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小学1年生 2017年3月16日の記事

1年単位でのクラス替え、どう思いますか?

《いま、学校は〜現役教員舟山先生の小学校最新事情 第12回》 友だちや担任との関係づくりには時間が必要という声も

いま学校は3_16

 

こんにちは、現役小学校教諭の舟山由美子です。

 

もうすぐ春休み。そして数週間後には、2年生としての学校生活がスタートしますね。進級と同時にクラス替えや担任の交代が行われる学校も多いことでしょう。これまでは、クラス替えのタイミングは数年に1度というところが多かったように思いますが、最近は、少し事情が変わってきているようです。

 

 

クラス替えが毎年行われるようになった理由とは?

 

そもそもクラス替えは、児童が学ぶ環境(おもに、担任・クラスメートなどの人間関係)について「多様性」を持たせるために行われると考えられます。

 

以前は2年ごとのタイミングで行われることが多かったのですが、近年は毎年クラス替えを行う学校が増えてきました。それはなぜでしょうか。

 

これはあくまで私個人の考えですが、以前に比べ、時代の流れの速さ・テンポが格段に速くなってきたからではないかと思います。つまり、あらゆることにすぐに「成果」が求められるようになり、何かをじっと「待つ」ということを、みんなができにくくなっているということです。

 

どんなクラスにも、程度の差はあれどいろいろな問題や課題があります。それらの問題や課題を、クラス替えをすることによってリセットし、リスクを減らすことを求められているのではないかと感じます。

 

 

2年ごとのクラス替えにもよさがある

 

一方で、1年ごとのクラス替えに異を唱える声もあります。

 

それは保護者の側にもありますが、ここで注目したいのは「学級崩壊」をしたクラスをそのまま引き継いで立て直す請負人のような先生方の声です。その方たちがよく言われるのが、「本当の意味で立て直すのは2年かかる。1年では、付け焼き刃的にしかならないことが多い」ということです。だから2年かけてクラスを育てるのが望ましい」と言うのです。

 

そのような先生方の足もとにも及ばない私ですが、これは実感としてよくわかります。先生と子どもは1年中、朝からずっと教室で顔をつきあわせて過ごしているのですから、煮詰まることもあります。相性の合わない担任には容赦がない子どももいます。そんな中で、決められた内容の学習を進めて、学校の行事をこなし、学年の全体の歩みにクラスを揃えなければなりません。課題のある児童と向き合い、保護者にも対応します。

 

「1年でクラス替え」を望む声は保護者だけでなく、実は教師の側からも多いのですが、それでは担任・児童どちらにも成長がない、そうした状況を乗り越え、何らかの化学反応も経て、トンネルを抜けるように次の場所へ行く……それには2年かかる、ということなのだと思います。

 

ただし、確認しておきたいのは、どの担任も「○年△組」を1年間受け持つ、という期限のある任用です。2年ごとにクラス替えがあっても、担任は1年ごとの受け持ちで、その組み合わせということになります。

 

 

保護者と担任が連携することが子どものために

 

新年度の始業式の翌朝、教室に入ってくる子どもたちの話から、保護者の皆さんがご家庭やママ友同士でどんなことを話されていたのかをうかがうことができます。

 

先生によっては、「ママが、こんどの先生はハズレだね、って言ってたよ」「『○○先生じゃなかったの~?』って怒ってた」などと聞かされることもあるようです。

 

保護者の皆さんの側にもいろいろな思いがあることでしょう。でも、学校で実際にともに時間を過ごすのは、先生と子どもたちです。子どもが「ぼくたち・わたしたちの担任の先生」と思っている先生に対しては、保護者の皆さんも相応の態度で、まずは見守っていただければと思います。親が思っていること、言ったことは、子どもは敏感に察して、感情で表します。でもそれでは何もよい結果は生まれません。

 

私が、今こうして教員の仕事を続けていられるのは、初任で未熟なときから今まで、信じてついてきてくれた子どもたちとの時間で培われたものと、それを温かく見守ってくださっていた保護者の見識と心情のおかげであると思っています。子どもたちのために、担任と保護者それぞれができることを、相手の立場を尊重しながら一緒に考え、行動する、つまり「連携すること」が大切なのではないでしょうか。

 

 

大人が考えるよい先生が子どもにとってのよい先生ではない

 

私が初任の頃、ちょっと不器用で、保護者からの評判もあまりよくなく、実質の指導者である教頭先生からいつも注意ばかり受けている新人の男性教員がいました。担任をしていた2年生の子どもたちはその先生のことを心配して、「教頭先生から○○先生が怒られないように、ぼくたちがしっかりしよう!」と声をかけあって実によいクラスになったそうです。

 

つまり子どもにとっての「よい先生」は、大人が考える「よい先生」とは違うことがある、ということです。

 

どんな先生も、得意なことや長所があり、それはみんな違います。縁があって一緒に1年間を過ごす先生です。保護者の皆さんが、そんな気持ちで見守ってくださることを願っています。

 

舟山先生の連載はこちら

いま、学校は〜現役教員舟山先生の小学校最新事情

 

 
 
 

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