●教育評論家 親野智可等からママへアドバイス
よく、「小学校に入学するときは、ひらがなの読み書きはどこまでできればいいですか?」という質問をよく受けます。
文部科学省の公式見解では、小学校に入学するとき、ひらがなの読み書きはできなくてもいいことになっています。
しかし、私は少なくとも、自分の名前が書けて、ひらがなも全部読める状態にしておくのがいいと思います。
実状として、入学するときにほとんどの子は自分の名前が書け、中にはひらがなを全部書ける子もいるからです。
また、一学期は、ひらがなにかなりの授業時間をかけるのですが、二学期からはカタカナや漢字も出てきて、覚えることが多くなります。
このように、ひらがなについて白紙で入学してきた子は、だんだんついていくのが大変になることもあります。
でも、ここで気をつけてほしいことがあります。いきなり「ひらがなのワークブックで書く」ところから入るのは、子どもにとって高いハードルです。
子どもは「ひらがなってつまらない。勉強って大変」という気持ちと、「自分はひらがなが苦手みたいだ」という苦手意識を持つことになります。
ですので、子どものペースに合わせ、スモールステップで進めることが大事なのです。
私がおすすめするのが、「楽勉」という考え方です。
楽勉とは、生活や遊びの中で、楽しみながら知的な刺激をすること。
ひらがな積み木、ひらがなカードやカルタ、ひらがなパズルなどで、まずはたっぷり遊ばせましょう。
遊びの1つにすることで、子どもは楽しみながら、ひらがなが読めるようになります。
そして、ひらがなが読めるようになったら、子どもは書きたくなるもの。親もどんどんほめることができます。
子どもは「ひらがなっておもしろい。勉強って楽しい」という気持ちと、「自分はひらがなが得意だ」という自信を持つことができます。
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学校・まなび
2012年10月8日の記事
子どもが楽しく「ひらがな」を覚えられる方法は?
小学校入学前までに、ひらがなの読み書きを覚えてもらいたいのだけれど……。
教育評論家 親野智可等の
「子どもにひと言 ママクイズ」9
Q
入学前に子どもにひらがなを覚えさせようと、
ひらがなのワークブック(練習帳)を買いました。
でも、ちっともやる気になってくれません。
こんなとき、子どもに何と言いますか?
下のA・B・Cの声かけの中で、あなたが選ぶとしたら……
A
「ひらがなを覚えないと
小学校へ行けないよ」
B
「ひらがな積み木で
遊んでみよう」
C
「がんばって書いてみようよ。
○○(名前)ちゃんならできるよ」
【クイズの答え】
Aを選んだあなたは……
「おどしタイプ」
子どもをおどすような言い方をするのは×。
子どもは小学校に恐怖感を持ち、勉強に対して苦手意識を持ってしまいます。
「遊び」を通じて、楽しく学ぶ方法を選びましょう。
Bを選んだあなたは……
「スモールステップタイプ」
子どもと楽しく遊びながら、少しずつ自然にひらがなの読み方を教えるのは○。
子どもも楽しみながらひらがなを覚えることができるうえ、親もそんな子どもを見て、どんどんほめることができます。
Cを選んだあなたは……
「先走りタイプ」
「ひらがなの読み書きができるようになってほしい」という、親が期待する気持ちが先行しすぎているので△。
無理に覚えさせようとすると、勉強が苦痛になります。
子どものペースに合わせて、少しずつ進みましょう。
イラスト/コダイラヒロミ