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学校・まなび
小学1年生 2017年12月8日の記事
1年生にお金の価値を教えるには?
連載「現役先生が教える、学校ってこんなところ!」第17回
こんにちは、現役小学校教諭の舟山由美子です。
早いもので、もう師走。お正月もすぐそこですね。子どもにとってのお正月の楽しみのひとつが「お年玉」ではないでしょうか。今回は、子どもと「お金」についてのお話です。
1年生でもお金の大切さ、便利さを理解
小学1年生では、ふだん、自分でお店(コンビニなど)に行ってちょっとしたお菓子などを買ったり、お母さんから頼まれてお使いをしたりするなど、自分でお金を使うことができる子はいます。一方で、子どもにはお金を持たせないようにしている家庭というのもあります。そういった家庭の方針による違いは少しあるかもしれませんが、1年生にとってのお金の意識はというと、その重要性と有効性は、どの子もわかっていると思います。
よく、「お年玉」をいくらもらえるのか(もらったか)という話題で、子ども同士で「ぼくは、五千円もらう」とか「ぼくは、一万円もらった!」などと話しているのですが、金額が大きいほど口調が自慢げになるので、「お金」は多いほうがいいという共通認識はあるのです。
ただ、子ども時代のお小遣いやお年玉は、労せずして得るお金であるので、お金の価値や怖さについては、まだよくわかっていないかもしれません。
お金の価値観は家庭の教育がメイン
小学校では、ほぼ例外なく、集金時以外に「お金」を持ってくることを禁止しています。学校の生活指導では、買い食いや子ども同士で店に行くことも禁止しています。
ただ、放課後の公園などで一緒に遊んでいて、持っていたお菓子をもらい、その「お返し」としてコンビニで別のお菓子を買えと要求されてトラブルになるということは少なくありません。そして、それが学校のほうに持ち込まれたりすることもあります。けれども、それを学校で解決するのはなかなか困難です。その子の家庭が、ふだん「お金」を持たせているか、持たせてないのか、持たせているならどれぐらいの金額なのかで、「お金」に対しての家庭の見解が違ってくるからです。
学校の立場で言うと、お金は、保護者の許可があって初めて使うことができるものというスタンスです。お金というのは、家庭のいろいろな事情を映すものでもあり、子どもに対して、どのようなお金の与え方をしても、学校はそれを批判したり推奨したりすることはできないのです。
だからこそ「お金」についての価値観や、どう使うのか、ということについては家庭での教育にかかっていると言えます。
周囲の大人の「価値観」を映す子どもの「お金」観
個人的な考えとしては、1年生のうちから子ども自身がお金を使うこと自体はいけないこととはいえませんが、お金を与える以上は、ただ与えるだけでなく、お金の価値とは何なのか、子どもに教える必要があるのではないかと思います。それには、親御さん自身も、あらためてお金について考えることが重要になってきます。
教室では「お金は、おうちの人が一所懸命に働いて稼いだ大切なもの」という言い方をしています。ただ、お金のやりとりが発生しない学校で、お金の価値をどれだけ教えようとしても、そこには限界があるでしょう。
ないと困るけど、愛情の代替物でもない「お金」、使い方を誤ると怖い存在でもあります。親の管理のもとで、子どもの年齢に見合った金額を適切に使う、という経済感覚を折に触れて話し続けることが大事だと思います。
1年生ではまだ、具体的な金額を入れて話しても、理解するのは難しいかもしれませんが、お年玉をもらうお正月はよい機会と言えるでしょう。
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