発行元:学研教育出版
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学校・まなび
年長 2013年3月19日の記事
[入学準備]時計を覚えるコツ
《入学までに身につけたいこと26》時計を覚えるコツは生活の中で時計に親しむのが一番!
【入学準備】
「こどもずかん とけい 英語つき」(学研教育出版)の監修をした筑波大学附属小学校の田中博史先生に、時計を覚えるコツをうかがいました。
田中 「生 活の中で使わない限り、数の領域の話では幼児が60までの数を理解するのは難しいものです。ただ、50音を習わなくても、自分や、お父さんお母さんの名前 を言えたり、読めたりするのと同じで、『時計』も、生活の中で使うことで、『量』としてとらえることは幼児でも可能です。
二つのものが連動して動く、時計の針の動きを読み取ることは、子どもたちにとって簡単なことではありません。私が1年生に指導するときは、最初は長い針をとって短い針だけの時計にして注目させています。(※「こどもずかん とけい 英語つき」の時計の針はとれません。)
短い針だけの時計でも、ぴったりの8時、9時、その間の9時半などは示せます。
『ほら、短い針だけでも時刻がわかるね。では短い針だけでいいね』と告げておいて、『では10時25分ぴったりに集合!』などと言うと、『先生、そんなの無理だよ。もっと詳しい針がほしい』と子どもたちは言い出します。
まずは短い針に注目させ、大まかな時刻を知る、それから長い針で詳しく知る。個々の針の役割に気づかせることが大切なのです。
この本の『かちかちどけい』のような時計の模型を使って、絵本の使い方以外に、おうちの人や友達とゲームをするのも有効です。じゃんけんで勝ったら、何分進めるとか、お子さんとルールを話しあって自由に遊んでみてください。
友達同士で各自の時計があれば、例えば、3時をスタート、6時をゴールとしてじゃんけんゲームをします。グーで勝ったら5分、チョキで勝ったら10分、パーで勝ったら15分進むというようなルールを作って遊ぶのも楽しいと思います。
ゲームをしながら自然に『ゴールまであと5分。次は絶対グーで勝たないと。パーで勝ったら6時10分になっちゃう』なんて言いながら時計の読みや計算まで理解していきます」
お昼の12時のことを午後0時と言いますが、分かりやすく伝える方法はありますか?
田中 「『こどもずかん とけい』では、最後のクイズで、概念の難しい『0時』を取り上げていますが、『0はスタート』と説明してあげてください。
『午前のスタートだから午前0時、午後のスタートが午後0時』です。午前1時、午後1時より前、スタート地点(起点)と考えるとわかりやすいでしょう」
子どもが時計を覚えるためのアドバイスをお願いします。
田中 「小学校1年生の教科書では、時計の授業は2ページ程度しかありません。
生活の中で、おうちの方や友達と一緒に遊びながら時計と触れ合う時間を増やすことが大切です。遊びの中で繰り返し体験したことはちゃんと身につきます。『お勉強』するよりももっと、時計がわかるようになることでしょう」
田中先生ありがとうございました。