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生活・しつけ
小学1年生 2015年6月3日の記事
「上の子」の困った行動をやめさせる方法は何?[6/3]
《上の子との接し方・2回目》下の子を抱っこしているときでも、上の子に意識的に話しかけましょう。
下の子が生まれてから、上の子がわがままを言ったり、いたずらをしたりするように……。子どもが困った行動をするようになったら、どうすればいいのでしょうか?
元公立小学校の教師で、2人のお子さんのママでもあるHearty Smile代表の原田綾子さんにアドバイスをいただきました。
●子どもの困った行動が減る声かけの方法
原田 「下の子が生まれてから上の子が困った行動をするのは、お母さんに自分を見て欲しいからです。ですので、下の子を抱っこしていたり、おっぱいをあげたりしているときでも、意識的に上の子に声をかけてください。
『今日は、学校で何があったの? ママに聞かせて』
『今日も○○(子ども)が1日元気で過ごせて、ママうれしいな』
そんなふうに声をかけるだけで、子どもは、『ママは私(僕)のことを見てくれているんだ』と思い、安心します。困った行動をして、お母さんの注意を引こうとしなくなるのです。子どもは、『自分はママに大切に扱われている』と思うと反抗しなくなります。
私は、子育ての講座や講演で『勇気づけ』という子育て法をお伝えしています。
『勇気づけ』を実践した、あるママのエピソードを紹介しますね。
そのお母さんは、上の子(お姉ちゃん)の困った行動に悩んでいました。
そこで、上の子に『生まれてきてくれて、ありがとうね』と1週間ほど言い続けたのだそうです。
すると、上の子の方からお母さんをギューッと抱きしめて『ママも生まれてきてくれてありがとう』と言ってくれたのだそうです。
このお母さんは、涙を流しながらこのエピソードを話してくださいました。その後も『勇気づけ』を続けて、上の子が困った行動をすることもなくなったそうですよ。
『勇気づけ』の子育ては、子どもの当たり前のことに注目して、子どもに『あなたを見ているよ』『あなたの味方だよ』と伝えます。そうすると、子どもが変わり、ママ自身も子どもがかわいいと思えるようになるのです」
●お母さんの心の余裕がとても大切
原田 「育児に行き詰まってしまう原因に、お母さんの心に余裕がないことが関係している場合があります。
『子どもを立派に育てなきゃ』と考えているお母さんはとても多いです。
私は、『立派なお母さんにならなくていいから、幸せなお母さんになりましょう』とお伝えしています。
子育ては、とても大変です。完璧なお母さんをめざそうとすると、苦しくなります。
育児、家事、仕事を両立して、家族のごはん、お弁当もこだわって作って……でも、忙しさからイライラしてしまうぐらいなら、お惣菜や冷凍食品、デリバリーに頼る日があってもいいと思います。
パパに子どもたちを見てもらって、1人でゆったり入浴する、カフェでお茶をする……そんな自分の時間をつくってもいいですね。心に余裕ができれば、子どもへの接し方も変わってきます」
●出産したときのことを思い出してみる
原田 「育児のことで悩んでしまったら、子どもを出産したときのことを思い出すのも効果的です。
『おなかが大きいとき、ちゃんと生まれてきてくれるか不安だったな』
『陣痛が何時間も続いて、大変だったな』
『何回おむつを変えただろう? 何回おっぱいをあげただろう?』
『私、がんばったな。すごい!』
そんなふうに、がんばってきた自分に気づいて、認めてあげてください。すると、心のコップに勇気のエネルギーが入ります。
今は、お子さんの“できていないこと”が目についてしまうかもしれません。でも、きっと妊娠中は『元気に生まれてきてくれれば』と思っていましたよね。
そのことを思い出すと、『今、元気に学校に通っているじゃない』と思えるようになるはずです。子どもの思い出のアルバムを開いて、そのときの心境を思い返してみてもいいですね。
子育ては、とても“尊い”ことです。
お母さんが自分自身を認めれば、子どものことも認められるようになります」
子どもが困った行動ばかりをして「かわいくない」「憎らしい」と思うことがあるかもしれません。それでも、大切なわが子。もしもネガティブな感情が出てきたら、そう感じてしまう自分にもOKを出して、まずママ自身が自分のがんばりを認めてあげることが大切なのですね。
原田さん、ありがとうございました。
プロフィール
勇気づけの親子教育専門家。
株式会社Hearty Smile 代表取締役。
埼 玉県公立小学校教員退職後、子育て講座、講演、教育コンサルティングなどを行うHearty Smileを設立。小学校教員時代、子どもを伸ばすには母親 自身の心がイキイキとしていることが重要だと気づき、教員退職後、「勇気づけ」をベースとした子育て講座、講演活動を行なっている。
プライベートでは、2人の女の子のママでもある。
著書:『ほめるよりも子どもが伸びる勇気づけの子育て』(マイナビ)
『HeartySmile』