曽田照子
広告制作プロダクションでコピーライター経験後、フリーライターとして独立。現在は3人の娘の子育て経験を活かした書籍を執筆している。著書に『ママ、言わ ないで! 子どもが自信を失う言葉66』(学研パブリッシング)『ママが必ず知っておきたい! 子どもに言っては行けない55の言葉』などがある。
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生活・しつけ
小学1年生 2014年7月29日の記事
前回は、入学前後の子どもがやる気をなくす言葉を言わないための、言い換え例やお母さんの心の切り替え方などについて、『お母さん、ガミガミ言わないで! 子どもが勉強のやる気をなくす言葉66』(学研パブリッシング)の著者である曽田照子さんからアドバイスをうかがいました。
今回は、勉強をさせるために、つい子どもに言ってしまいがちなNGワードについて取り上げます。
●「宿題やったの?」
→「やりたくないのはなぜ?」と聞いてみる
小学生のお母さんで、この言葉を口にしない人はほとんどいないのではないでしょうか。
曽田 「私は娘が低学年のころ、『宿題をしなくて困るのは本人だから』と放っておいたことがありました。すると、その日の連絡帳に『お母さんが宿題を見てあげてくださいね』と書かれてしまい、恥ずかしい思いをしました。
小学校低学年の宿題は、お母さんの宿題でもあるのだと実感し、それからは宿題をやるときは『親子の時間』と割り切って、できるだけ一緒について見るようにしていました。
学年が上がって、ひとりで宿題ができるようになってくると、やる気にさせるために、宿題用の文具を用意したり、メモを渡す、紙に書いて壁に貼る、さりげなく話題にするなど、小手先のテクニックを駆使してきました。ちゃんとやらないと親の私が恥をかくという思いで必死だったのです。
どれも方法としては悪くなかったのですが、あるとき子どもから『お母さんは私じゃなくて、宿題に興味があるんでしょ!』 と言われて、ハッとしました。
宿題をやらせることは大切ですが、もっと大事なのは子ども本人です。
やりたがらないときは押しつけたり、おだてやごまかしでのせるのではなく、やりたくない理由をきちんと聞くことが大切なんですよね。対策はそれから立てればいいんです」
●「これ、間違ってるよ」
→どんな答えでも、その発想力をほめよう
曽田 「子どもの勉強を見るとき、たとえ答えが間違っていても、即座に『間違ってるよ』と否定するのではなく、『なるほど』と、いったん子どもなりの考えを受け止め。一緒に考えるスタンスを崩さないようにするのがいいそうです。
とはいえ、それはなかなか実践できないのではないでしょうか。どんなに教えても、子どもからトンチンカンな答えしか返ってこないと、『なるほど』なんて、のんびりしたことは言っていられません。『できるようにしなければ』という使命感と『こんな問題もできないなんて』という焦りで、ついつい親の言葉もきつくなってしまいます。
でも、勉強が苦手な子にも感情はあるのです。
私もガミガミ言ってしまい、子どもが『私ができないせいで、お母さんを怒らせちゃってごめんなさい』と泣いてしまったことがありました。
それからは方針転換し、間違っていると指摘したり、叱ったりするのをやめました。勉強が苦手なせいで、性格が卑屈になっては本末転倒ですものね。
かといって、『どうせうちの子はこうだから……』と、あきらめてしまうわけにもいきません。ではどうすればいいのか?考えて私がたどりついた言葉は『うちの子、天才だなあ!』でした。
どんなトンチンカンな答えでも、『その発想力はすごい!』と思うようにするのです。おかげで一つひとつの問題が解けないだけでキレることは少なくなりましたよ」
●「もっと大きな声ではっきり!」
→音読が楽しい時間になることを心がけて
小学校の宿題では必須の「音読」ですが、あまりたどたどしく、小さな声で読んでいると、親としてはこう言いたくなりますよね。
曽田 「私もみっちり10年間、3人の娘たちの音読を聞いてきました。
音読が嫌い、苦手な子には『順番読み』で遊びながら練習するのがおすすめです。
これは、2人で文を区切って読む練習です。例えば『明日の天気はどうでしょう』という文を『明日の』『天気は』『どうでしょう』とかけ合いで読むのです。だんだんスピードアップするとゲームのように楽しめます。
上達したら、ボイスレコーダーで録音するという方法もあります。子どもが自分の音読を聞いて『もうちょっと上手にできるはず』と悔しがるようになればしめたもの。自分から何度も挑戦するようになります。
子どもの音読を聞いて、ふと思ったことがあります。『先生は、親に聞いてほしいお話を選んで、音読を宿題にしているのではないだろうか』と。
教科書の文章は、児童文学の傑作ぞろいです。懐かしい物語や知ってるはずのお話も。親の立場で改めて触れると、深い感動が得られることに驚きます。『上手に読ませなきゃ』と焦りながら聞くよりも、物語の豊かな味わいを親子で楽しめる時間と考えてはどうでしょう。テクニックは後からついてきますから」
これから学年が上がるにつれて、勉強について、子どもにガミガミ言ってしまうことも増えてくるかもしれません。今回のアドバイスを参考に、子どもがやる気を出せるような言葉をかけられるよう心がけていきたいですね。
曽田さん、ありがとうございました。
曽田照子
広告制作プロダクションでコピーライター経験後、フリーライターとして独立。現在は3人の娘の子育て経験を活かした書籍を執筆している。著書に『ママ、言わ ないで! 子どもが自信を失う言葉66』(学研パブリッシング)『ママが必ず知っておきたい! 子どもに言っては行けない55の言葉』などがある。
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