田宮由美
子ども能力開花くらぶ『ちゅーりっぷ ふれんず』代表
小学校教諭・幼稚園教諭・保育士
日本交流分析協会 子育て支援士
公立幼稚園・小学校・中学校での勤務を経て、現在に至る。携わった仕事と自らの子育てをもとに「生きる力を育む子育て」を発信。講演、コラム執筆などを中心に活動している。
著書:『子どもの能力を決める0歳から9歳までの育て方』(KADOKAWA)
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生活・しつけ
年長 2016年4月19日の記事
4月からはお子さんが年長さんになり、年下の子とのかかわりも増えてくるのではないでしょうか。それにともない、トラブルも……悩めるママからの相談に、子育て支援士の田宮由美さんがアドバイスします。
■相談内容■
●オモチャの取り合いから、わが子が年下の子を叩いてしまいました
息子はひとりっ子で、6歳(幼稚園年長)です。
わが家にママ友と3歳の男の子が遊びに来たときのことです。
『仲良く遊んでめんどうを見てあげてね』と息子に言い、子どもたちで遊ばせました。
すると、息子は自分のオモチャを取られたことに怒り、ママ友の子を叩いてしまったのです。
なぜ叩いたのかを息子に聞いたら「返してって言ったのに、言うことを聞かなかったから」と言ったのです……。
息子はひとりっ子なので、下の子と遊んだことがあまりありません。
自分の思い通りにならないことがあると怒り出す息子に悩んでいます。
■アドバイス■
●絶対に人を叩いてはいけないと親子で約束して
田宮 「兄弟姉妹が多い子は、オモチャの取り合いなど思い通りにならない経験を日常生活でたくさんしますよね。
でも、ひとりっ子の息子さんは自分のオモチャを取られる経験があまりなく、ストレスが大きかったのでしょう。
では、このような息子さんに、どう接すれば良いのか、順を追って説明します。
【1】傾聴
最初にすることは、子どもの気持ちをゆっくり聴くことです。
『ボクの言うことを聞かなかった』『おもちゃを返してくれない』『悔しい』『悲しい』などいろいろな言葉が出てくると思います。とにかく子どもの話しを全て【傾聴】(耳を傾けて聴く)しましょう。
【2】共感
次に息子さんの気持ちをいったん受け止めて、『悔しかったのね』『悲しかったのね』と【共感】してあげてください。このとき、涙を流したなら、そのことを止めず、思いっきり泣かせてあげてください。子どもは、泣くことで自分の気持ちを発散させ、整理しようとしているからです。
【3】指導
そして、『でもね、人を叩く事は、絶対にダメだよ』と【指導】しましょう。
『○○(子どもの名前)もたたかれたら痛くて悲しい気持ちになるよね』と話し、何があっても相手を叩いてはいけないことを固く約束することが大切です。
このときのポイントとして、『お母さん、○○がお友達を叩くと悲しくなっちゃう』『△△君と一緒に仲よく遊んでいると、すごくうれしいなぁ』と、親の気持ちを伝えるような言葉で話すとよいでしょう。
【4】提案
そのうえで、『どうすれば一緒に楽しく遊べるか考えてみよう』と代替案を【提案】します。二人でブロック遊びをしたり、絵本を読んであげたり、遊び方はいろいろあります。親子で一緒に考えるといいですね。
●初めはお母さんも一緒に遊びの輪に入って
3歳前後の男の子と言えば、イヤイヤ期で大人でもめんどうを見るのが大変な年齢です。ひとりっ子の6歳のお兄ちゃんには、少しハードルが高かったのかもしれませんね。
はじめはお母さんが、一緒に遊びの輪の中に入って、「譲り合って遊ぶ」という方法を見せて体験させるのもいいでしょう。
子どもは、これからもいろいろな予想外のことを体験しながら成長します。ですが、どのような場合でも、叩くことは絶対にいけないこと、問題の解決にはならないことを伝えてください」
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田宮由美
子ども能力開花くらぶ『ちゅーりっぷ ふれんず』代表
小学校教諭・幼稚園教諭・保育士
日本交流分析協会 子育て支援士
公立幼稚園・小学校・中学校での勤務を経て、現在に至る。携わった仕事と自らの子育てをもとに「生きる力を育む子育て」を発信。講演、コラム執筆などを中心に活動している。
著書:『子どもの能力を決める0歳から9歳までの育て方』(KADOKAWA)
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