大和田佳世(おおわだ かよ)
絵本・児童書のライター。出版社勤務を経て、絵本紹介サイトなどで執筆。作家へのインタビューも行う。9歳、5歳、1歳を子育て中です。毎回、この時期ならではのおすすめの絵本を紹介していきます。
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小学1年生 2017年8月7日の記事
小学1年生の夏休み、楽しくすごしていますか? 夏の遊びといえば、海やプール、キャンプ、花火、虫とり……。どれもわくわくするけれど、じつは夏にできる遊びって、もっとたくさんあるんです。「夏ならではの遊び」のヒントがたっぷりつまった2冊をご紹介します。
『かこさとし あそびずかん なつのまき』(小峰書店)は、『だるまちゃんとてんぐちゃん』『からすのパンやさん』の他、『かわ』『地球』『宇宙』など、さまざまな科学絵本も多い、かこさとし(加古里子)さんの絵本。御年90歳を超えた今なお、精力的に作品を作りつづけているかこさんが、数年前に出版したのがこちら。「かこさとし あそびずかん」シリーズです。今回はその中で「なつのまき」をご紹介します。
たとえば、みなさんなら、どんな海辺の遊びを思いつきますか? 「うみべのあそび」のページでかこさとしさんが教えてくれる砂遊びは、面白そうなものばかり! 「ゆうれいじょう」は、水を混ぜたとろとろの砂を上から垂らして、あやしい尖ったお城を造る遊び。「砂とりごっこ」や「砂山 たまころがし」、「字かくしごっこ」に「砂だんご かいどう」……。どんな遊びか知りたくなりますよね。もちろん泳ぐ前の「うみへの入り方」も、きちんと解説されています。
昔ながらの笹舟作りや、花や葉っぱでの鉄砲作り。光に集まる虫を観察したり、夏の鳥を探すのも遊び。石けりケンパなどのちょっとした外遊びも、いくつものバリエーションが紹介されています。
暑い夏は室内で過ごすことも多いもの。工作、手遊び、石けん遊び、絵描き歌まで載っていて、一家に一冊置いておきたくなります。
シンプルだからこそみんなが夢中になる遊び。年齢がちがう者どうしでも、対等に一緒に楽しめる遊び。夏の自然を満喫できる遊び。まさに、かこさとしさんの知恵がつまった貴重な一冊です。子ども同士はもちろん、ふだんはなかなか遊べないパパや、田舎のおじいちゃんやおばあちゃんとも遊んでみてください。きっと、いい夏の思い出になりますよ。
次にご紹介したいのが『はじめてのキャンプ』(福音館書店)です。作者は、林明子さん。『はじめてのおつかい』『おふろだいすき』『こんとあき』などでたくさんのファンをもつ絵本作家さんです。『はじめてのキャンプ』は、「林明子さんに、こんな作品があったなんて!」と、私自身もうれしい驚きを感じた絵童話です。
ひらがなの文章に、どの見開きにもカラー挿絵が描かれ、1年生ひとり読みにぴったり。お話はこんな感じ。ちっちゃい女の子のなほちゃんは、大きい子たちが河原にキャンプに行くと聞いて「わたしもいく!」と言います。でもみんなに「ちっちゃいこはだめ!」と言われてしまいます。なぜって、重い荷物をもてないし、すぐ泣くし、薪をあつめられないし、夜こわがるし……。でもなほちゃんは「くらいそとに、ひとりでおしっこにいける!」と主張し、参加できることになりました! さあ、なほちゃんにとって、はじめてのキャンプがはじまります……。
キャンプにもっていくものを用意するところから、わくわくははじまります。いよいよキャンプの日、テントをはって、川に入り、川でひやしたスイカを食べて……。わ、なかなか薪を集められないと思ったら、なほちゃんはものすごく大きな薪を見つけましたよ! キャンプファイヤーに流れ星、夜はテントで……。そうそう、夏と言えば、外で聞く「こわい話」も格別なものでした。なほちゃんは、ひとりでおしっこにいけるのかな……?
子どもの頃の夏のわくわくがよみがえってくる『はじめてのキャンプ』。空、星、川、火、暗闇。それがあるだけで何もかもがとくべつで、とびっきりの遊びになることを思い出させてくれます。
夏はやっぱり、いつもとちがう遊びをしたい! 小学1年生は、なほちゃんのように「ちっちゃいこ」と思われるかもしれません。すぐ泣くかもしれません。でも、やりとげた子どもの顔の輝きを見てみたいと思いませんか。一度きりの小1の夏休み。残りの夏を、体と心をめいっぱいつかって遊びましょうね!
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