- トップページ >
- 生活・しつけ >
- 《教育資金・コツ5 》 お金は「かかる」もの? 「かける」もの?
生活・しつけ
小学1年生 2014年3月30日の記事
《教育資金・コツ5 》 お金は「かかる」もの? 「かける」もの?
子どもの教育に「お金がかかる」のか「お金をかける」のか。その違いを意識することもポイントです。
子どもの教育に「お金がかかる」と「お金をかける」―。とても似ている言葉ですが、本当は違う、とファイナンシャル・プランナーの菅原直子さんはおっしゃいます。
菅原 「『かかる』お金というのは、最低限の学費や教材費、通学の交通費など、子どもの教育のために絶対に避けられない支出のこと。
一方の『かける』お金は、他の選択肢もある中で、親自身がどこかでそれを選択して負担している支出、といえばいいでしょうか。
ママたちの話を聞いていると、育児や子どもの教育に『お金がかかる、かかる』という声がとても多いのですが、教育資金の計画を考えるときには、『かかる』ものと『かける』ものを、きちんと区別して分けて考えることがとても大切です」
「かかる」と「かける」を区別するとは具体的には、どういうことでしょう?
菅原 「たとえば、仲良しの子が体操教室に通い始めたから、なんとなくうちの子も…というような場合。
この体操教室の費用は、ママにとっては『かかるお金』と感じられるようですが、本当は子どもが体操をそれほど好きでなければ体操教室に行かないという選択肢もあるはず。
つまりこの支出は、ママ自身が選んで『かけている』お金です」
うーん、そういわれてみればそうですね。最近の親は、実際に「かかる」以上に子どもにお金を「かけて」いる、ということでしょうか。確かに、食費や生活費は節約しても「子どもの教育費は別」と考える親は少なくない気が…。
菅原 「子どもにお金をかける背景には、保護者自身の強い不安感があると私は思います。
習い事だけではありません。塾や予備校もそうですし、携帯電話の料金や洋服代なども『みんながやっているから』『なんとなく横並びだと安心』という気持ちで、子どもにお金をかけてしまう人が多いように感じます」
耳が痛いお話です…。
菅原 「今の時代、なかなか『よそはよそ、わが家の方針はこれ』と言い切れる自信のある家庭は少ないものです。
また『親は良くても、子どもが仲間外れにされたら…』などと考え出すとやはり皆と同じにさせたほうが安心、となる気持ちもわかります。
しかし、そうした横並び意識でよく考えずに子どもにお金をかけ続けてしまうと、どこまでもキリがなく、ついには親の老後資金まで子どもが食いつぶしてしまい、将来、お金が尽きたときには『親子共倒れ』…。
そんな事態が現実にあることも、知っておいてほしいと思います」
それも怖いですね…。私たち親世代が育ってきたときは、そこまでの苦労はなかった気がしますが…。
菅原 「親自身が育ってきた時代と、今とでは教育環境も社会もまったく異なります。
今の時代は『子どもにお金がかかる、かかる』と無計画に使ってしまうと文字通り、命取りになります。
ですから、子どもの大学の教育資金をしっかり確保したいなら、幼いときの習い事費用は控えて、コツコツ貯めておく。
中学や高校で、塾・予備校に年100万円単位のお金がかかるなら、得意教科は子どもが努力し、費用を何割か抑える。
そんなふうにやり方はいろいろありますから、賢く計画的にお金を『かけて』、教育資金という “人生の山” を堅実に乗り越えていってほしいと思います」
親が子どもにどこまでお金を「かける」のか―。
大切なわが子の将来のため、また家族みんなの幸せのために早い時期からきちんと考えておくことが大切なのですね。
プロフィール
ファイナンシャル・プランナー。
「らいふでざいん菅原おふぃす」代表。
子どもの年齢に応じた教育費対策セミナーや執筆、家計相談業務の他、3児の母としての視点を生かし「子どもにかけるお金を考える会(http://homepage2.nifty.com/moneychild/index.html)」メンバーとして活躍中。
地元湘南ではママ向けの講座「湘南らいふでざいん」を立ち上げ、受講者募集中。