大和田佳世(おおわだ かよ)
絵本・児童書のライター。出版社勤務を経て、絵本紹介サイトなどで執筆。作家へのインタビューも行う。9歳、5歳、1歳を子育て中です。毎回、この時期ならではのおすすめの絵本を紹介していきます。
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年長 2017年12月27日の記事
今年ももうすぐ終わり。新しい年がやってきます。年末年始の行事やしきたりにはそれぞれ意味がありますが、ちゃんと説明できるママは意外と少ないもの。親子で絵本を楽しみながら、それぞれの由来を学ぶのはいかがでしょうか。新しい年のはじまりに興味をもち、知識を得ることは、4月の入学への心の準備にもつながります。
『おせちのおしょうがつ』(ねぎしれいこ作、吉田友子絵)は、ページを開いてびっくり、あたたかみのあるフェルトなどの手芸品で絵が作られている絵本です。おせち料理が、重箱の車に乗って、みんなでかがみもちの家に遊びにいくお話ですが、途中でハプニングあり、救出劇ありのストーリーがおもしろい!
重箱の車を運転するのは、かずのこ(タイヤはレンコン!)。途中で昆布まき、海老、ごまめ、きんぴら、伊達巻きに会い、空からはきんとんが飛んできます。おとそが乗り込んだところで、「きみはおせちりょうりじゃないもん」と嫌がった黒豆さんが端っこに寄って……川に落ちてしまったから、さあ大変。黒豆さんを助けようと、川に飛び込んだおとそ。2人が滝のほうへ流れていくのをおせち料理全員で助けようとがんばります! 昆布まきは帯をのばし、綱引きで……どうなる!? ドキドキの場面を味わいながら、細部までかわいい絵を楽しんでくださいね。
「こぶまき まきまき きーんとん、くろまめ まめまめ ご・ま・め、だーって だてまき きーんぴら、えびさん れんこん お・と・そ。そうさ ぼくたち おめでたい、そうよ わたしたち おめでたい♪」と、歌いながら、自然におせち料理の由来を学ぶことができます。おせち料理を作る前や食べる前、食べた後にももちろんおすすめ。年長さんが飽きずに学べる、素敵な一冊です。
『こどものこよみしんぶん』(内田かずひろ絵、グループ・コロンブス構成・文)は、こども新聞のような絵本。1月から12月までそれぞれ一見開きずつ、その月の行事や季節ならではの出来事が紹介されます。どのページからでも気楽に眺めることができ、なぞなぞコーナーや四コマ漫画、ことわざ、暦のことばといった、小さな読み物ネタがぎっしり。ひらがなが読めれば、年長さんでも1人で楽しめる一冊。イラストが豊富で読みやすいです。
案内人は、季節のニュースを伝える特派員「エッどんぐりクン」と、そのガールフレンド「マァどんぐりチャン」。かわいいドングリのキャラクターが子どもの心をつかみます。とくに「エッどんぐりクン」はマイクをもってあちこちに出没、レポートにインタビューに大活躍。
巻末では「月のみちかけ」を解説しながら、昔と今の暦の違いを記し、二十四節気も一覧化。見返しではすべてひらがなで読める七十二候の一覧もあります! 一見かわいい絵本なのに、なかなか実力派です。一年間を“1人読み”で学ぶ絵本としても、年長さんにはぴったりではないでしょうか。ただ、入学前のお子さんには理解しにくいものもありますから、親子でおしゃべりしつつ読み込む時間も作れるといいですね。
ご紹介した2冊はどちらも、年末年始の忙しいときに気楽に読める絵本。ストーリーやミニコーナーを楽しみつつ、あらたにスタートする年への心の準備をしてください。ちなみに、わが家の年長さんは『こどものこよみしんぶん』の4月のページを見て「一年にいちど、うそをついてもいい日があるんだって!」とびっくり。「エイプリルフールっていうんだよ」「4月にはもう小学生だね」と話すきっかけになりました。いよいよ、ピカピカのランドセルを背負う春まであと少し。節目の新年を楽しく迎えられますように!
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大和田佳世(おおわだ かよ)
絵本・児童書のライター。出版社勤務を経て、絵本紹介サイトなどで執筆。作家へのインタビューも行う。9歳、5歳、1歳を子育て中です。毎回、この時期ならではのおすすめの絵本を紹介していきます。
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