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学校・まなび
小学1年生 2016年7月12日の記事
★登校しぶりの子、いつから学校に行けるようになる?[2016/7/12]
《登校しぶりを考える その1》 まずは「学校に来ること」が大切です
今年度も新1年生の親御さんたちから、登校しぶりのお悩みがいくつも寄せられました。
今回は「きいて、教えて、舟山先生!」の番外編として、子どもが登校したがらなくなったときにどうすればよいのかについて、現役小学校教諭の舟山由美子先生にお話をうかがいます。
●子どもは自分で居場所を見つけるようになる
毎年、多くの親御さんから登校しぶりのお悩みが寄せられますが、実際のところ、入学後に登校をいやがる子どもというのは、いずれは学校に行けるようになるのでしょうか。
舟山 「登校しぶりの問題は、新1年生とそれ以外の学年では事情が違ってきます。今回は、あくまで新1年生に限っての場合でお話ししますね。
私の経験の範囲内では、入学直後に登校をしぶる新1年生のお子さんのほとんどは、6月を過ぎる頃には学校に来られるようになってきます。ですから、お悩みのメールをくださった方たちも、すでに問題を解決された方が多いのではないでしょうか。
最初はなかなか教室に入れずに、外で泣いているような子でも、『落ち着いたら入ってきなさい』と言っておくと、だいたい入ってきます。
あるいは、教室で何か楽しそうなことをやって、わーっと盛り上がっていると、外にいる子も『何だろう』と教室をのぞきます。そのタイミングで、ほかの子に『ちょっと入ってくるように言ってみたら?』と伝えると、すんなりと入ってくることもあります。
ですから、あまり周囲がお膳立てしなくても、子ども自身が居場所を見つけられるようになることがほとんどと言っていいでしょう。
友だちはみんな教室に座っていて、自分が1人だけ外にいるという状況は多勢に無勢。先生は、自分だけに手をかけられるわけではない、ということを子ども自身が理解して、どこかで諦めというか、ふんぎりがつくのだと思います。
今はだいたい5月末から6月にかけて運動会を行う学校も多く、その時期になると皆が忙しくなります。6月過ぎにほとんどの子が学校に来られるようになるというのはそのためです。『休んでいると学校に取り残される』と、子どもながらに感じるのでしょう。
行事が立て込んでいると疲れるお子さんもいますが、深く考えないで、とにかくやらざるを得ない状況に身を置くという状況がいい方向に動くこともあるわけです。
どの学校でも、登校しぶりの場合、とりあえず学校に来てくださいと先生から言われると思いますが、それはこのように、学校に行くことで何かしら状況は変わってくることが多いからなのです。
ただし最近は、親子ともに疲れているときは休ませるなど、状況に合わせて無理をさせない傾向になってきています」
●親の不安を子どもが感じて登校をしぶるケースも
ただ、母子分離不安が強い場合は、なかなか手こずるようですね。以前の記事にもありましたが、最近は母子分離不安から登校しぶりをこじらせるケースも複数見られました。
舟山 「母子分離不安というのは、お母さんと離れることが不安で、子どもの体や精神に何かしらの問題が起きることを言います。
ただし、離れるのが不安なのは子どもだけでなく、お母さんも同じです。お母さんが無意識のうちに、子どもにいつまでも頼られていたいという気持ちがあって、それを子どもが敏感に感じ取っているために、いろいろな理由を並べて『学校に行きたくない』と、言い出している可能性もあります。
ただでさえ小学校は、今まで通っていた幼稚園や保育園とは違って、周囲が何かと手を貸してくれる環境ではありません、そのことがわかっているため、入学直後のお母さん自身は不安でいっぱいです。
そのうえ子どもが学校に行かないなどと言い出したら、これまでの自分の育て方について批判めいたことを言われるのではないかと、いっそう不安が大きくなるのではないでしょうか。
この場合、手こずれば手こずるほど、本当にこのまま学校に行かせてよいのか、お母さんの不安も大きくなるでしょう。そうすると、さらに子どもは学校に行きたがらなくなるという悪循環に陥ります。そうなる前に、お母さん自身が、何らかの覚悟を決めて子どもに接することが必要になってきます」
登校しぶりがこじれたときに、具体的に親がどういう態度で接すればよいのかについては次回うかがいたいと思います。
舟山先生、ありがとうございました。
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