて、行ってしまえばそれなりに楽しいとのこと。『もう少し頑張ってみたら? ママもその間お仕事を頑張っているから』と話しました。一方で、なるべく仕事を調整して早く迎えに行ったり、在宅ワークに切り替えたりもしました。また、民間学童の見学に行き、6月ごろからは週1で民間学童に通わせることにしました。
同じ学校に通う先輩ママには、学童のある児童館に、ランドセルを背負ったまま立ち寄れる制度があると聞きました。2年生以上は、それを利用して働いている保護者も多い、と。この制度に登録すると、”学童に行っていないお友だち”とも一緒に遊べるので、徐々に切り替えることも検討しました。
ただ、夏から秋にかけての時期に『もう行きたくない』と強く言うようになり、結局、小1の11月には退所することに。学童はクラスや学年を越えた友人・知人ができるのが良かったなと、学年が上がるごとにしみじみ感じますが、娘の場合は、給食時間も放課後のことを思って涙するということが続いていたため、当時は悩みましたね…。やめるまでの半年間は、なかなか安心して仕事をしていられない日々でした」
●同級生だけでなく、上級生との相性で学童が嫌になる場合も
お次は、小3の娘さんを持つGさんの体験談。娘さんが学童を嫌がり始めたのは、小1の6月ごろだったそうです。
「理由を聞くと、上級生の男の子にからかわれるのが嫌だからと話していました。『やめたい』と言いはじめて3日ぐらいは一時的なものだと思いなだめていましたが、あまりに辛そうなので、その週のうちに学童の先生に面談をしていただくことに。情報を共有した後、上級生には注意をしつつ、娘ともども見守っていくと先生が言ってくださいました。
その後、1か月ほどは特に不満も言わず通っていましたが、しばらくすると、最初にからかってきた上級生以外の、他の何人かとも同じようなトラブルが発生。結局、夏休み前に退会しました。
学童は自由遊びがメインなので、楽しく過ごせるかは、ある程度、運みたいなところもあるのかもしれませんね。本当にいろいろな子がいるなと勉強になりました。ちなみに娘は、いまは逆に仲の良いクラスの子と遊びたくて、『学童に行ってもいいかも~』なんて言っています(笑)」
●外遊びのできない環境で体力を持て余してしまった
続いては、都内在住のKさん。現在、小2の息子さんを持つママの話です。Kさんの息子さんが学童に行かず帰宅するようになったのは、小1の3学期に入ってすぐのことでした。
「3学期に入ってすぐの1週間、毎日のように学童の先生から『今日は〇〇君、学童に来ていませんが…』と電話が入るようになりました。当時、家の鍵は持たせていて、ケータイは持たせていない状態。まずは確認しようと、自宅勤務に切り替えて帰宅すると、息子がパソコンでYouTubeを見ていました…!
その後、毎朝『学童に行くように』と伝えるものの、息子からは『え~』と渋い返事。夫からも説得してもらい、『学童に行かないなら、習い事をしてもらうよ』など代替案も伝えましたが、息子は『どっちもやだな~。でも習い事の方がましか~』と、一番は家で自由に過ごしたいようでした。
実は2学期の後半に学童でトラブルがあったとき、児童館長から『パワーが有り余っているので、外で遊べないうちの学童では物足りないのかも』と言われていました。通っていた学童は、けっして広いとは言えない児童館に併設されており、屋外の遊び場がありません。校庭で遊べるのも月1~2回程度で、確かに外遊び好きの子には狭い感じでした。
また、2学期に友達とケンカをするトラブルが続いたことがきっかけで、特に同学年の女子から、誰かが泣いていたりすると『〇〇くんがやったの?』とまず言われるようになったそうです。『行きたくない』と言い出した時に、学童主任の先生に相談したら、そのことも理由の1つかもねと言われました。
勝手に帰って来ないようにと鍵を取り上げるわけにもいかないので、結局、勝手に学童を休む日々が2週間続きました。2週間行かないと自動的に退所となることもあり、首に縄をつけてまで行かせるのも違うなと思ったので、そのタイミングで退所させました」
●「学童やめたい」で地域子育てにシフト
最後にご紹介するのは、北海道在住のSさん。現在、娘さんは小4です。「学童をやめたい」のセリフが聞こえだしたのは、小1の夏休み頃からだと言います
「本人に聞くと、『飽きた』のだそうです。前に、監視されているような雰囲気があると聞いたことがあるので、そうした理由もあったのかもしれません。夏休みの途中でしたが、学童は退所させることにしました。
そもそも私は、同世代の子どもしかいない集団に少し違和感を持っています。学校で半日過ごしてくるだけでも、見えないけれど精神的なストレスは大きいと思うんです。放課後は、近所のおじいちゃんやおばあちゃん、友だちの両親や兄弟姉妹、ペットなど、地域にいる多様な人々と触れあえるほうが、親子ともどもずっと楽なんじゃないかな、って。
私の場合、職業が自営の農家なので、そうした願いが叶いやすく、もし学童をやめたとしても、少しの時間ならかまってあげることができます。単純なお手伝いを促したり、「生活」の授業の勉強になりそうな農村の様子を共有したり、一緒に休憩のおやつを食べたり…。子どもを育成するチャンスととらえ、付き合おうと考えました。
保育所の頃から、“下の子がまだ小さく、お母さんの在宅が多い同級生のお友だち”と家を行き来する習慣があったのも、安心材料になってくれました。また、放課後を地域で過ごすにあたり、近所のおばさんなどに、学童へ行かなくなったことを世間話の中でお話ししたと思います」
4人のママたちからお話をうかがって、子どもが学童に行かなくなるタイミングは、保護者が自らの子育ての方針について再確認するいい機会になるのかもしれないなと感じました。後半では、学童退所後の子どもたちの放課後の過ごし方についてお聞きします。
(取材・執筆:有馬ゆえ)