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学校・まなび
小学1年生 2016年8月18日の記事
体育が苦手で、運動会が憂うつなようです
《きいて 教えて 舟山先生!》 最近の体育は、苦手意識を持たせない配慮もなされています
こんにちは。現役小学校教諭の舟山由美子です。
秋に運動会を開く学校では、2学期が始まると、さっそく運動会の練習が始まります。でも、体育が苦手な子にとっては、運動会が苦痛と感じる子も少なくありません。夏休みを楽しみながら、「体育嫌い」を解消できるようにしたいですね。
Q.体を動かすことが好きになるには、どうしたら?
1年生の娘は、小さいころから運動が大の苦手です。ボール投げや鉄棒はもちろん、足も遅くて、かけっこが苦手です。
体を動かすこと自体が得意ではないようで、外遊びよりも家の中での遊びを好むタイプです。体操教室やスイミングは、本人にその気がなかったので行かせていません。
幼稚園のときから、ほかの子に比べて動作がゆっくりで、運動が得意な私は見ていてもどかしかったです。それでも、先生やほかの友だちに励まされて、運動会などはなんとか乗り切っていました。
小学校に入った現在、体育の授業は好きではないものの、なんとかこなしています(体育のある日は、親もひたすらはげまします)。ただ、2学期には運動会があるのですが、小学校になると、ダンスや競技もレベルアップするらしく、「運動会、嫌だな〜」と口にすることがあります。
運動神経がよくないのは仕方がないのですが、もう少し体育や体を動かすことを楽しめるようになればいいなと思います。何かよい方法がありましたらお教えください。
A.親子で「ちょっぴり楽しい運動」をしてみては
最近は、「体育」の考え方がだいぶ変わってきていると思います。学校の運動会の競技にはあまり変化が見えないので、運動に対する考え方も旧態依然なのかと思ってしまいますが、私が教員になった頃から比べると、ずいぶん変わったなと感じています。
ひとつには、子どもの体力テストに見られるように、運動をしている子とそうでない子との二極化があり、それらを平均した子どもの全体的な体力低下が「下げ止まらない」からです。こうした傾向は、長い目で見ると国にとっても不利益なことです。
ですから「体育」が苦手、運動が好きでないという子どもたちに対して、どうしたら苦手意識をもたせないようにできるか、という視点をもって授業を組み立てている先生も多いです。
特に1・2年生のうちは、体育でも「○○遊び」という名前で、多様な体の動きを体感させる運動構成になっています。ボール運動も、鉄棒などの器械運動も、かけっこなどの走る運動もありますが、お母さんが子どもの頃とはまた違った内容であったり、いろいろな運動の要素が組み合わさったことをしていたりします。
もうひとつの考え方は、運動を生涯にわたっておこなえるための体育教育が必要であるというものがあります。運動ができる/できない、得意/苦手、といった区分ではなく、苦手だけど楽しむ、体を動かすことが楽しいという意識を、年をとっても持ち続けて実践していこうということです。こちらのほうは、今の高齢者のみなさんの運動への取り組みからうかがうことができると思います。
ですから、ご相談者のお子さんのような場合でも、運動が苦手そうだ……という地点から少し進めて、家でも「ちょっぴり楽しい運動」をしてみてはいかがでしょうか。
例えば、お父さんが子どもと向かい合って両手をつかんで、子どもがお父さんの体の壁を足でのぼるようにして「でんぐり返し」をする、などは幼児の頃からできます。
また、寝転がったお母さんが足の裏を上に向け、その上に子どもが腹ばいになる「飛行機」や、片足立って靴下をはく競争を親子でやってもいいですね。
お父さんが跳び箱がわりになってもいいし、子どもにハンディをつけて走る競争など、親子で出来る多様な運動アイディアの本も出ています。
運動が得意なお母さんだからこそわかることや、できることがたくさんあると思いますよ。ポイントは子どもが「楽しい!」と感じる動きをたくさん味わわせることです。
1年生の夏休みのよい思い出になれば、「体育」に対しても休み明けのお子さんの気持ちがぐっと違ってくるはずです。
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