1958年生まれ。本名 杉山 桂一。
公立小学校で23年間教師を務め、退職後は、全国各地のPTAや市町村の教育講演、本の執筆に精力的に取り組んでいる。
メールマガジン「親力で決まる子供の将来」は新聞、雑誌、テレビ、ラジオなど各メディアで絶賛され、教育系メルマガとしては最大規模を誇る。
著書多数。
【小学1年生】と【年長】ママのお役立ち情報を配信!
生活・しつけ
小学1年生 2017年7月10日の記事
過日私が講演に行ったある幼稚園で見たのですが、ある先生が年長児とおぼしき子どもを叱っていました。
何を叱っていたのかよくわかりませんでしたが、よくないと思ったのは他の子どもたちの前で大声で叱っていたことです。
子どもはかろうじて立ってはいましたが、上半身を前に深くかがめて今にも倒れ込みそうな様子でした。
先生の話に心を開いているようには到底見えませんでした。
大声で叱るのもよくないですが、他の子がいるところで子どもを叱るのは、本当によくないです。
人前で叱られると、子どもの自尊心が非常に傷つきます。
小さな子どもでも、恥ずかしく感じる気持ちは十分にありますし、こういう状態では恥ずかしさで頭がいっぱいになってしまうものです。
すると、なぜ叱られているのかとか、これから何をどう改めるべきなのかなどを考えるところまで頭が回りません。
これは家庭においても言えることです。
親はつい他のきょうだいのいるところで叱ってしまいますが、これはよくないですね。
他のきょうだいにも聞かれているということだけで、子どもは素直になれません。
他の子のいないところで、目の高さを合わせて、静かな落ち着いた声で話すことが大事です。
また、親が一方的に言いたいことを言うのではなく、子どもの言い分も共感的に聞きながら進めてください。
そして、ときには問答によって子どもにも考えさせながら、子どもが納得するように上手に教えてあげてください。
子ども自身が、「本当にそうだなあ。これからは気をつけよう」と思えるようにしないと、意味がありません。
親や先生が他の子どもの前で叱るのは、「見せしめ効果」をねらっているからです。
1人の子どもを叱ることで、他の子どもにもわからせようというねらいがあるのです。
でも、そもそも、見せしめにされた子ども、つまり一番肝心な叱られている子どもの心に届いていません。
ですから、その子の成長に結びつかないのです。
さらに、たびたびこういうことがあると、子どもは親を恨むようになります。
きょうだい関係にも悪影響が出ます。
これは大人の例で考えればすぐわかることです。
例えば、職場において、上司が部下を人前で叱ったとします。
一度でもこういうことがあれば、人前で恥ずかしい思いをさせられた部下は上司を恨むでしょう。
素直に反省するどころの話ではありません。
こういう上司の下では、職場の人間関係も悪くなります。
お互いがオープンな気持ちで付き合うことはできなくなり、心を許せない人間関係が支配するようになります。
こういう心理は大人でも子どもでも同じなのです。
ですから、子育て中の親は、常に、「これは大人同士でもできることだろうか?」と考える習慣をつけるとよいと思います。
大人同士でやってはいけないことは、子ども相手にもやってはいけないのです。
「これは大人同士でもできることだろうか?」を判断の基準にしてください。
親野先生の連載はこちら
毎週木曜にメルマガ発信中!
ご登録はこちらから↓
1958年生まれ。本名 杉山 桂一。
公立小学校で23年間教師を務め、退職後は、全国各地のPTAや市町村の教育講演、本の執筆に精力的に取り組んでいる。
メールマガジン「親力で決まる子供の将来」は新聞、雑誌、テレビ、ラジオなど各メディアで絶賛され、教育系メルマガとしては最大規模を誇る。
著書多数。
『ママノート』ツイッターやっています!フォローいただけたら幸いです。