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生活・しつけ
小学1年生 2015年12月21日の記事
★親野智可等の「今日から叱らないママ」第30回 [12/21]
条件つきでない無条件の肯定が大事。それを子どもに伝えよう
●条件つきのほめ方
親が子どもをほめるのはどういうときでしょうか?
だいたい次のようなときだと思います。
子どもが何かをがんばったとき
やるべきことがちゃんとできたとき
できなかったことができるようになったとき
よい結果を出したとき
これが一般的だと思いますし、こういときにほめたり感謝したり一緒に喜んだりしてあげることは大切なことだと思います。
でも、いつもこればかりだと子どもは大変です。
というのも、これらには「ほめることでもっとがんばらせたい」という親の気持ちが透けて見えるからです。
●がんばらないとほめられないのか?
これに関して、Yさんという女性が興味深いことを話してくれました。
彼女は今25才ですが、6才の頃にふと疑問に感じたことがあって、今でもそれを覚えているそうです。
彼女は何でもよくがんばる子で親にほめられることも多かったそうですが、ある日お手伝いの窓ふきをしてほめられたときに、「もしかしたら、私はがんばらないとほめられないのかな? がんばらないでいると嫌われるのかな?」と思ったそうです。
だからといってサボるようなことはなかったそうですが、この疑問はずっと残ったそうです。
心理学によると、このように感じている子どもはけっこういるそうです。
そういう子は親に嫌われないためにがんばり過ぎてしまうことがあります。
自分の本音を隠し、本当にやりたいことよりも親の願いを最優先する子もいます。
親の願いを自分の願いだと思い込むようにしてがんばるのです。
そのあげくに、ストレスがたまってウツ状態になることもあります。
また、自分が本当にやりたいことがわからないまま成長することもあります。
●無条件に丸ごと肯定してあげよう
心理学では、子どもが本当に親の愛情を実感するのは、自分の存在を無条件に丸ごと肯定されたときだと言っています。
つまり、「がんばったら」「ちゃんとできたら」「よい結果を出したら」「よい子にしていたら」などの条件つきでない無条件の肯定です。
つまり、心の深いところではみんな次のように願っているのです。
がんばらない自分でも受け入れて欲しい
ちゃんとできない自分も許して欲しい
よい結果を出せない自分も愛して欲しい
ありのままの自分も肯定して欲しい
どんな自分でも大切にして欲しい
●実際に口に出して伝えてあげよう
このようなわけで、次のような言葉を子どもに贈ってあげて欲しいと思います。
その子の存在自体を無条件に丸ごと肯定する言葉、つまり無条件の愛であり、無条件のほめ言葉です。
生まれてきてくれてありがとう。大好きだよ
ママとパパのところに生まれてくれてありがとう
あなたがいてくれてママもパパも本当に幸せ
あなたを見てると幸せな気持ちになるよ
あなたはママとパパの大切な宝物
どんなあなたでも大好きだよ。
本人が何かで落ち込んでいるときは、もっとはっきり「テストの点が悪くてもあなたは大切な宝物」「失敗しても大丈夫。あなたのことが大好き」「算数が苦手でも関係ないよ。あなたのことが大好きだよ」「片づけが苦手でもあなたのことが大好きだよ」と伝えてあげてください。
●「どんな自分でも無条件に愛されている」と感じられるようにしてあげよう
日本人はこういう言葉を口にするのを恥ずかしがる傾向があります。
「言わなくても伝わる」と思っている人もいるでしょう。
でも、やはり本人にしっかり言ってあげてください。
そうすれば、子どもはとても喜びます。
寝る前などがいいかも知れません。
できたら毎日言ってあげてください。
口で言うのが難しいなら、ちょっとした手紙などで伝える手もあります。
書き言葉の方が伝えやすいこともありますので。
「どんな自分でも無条件に愛されている」と感じられれば、子どもは心が満たされて安らかな気持ちになります。
自分の心が満たされているので、兄弟にも友だちにも優しくなれます。
親の願いを最優先にする必要もなく、自分の気持ちを大切にして自分らしく生きていくことができるようになります。
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