野田友子 (のだ ともこ)
NPO法人日本子育てアドバイザー協会講師 東京福祉大学・大学院講師。元東京都公立保育園園長。現在は、福祉サービス第三者評価の調査員として、600件以上もの保育園・高齢者施設などの評価を行うかたわら子育てアドバイザーとしても活動。
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生活・しつけ
年長 2016年5月18日の記事
「できるだけ子どもを叱らないようにしたい」 そう思っていても、ついつい叱ってしまい、「また叱っちゃった……」などと自己嫌悪に陥ったり、ストレスがたまったりしてしまうこともしょっちゅう。
そんなお母さんのために、今回は「叱ってしまったときにどうするか」ということについて、子どもへのフォローを中心に、子育てアドバイザーの野田友子さんにうかがいました。
●『私は叱る母親』と認めてしまうことも大切
「今日こそは優しいママでいよう」と思ったそばから、「早く支度しなさい!」などと怒ってはイライラしてしまう毎日、という親御さんの声も多く聞かれます。叱らないようにすることが、かえって次の怒りを生んでしまうのですね。
野田 「叱らないようにするのって、難しいですよね。叱らないですめばそれが理想なのには違いないんですが、完璧にできる人なんて、そうそういません。
ちょっとイライラしているときなどは、ついグチグチ言ってしまうでしょう。すると前のことも思い出して、このあいだもこうだったでしょ、ああだったでしょとなる。悪循環ですよね。
ついガミガミと叱ってしまっては罪悪感を感じて落ち込んでしまうという人は、叱る自分を嫌だと思っているでしょう。
もちろん、感情的に子どもを叱るのはよいことではありませんが、「叱らないようにしなきゃ」という思いが、かえって自分を追いつめているのであれば、むしろ『私は叱る母親』と認めてしまうほうがよいのではないでしょうか。
真面目なお母さんたちにとっては、口にする以上に難しいことかもしれませんが、それができるだけでだいぶ気持ちが楽になるはずです」
●叱った後に、子どもに対して「ごめんね」を
なるほど。叱るというのを前提にしてしまうということですか?
野田 「叱るのを我慢してためておくと、いつか必ず何十倍にもなって爆発します。それなら『母親とは叱ってしまうものだ』と割り切って、小出しに叱っていくのもひとつの方法です。ただし叱ってしまった後の子どもへのフォローはていねいにしてあげましょう。
例えば、子どもがそんなに悪くなかったのに、感情的に怒りすぎたとお母さん自身が感じたときは、『大きな声を出して悪かったわね、ごめんね』などと謝るとよいでしょう。
親が謝るなんてと思う方もいるかもしれませんが、私は子どもだからって、謝らなくていいということはないと思います。ただし、だからといって子どものご機嫌をとるということではないので、そこは混同しないようにしましょう。
でも、謝るのにもタイミングが必要です。叱った直後だと親の謝り方も形式的になるし、『あ、お母さん、また言っている』などと子どもに思われてしまうこともあります。これではせっかく謝っても、子どもに気持ちが伝わりません。
叱った後は少し間を置いて、別の部屋に行くとか、家事をするなどしてクールダウンすること。謝るのはその後にしましょう。子どもが叱られたことでへこんでいるようなら、『ごめんね』と言いながら、ぎゅっと抱きしめるなど、スキンシップをとってもいいでしょう。
また、ときには、『ママ、疲れてたんだよね』『寝不足だから、怒りっぽくなっちゃった』と、親が自分の気持ちや状態を伝えましょう。子どもにも親がいつも完璧な状態でいるわけではないということが理解できるようになります。
子どもの側も強情で、叱られて悔しがっているようだったら、謝るよりも、ちょっと間を置いてから『一緒に公園で遊ぼうか』とか『お買い物に行く?』などと声をかけて、気持ちを切り替えるようにするといいですね」
叱るのを我慢しなくていいと思うだけで、少し気持ちが軽くなりそうですね。野田さん、どうもありがとうございました。
次回は引き続き、叱った後のフォローについてうかがいます。
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野田友子 (のだ ともこ)
NPO法人日本子育てアドバイザー協会講師 東京福祉大学・大学院講師。元東京都公立保育園園長。現在は、福祉サービス第三者評価の調査員として、600件以上もの保育園・高齢者施設などの評価を行うかたわら子育てアドバイザーとしても活動。
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