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生活・しつけ
年長 2014年1月27日の記事
☆原坂一郎 連載コラム 「子どもの気持ちを覗いてみると」 9回
第9回 子どものほめ方3つのルール その3
「ほめられるとうれしい」
「やる気が出る」
「ほめられると伸びる」
私たち大人は、ほめることのすばらしさやその効果を、自分の経験としてわかっているのに、子どもだけは叱られると伸びると思うのか、子どもをよく叱ります。
しかし実際は、子どもこそほめるとどんどん伸びていく、というお話は前回までにしました。
そして、子どものほめ方というのはとても簡単で、3つのルールを守るだけ、というお話しもしました。
その3つのルールのうちの2つは、
1) 「偉い」「すごい」と言ってほめなくとも、「返事ができたね」「残さなかったね」など、子どもが望ましい行動をした時にその行動をそのまま言葉で言えばいい
2) 子どもの「ほめどころ」は、例えば手を洗った、返事をした、挨拶をした、など、一見やって当たり前のようなものの中に無数にある
ということもお話ししました。
今回は、「効果のあるほめ方、3つ目のポイント」をお話ししましょう。
それは、「したときにほめる」です。
大人が子どもを叱ってしまうのは、何かをできなかったときや、すべきことをしなかったときに多いものです。
でもそうやって、しないときに叱るよりも、したときにほめる方が断然効果があるのです。
例えば、さきほどのルール (1) の例でも、返事をしなかったときに「返事は!?」「また返事をしない!」と言って叱るよりも、たとえたまたま返事をしたときだったとしても、「ちゃんと返事ができたね」と言う方が、それ以後、呼ばれたときに返事をする回数がうんとアップします。
同じように、食事を残した時に叱るのではなく、全部食べた時に、「全部食べたね」などと言ってほめる、人に挨拶をしなかったときに叱るのではなく挨拶をしたときにほめる方が、今後もそれを行なう確率がうんと上がる、というわけです。
ほめると言っても「偉いね」「すごいね」などと言わず、「ちゃんと挨拶をしたね」などと、子どものその行動をこちらが口で言うだけでいい、というのは、ルール (1) (2) にのっとっています。
子どもはほめられたことを繰り返す習性があります。だから、しないときに叱るよりしたときにほめる方が、はるかに効果がある、というわけです。
保育士時代のある日の朝、すれちがった先輩の先生に私は言いました。
「おはようございます、あっ、先生、美容院に行かれたのですね!」
するとその先生は満面の笑顔になり、「わあ、気づいてくれたのねえ」。
私は、「きれいですね」や「すてきですね」などのほめ言葉は一切言っていません。なのにその先生は大喜び。どうしてでしょう。
そう、私のその「美容院に行かれたのですね」という言葉の中には、ほめ方3つのルールのすべてが入っていたのです。
「美容院に行く」という、女性にとって「当たり前のこと」を「行ったとき」に、「その行動をそのまま言葉で言うこと」をしただけで、その先生は明らかに、ほめられたと思った、というわけです。
そうやって、大人にも効果があるこの3つのルールのほめ方は、子どもにはその10倍効果があります。
ぜひ実行してみてくださいね。
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