大和田佳世(おおわだ かよ)
絵本・児童書のライター。出版社勤務を経て、絵本紹介サイトなどで執筆。作家へのインタビューも行う。9歳、5歳、1歳を子育て中です。毎回、この時期ならではのおすすめの絵本を紹介していきます。
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週末・その他
年長 2017年4月25日の記事
もうすぐゴールデンウィーク。
4月から年長さんとしてがんばっていた子どもたちも、一息つく頃ですね。
この時期、ちょっとリラックスして楽しむのにちょうどいい迷路絵本を2冊ご紹介します。
レジャーのための移動時間や、ちょっとした待ち時間が増える大型連休。
じっとしていられない子どもたちに、YouTubeでアニメ映画を見せる、又はスマホでゲームをさせてあげるなどが最近のよくある過ごし方ですが、このような迷路絵本を手渡してあげるのもいいかもしれません。
ご紹介する2冊の迷路絵本はいずれも、緻密な取材力で折り紙付き!の作者の絵本。
あえて言うなら1冊目は社会科的な刺激、2冊目は理科的な刺激もたっぷり感じられる迷路絵本なのです。
子どもが夢中になれるエンターテイメント性もばっちり。しかも学習につながるひらめきが育てられる、そんな贅沢な2冊です。
まず1冊目は『おつかいくん』(鈴木のりたけ 作)です。
「かいがらかぶった おつかいくん
おつかい おねがい」
「はい りょうかい!」
というわけで、母さんにホットケーキを作るための牛乳をたのまれたおつかいくん。
買い物かごをもって「いってきま〜す」と出かけます。
めくって広がる次のページは、それは見ごたえのある、絵地図のような迷路!
川が流れて橋が何本もあり、電車は走り、公園にロープウェーに工事現場。
駄菓子屋、つりえさや、商店街、そしてゴールは「スーパーやすい」!
スーパーまでたどりついたおつかいくん。
こんどはおじさんに「バナナを倉庫に運びたい。おつかいおねがい!」と言われて、「はい りょうかい!」
……今度は広大な倉庫の迷路!
スーパーの倉庫だの、魚市場だの、迷路の中身がとても「生活科」の材料になりそうなリアルな出来映え。
それもそのはず、作者の鈴木のりたけさんは、すし職人や運転士、消防士や農家など、様々な職業の現場を徹底取材し、細かな絵で紹介する「しごとば」シリーズ(ブロンズ新社)の作者なのです。
迷路絵本『おつかいくん』はダジャレや絵探し、隠れキャラクターと、そんな鈴木のりたけさんの遊び心がたっぷりつまった一冊。
親子で見ても、見ごたえ十分、夢中なることまちがいなし!
続編『おつかいおねがい! おつかいくん』も出ていますので、あわせて見てみてくださいね。
2冊目は『動物の迷路』(香川元太郎 作・絵)。
迷路絵本シリーズといえばこの作者! 香川元太郎さんの絵本です。
2005年に発売された『時の迷路』からはじまった大ベストセラー。
『進化の迷路』『昆虫の迷路』『乗り物の迷路』など、それぞれの本にファンがいて、シリーズ累計はなんと260万部突破。
迷路と隠し絵とクイズが超満載の一冊です。
香川元太郎さんは元々お城を描くプロでもあり、「歴史考証イラストレーター」であります。
それだけに迷路絵本を描くときも、その時々のテーマの、知識や情報に間違いがないよう、緻密に練られて制作されています。
ちなみに『動物の迷路』は井の頭自然文化園の成島悦雄園長が監修。
成島園長は、『小学館の図鑑NEO 動物』などの著者でもある人物です。
さてこの『動物の迷路』。迷路をしながら250種の動物に出会えます。
連休中に動物園に行く機会があったら、ぜひこの迷路絵本を親子でのぞいてみてください。
動物たちの世界には謎がいっぱい。
「ウサギの林」→「コアラの庭」→「ヘビの川」→「インパラ草原」→「コンドルの崖」→「ゴリラ公園」→「ムササビの夜」……まだまだあって、最後は「絶滅危惧種研究所」まで続きます。
まず最初は「ウサギの林」でウサギのエサを持って、ウサギの看板のある所を探しながら迷路を通り抜け、ゴールを目指すのですが……。
迷路をとおりぬけて遊んでいるうちに、動物の名前から分類や生態まで、自然と知識が身につきます。
難易度の低いものから高いものまで、様々なバリエーションの設問があるのが本書のよいところ。
年齢差があるきょうだいがいても、一緒に遊べますよ。
ところで描かれているのはふつうの動物園ではありません。
何でも、「動物が出入りするという、うわさのビル」内にあり、入ってみると行き先がわからない謎のエレベーターがあり、その階につくと目の前に広がっていたのは……?という、わくわくする「架空の動物園」の設定。
あちこちに登場する「イージワル星人」は、動物の子どもをさらう、宇宙の密猟者だそうです!
興味がわいてきませんか?
おもしろい舞台設定と、リアルな知識の組み合わせを楽しんでくださいね。
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大和田佳世(おおわだ かよ)
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