- トップページ >
- 生活・しつけ >
- 親野智可等 連載コラム 「ママも小学2年生」 第19回
生活・しつけ
2014年1月6日の記事
親野智可等 連載コラム 「ママも小学2年生」 第19回
第19回 お年玉は子どもを伸ばすよい機会
●「お年玉を○○円もらった」と言いたがる子
お正月と言えばお年玉ですね。
お年玉について、教師時代に気になっていたのが、冬休み明けの子どもたちの様子です。
子どもたちの間で、「お年玉を○○円もらった」「ぼくは○○円」などの会話がけっこう多いのです。
私は、こういう話はしないように子どもたちに話しました。
なぜなら、子どもによって、もらえる金額は大きく異なるからです。
こういう会話を聞きながら、経済的に厳しい家庭の子は非常に肩身の狭い思いをしているのです。
子どもにも、世の中には言うべきでないことがあると教えることが必要です。
そして、その理由が子どもによくわかるように、「本当にそうだな」と心から思えるように話してあげてください。
「自分がもらったお年玉の自慢をしたら、金額が少ない子や、あるいは全くもらえなかった子はどう思うだろうか?」と考えて、そういう子の気持ちが思いやれるように導いてあげましょう。
●金融機関に預けるのも本物体験の1つ
お年玉で大事なのはいくらもらうかではなく、もらった後でどうするかです。
ある家では、おじいちゃん・おばあちゃんにもらったお年玉で、ぬいぐるみを買いました。
そして、その後、子どもが満面の笑顔でぬいぐるみを抱いている写真を撮って、おじいちゃん・おばあちゃんに送りました。
おじいちゃん・おばあちゃんへのお礼の手紙と封筒の宛先も子どもが書きました。
こうすることで、感謝の気持ちを伝える経験をすることができます。
ある家では、親子で一緒に銀行に行き、お年玉専用の口座を作りました。
そして、窓口の人に子どもが直接お金を手渡して預けました。
記帳した貯金通帳も、子どもが直接受け取ってから親に預けました。
このような一連の手続きを自分で経験することが大切です。
そうすることで、お金を銀行に預けるということの意味が実感できるようになります。
これも本物体験であり、社会について学ぶ機会でもあるのです。
親がすべてをやって、「銀行に預けておいたから」と子どもに伝えても、子どもには今ひとつ意味がわかりません。
自分のもらったお金を通して社会勉強ができるというせっかくの機会を活かして欲しいと思います。
●お年玉のつかい方を一緒に考えることで身につくもの
お年玉としてもらったお金をどうするか?
それをつかって何かを買うのか、それとも貯めておくのか?
一部をつかって、残りを貯めておくのか?
貯めたお金をいずれどうするのか?
この辺りは迷うことも多いでしょうし、家庭によって、あるいは子どもの年齢や性格によっても違ってくると思います。
いずれにしても、親子の話し合い・相談・交渉をすることが大事です。
まずは子どもの考えをよく聞いてあげて、親の考えも伝えて、話し合ってお互い納得する方向を見つけていきます。