清永奈穂
NPO法人 体験型安全教育支援機構 代表理事。
犯罪や地震、交通事故などの危険を察知し、自分の身を自分で守るための『安全基礎体力』をつける方法について普及活動を行う。
知識として身につけるだけではなく、子どもたちが実際に怖い場面にあったときに身を守る行動ができるよう『体験型安全教育』を行っている。
著書:『犯罪者はどこに目をつけているか』(新潮社・共著)、『犯罪と地震から子どもの命を守る!』(小学館)など。
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生活・しつけ
小学1年生 2016年4月13日の記事
もしも子どもに不審者が近づいてきたとき、どのように行動すればいいのでしょうか?
NPO法人 体験型安全教育支援機構 代表理事の清永奈穂さんにお話を伺いました。
●不審者の特徴とは?
清永 「多くの場合、不審者は事前に現場を下見してターゲットの子どもを決めます。
『何曜日の何時に、通学路のここまで友達と一緒に下校して、ここからひとりになる』と、子どもを連れ去る場所やタイミングをうかがっているのです。
例えば、
『近所の人のものではない車が止まっている』
『下校する子どもをじっと見ている人がいる』
『許可なしに子どもの写真を撮っていた』
など、日常のちょっとした変化を察知することが、子どもの連れ去り防止につながります。
あやしい人がいたらすぐ親に知らせるよう、不審者の特徴を『はちみつじまん』でお子さんにわかりやすく伝えることができます。
は……なにかとはなしかけてくる人
ち……ちかづいてくる人
み……じっとみつめてくる人
つ……どこまでもついてくる人
じま…じっとまっている人
ん……その人は『んっ?』と注意だよ。
また、お子さんとの会話で、登下校中や外で遊んでいるときにあった出来事の情報を得れば、ちょっとした変化をキャッチできます。
『今日は、誰と帰ってきたの?』
『変わったことはなかった?』
『知らない人から声をかけられなかった?』
などと聞いてみてください。
子どもは怖い思いをしても、大切なパパやママを心配させたくなくて自分から言葉に出さないことがあります。
『何かあったら、パパやママに言ってね』と声をかけ、相談しやすい親子関係を作れるといいですね。
『知らない人に、家はどこって聞かれた』『私のこと、じっと見てる人がいた』など、気になることがあれば、子どもの思い過ごしだと思わずに対策を立ててください。
例えば、下校中に子どもがひとりにならないよう迎えに行って様子を見れば、下見をしている不審者に対して『親が出てきた。警戒されている』と思わせられます。
近所の人やママ友などと情報を交換し、地域で子どもを守ることも大切です」
●「防犯ブザー」を鳴らす練習をしておく
清永 「ランドセルには、ぜひ防犯ブザーをつけてください。
しかし、鳴らすタイミングがわからなかった、ランドセルの横のフックにつけていて手が届かなかった、電池切れだったなど、子どもが危険な場面に遭遇したときにブザーを鳴らせないケースが多くあります。
次の3点を親子で確認してください。
・防犯ブザーは子どもの手が届く位置につける
ランドセルの肩ベルトにつけ、ブザーを鳴らすときにひっぱるヒモがおへそや腰の辺りにくるようにします。
ひっぱるヒモが肩より上、後ろにあると子どもの手が届かず、いざというときに鳴らせません。
・ブザーを鳴らすタイミングを伝える
『知らない人が近づいてきて、こわいと思ったら』
『腕をのばしてきたら』
『ギラギラした目の人がこっちを見ていたら』
などと、具体的に伝えます。
・子どもが自分でブザーを鳴らせるか練習する
知らない人が近づいてきたシーン、腕をつかまれたシーン、後ろからはがいじめにされたシーンなどを親子でやってみて、子どもがすぐに防犯ブザーを鳴らせるか練習します。
また、防犯ブザーの電池が切れていないか、定期的にチェックするのも忘れないでください」
●もしも不審者が近づいてきたら…
清永 「不審者に直面すると恐怖を感じ、何もできずに立ちすくんでしまうことがあります。
危険を察知したらどんな行動に移せばいいのかお子さんに伝えて練習してください。
・不審者から声をかけられたら離れる
腕をつかまれないように、最低でも大人の男性が両手を左右に広げた距離(およそ新聞紙3面分)とって離れます。お父さんに腕を広げてもらい距離感をつかみましょう。
・腕をつかまれたら、ひっぱるのではなくブンブンふる。
・最低でも20m以上ダッシュで逃げる。
不審者は子どもを追いかけるところを周りの人に見られたくないので、人目のつくところまで走れば途中で諦めやすいです。
・相手が車に乗っているなら、車の進行方向と逆にダッシュする。
・お店や住居に逃げ込む。人通りの多いところに逃げる。
・おなかをくの字にして、『たすけて!』『やめて!』など、思い切り大声を出す。
言葉で伝えるだけではなく、家庭で防犯の練習をすることで、いざというとき子どもが自分で自分の身を守る力につながっていきます」
清永さん、ありがとうございました。
警察では地域ごとの不審者情報をホームページに掲載したり、登録者に電子メールで配信したりしています。
ニュースに取り上げられるのは、大きな事件になってからが多いものです。
地域の身近なところに危険が潜んでいないか、子どもたちを守るために情報をチェックしてみてください。
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清永奈穂
NPO法人 体験型安全教育支援機構 代表理事。
犯罪や地震、交通事故などの危険を察知し、自分の身を自分で守るための『安全基礎体力』をつける方法について普及活動を行う。
知識として身につけるだけではなく、子どもたちが実際に怖い場面にあったときに身を守る行動ができるよう『体験型安全教育』を行っている。
著書:『犯罪者はどこに目をつけているか』(新潮社・共著)、『犯罪と地震から子どもの命を守る!』(小学館)など。
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