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学校・まなび
小学1年生 2019年5月21日の記事
はじめての個人面談。保護者から担任への相談で多いのは?
新学期や運動会の慌ただしさが落ち着く5~6月の時期に、個人面談や保護者会を行う学校も多いようです。1年生の保護者にとっては、わが子の学校生活が垣間見える貴重な機会でもありますが、皆さん、どんなことが気になって、担任の先生にどんな質問をしているのでしょうか? 現役小学校教諭の舟山由美子先生に伺いました。
●多くの保護者の心配事は、学習・生活面と友人関係について
幼稚園や保育園と違って、子どもがどのように過ごしているかが見えにくい小学校。担任の先生は、面談や保護者会で様々な質問を受けることと思います。
「個人面談や保護者会で保護者の方から発せられるのは、ずばり『うちの子は大丈夫ですか?』という言葉です。『学校でうまくやっていますか?』と聞く方も多いですね。これは1年生に限らず、どの学年でも同様です」(舟山先生)
やはり皆さん、学校での子どもの様子が気になるのですね。具体的には、どんな点を心配しているのでしょうか?
「心配事の多くは、学習面、友人関係、給食や整理整頓といった生活面の3つに関すること。相談の内容としては、次に挙げるようなことが多く聞かれます。
【学習面】
・先生の話を理解できているのか
・授業についていけているのか
・「読む力」「書く力」「計算力」は学年相当の水準を達成しているのか
・宿題にとても時間がかかるが、大丈夫か
・宿題をするように言っても、テレビを見たりしてなかなか手をつけない
これらの相談については、学校での様子と家庭での様子を情報交換することで、『これからどうしていったらよいのか』という方向を、担任と保護者との間で共通認識できるようにしていきます。
【友人関係】
・いじわるをされていないか
・友だちにいじわるをしていないか
・休み時間は、みんなと遊んでいるか
・おとなしいので、友だちができにくいのではないか
・登校班のメンバーになじめない
・共働きなので、放課後の友人関係が心配
・当番や係の仕事をするときに、協調性があるか
などを心配される方が多い印象です。ただ、ほとんどの子は、性格の違いはあっても、なんとか学校の生活に馴染もうと努力しているもの。担任としては、そうした子どもたちのけなげな部分をお伝えし、家庭で声がけをしていただいたほうがよい場合には、その都度お願いするなどしています。
【生活面】
・朝、一人で起きられない
・登校までの準備に時間がかかる
・学校に行きたがらないことがある
・食事を食べるのが遅い、偏食が多く心配
・机の中や道具箱の中を片付けるのが苦手
・着替えが遅い、下着を裏返しで着てしまう
・ゲームばかりして、だらだらしている
生活面での課題については、学校と家庭で『困り感』にあまり差がないことが多いように思います。ただ、なかには、家ではやらないが、学校ではちゃんとやっているという場合もあるので、それぞれの子どもに応じた対応を考えて連携していくことになります」(同)
保護者にとっては「うちもそう!」と思えるような質問が多く、皆さん、同じことで悩んでいるのだなと、少しホッとした気持ちになりますね。
●面談では、気になることをどんどん相談してOK
舟山先生によると、上記3つに加え「子どもの発達」に関する相談も年々増えているのだとか。
「最近は発達についての情報が氾濫しているため、それらを目にして心配になった保護者の方が、わが子の発達について相談されることが増えているように感じます」(同)
まれに、学習面や生活面、友人関係に関するお悩みから、発達に課題があるケースが見つかる場合もあるそう。
「もちろん、お悩みの多くはそれほど心配ないケースであって、『こんなふうにしていきましょう』と明るく言って終わるのですが、支援が必要な場合は、当事者である子ども自身のために、保護者と学校側とが一緒になって取り組んでいく必要があります。
どういう場合であれ、面談は、学校と保護者の間で適切に情報を交換し合うための大切な場。時間の制約などはあるかもしれませんが、保護者の方から学校への質問や、気になることがあれば、遠慮せずどんどん相談してくださいね。そうやって信頼関係ができることで、学校と保護者との連携も成り立つからです」(同)
初めての面談や保護者会は、学校と私たち保護者が信頼関係を築くためのはじめの一歩となるわけですね。
(取材・執筆:坂本洋子)