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学校・まなび
小学1年生 2014年7月14日の記事
勉強大好き&学力アップ「親野智可等のママゼミ」第14回[7/14]
子どもが勉強したら“まずほめる”“取り敢えずほめる”
●ほめられると、「勉強って楽しい」という認識ができあがる
前回、勉強に関する否定的な言葉はすべて逆効果で、子どもの中に「勉強ってつまらない」という認識ができてしまうということを書きました。
勉強へのやる気を高めるには、その反対に、勉強に関する肯定的な言葉をたくさん贈ってあげることが大切です。
すると、子どもは「勉強するとほめられる。勉強って楽しい」と思えるようになります。
本当は親の肯定的な言葉がうれしいのであって、それは勉強の中身とは関係のないところでのうれしさです。
でも、勉強に関してうれしい気持ちになるので、「勉強って楽しい」という認識ができあがるのです。
では、具体的にはどうしたらいいのでしょうか?
まずは、子どもが勉強をしたら、そのこと自体をほめてあげて欲しいと思います。
親は「宿題や勉強はやって当たり前」と思っているのでほめられないのです。
でも、子どもの立場になってみてください。
●子どもは毎日けっこう大変
子どもは朝早くから学校に行き、授業を5時間も6時間も受けます。
しかも、授業では毎時間新しいことを学びます。
大人は毎日新しいことを学ぶということは少ないと思いますが、子どもは毎時間新しいことを学んでいるのです。これは、かなりたいへんなことです。
初めて聞くことが次々と出てきて、難しい問題をやらせられて、算数だ、国語だ、理科だ、社会だと追いまくられ……。
ちょっとぼんやりしていれば勉強がわからなくなり、よそ見やおしゃべりをすれば先生に叱られ……。
そして休み時間は友達関係でいろいろ気をつかい、朝の会などの司会で緊張し、掃除や係の仕事をがんばり、昼寝もできずに午後の授業もがんばり……。
その後、重いランドセルを背負ってテクテク歩いて家に帰りつき、ランドセルを置いてホッとひと息……。
のんびりだらりと過ごしたいのに、それでも気力を振り絞って宿題に挑み、やっとやり終えたと思ったら、親に叱られ……。
そこで、「直せ」と言われても、「はい、そうですか。直します」とはならないわけです。
●「宿題がんばったね。ご苦労様。たいへんだったね」
なんとか宿題をやり終わった時点で、子どもの気持ちはスイッチオフになっています。パソコンでいえばシャットダウンです。
やり直せといわれても、すぐにはその気になれません。もう一度スイッチを入れて脳の中のパソコンを立ち上げるのは、けっこう大変なのです。
ですから、取りあえず「宿題がんばったね。ご苦労様。たいへんだったね」とほめてあげてください。
ほめられた後でなら、間違いを直す気にもなり得ます。
大人だって、一日中会社で仕事をして家に帰ってきて、それから持ち帰りの仕事をして、やっと終わったと思ったら旦那に「これじゃおかしいから直せよ」などと言われれば、カチンと来ます。
そこで、旦那が「がんばってるね。ご苦労様。いろいろたいへんだね」と言ってくれれば、心が安らぎます。
その後でなら、「ここはこう直すといいかも」と言われれば、素直に直す気にもなろうというものです。
ということで、子どもが勉強したら、まずはとにかくほめてあげてください。
そうすれば、勉強に関してうれしい気持ちになるので、「勉強って楽しい」という認識が持てるようになります。