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生活・しつけ

小学1年生 2013年6月11日の記事

★「小1プロブレム」って何?

《小1プロブレムって何? 1》授業に集中できない、集団行動ができないことで、“ダメな子”と決めつけず、子ども目線で考えて

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小学校に入学したばかりはどの子も期待と不安でドキドキ、ソワソワ。

でも、数カ月経ってもみんなと同じことができず勉強や生活面で問題視される行動を起こすケースが見られます。これを総称して「小1プロブレム」といいます。

 

「うちの子は少し落ち着きがないだけ」そう思う反面、発達障害を心配したり、しつけに悩んでしまったり、しだいに先生や子どもの関係もギクシャクしてきて…。

そんな「小1プロブレム」を取り巻く問題点NPO法人「えじそんくらぶ」の高山恵子さんにうかがいました。

 

 

●幼稚園や保育園との「ギャップ」に気づいて

 

「小1プロブレム」というように、なぜ小学生になってから問題になるのでしょうか?

 

高山  「小学校に入学することで、子どもの環境は大きく変化します。

先生も友だちも変わり、『○○しなさい』という指示のされ方も違いますね。

それに幼稚園や保育園の時と比べて自己管理能力を問われることが多くなります。

あらゆることが同時に、それも急に変わってしまう。それで子どもが戸惑うのは無理もないことなのです。

 

特に自由保育などでのびのびと過ごしてきた子にとっては、これまでと学校の『ギャップ』の大きさはひと際です。

自由な環境がいけなかったというわけではなく、このギャップを知って、少しずつゆるやかに環境を移行していくことが大切ですね。

 

すでに小学1年生のお母さまで、小1プロブレムの問題が出てきているのなら大きなギャップがなかったか見直してみましょう

 

年長のお母さまの場合は、今まで裸足で過ごしてきたのなら少しずつ上履きを履く機会を増やしたり時間を決めて次の行動に移れるように切り替えの練習をしたり、学校を意識した生活にしていくのも方法です。

 

 

●障害を疑う前に子どもの日常に目を向けて

 

小1プロブレムは、親のしつけや学校の先生に矛先が向けられることも多いようです。

 

高山  「そうですね。小1プロブレムはしつけの問題にされがちです。

逆に先生を非難する保護者も時々います。

親も先生も悪くないと考えお互いに責めずにいい関係を作ることが大切です。

親として過度に自分を責めて悩まず、先生などに相談してみましょう。

 

学校は幼稚園や保育園と違って、勉強も生活面も“評価”されてしまう場です。

それは子どもだけでなく親も含めてです。

登校班ひとつとっても

『遅れないように』

『他の子に迷惑をかけないように』と親は知らず知らずのうちにプレッシャーに感じています。

こうした親が無意識に感じているプレッシャーを子どもが敏感に感じ取り、一見問題に見える行動を引き起こすということもあるのです。

 

また、ADHD(注意欠陥多動性障害)自閉症などの発達障害を心配される方がいます。

小1プロブレムを通して我が子の障害に気づくということはありますが、『問題行動=障害』と直結させるべきではありません

 

診断名はつかないけど発達障害的な特徴、いわゆるグレーゾーンを私は“パステルゾーン”と言い換えます。

グレーはいずれ白か黒かという評価や“マイナスのイメージ”がつきやすいですが、パステルは適切な支援でカラフルライフになる可能性があるという“プラスの考え方”なのです。

 

そしてパステルゾーンにいる子は、未体験の状況で混乱しているだけなので、肯定的な環境で適切な指示があり繰り返して訓練すれば改善される子も多いのです。

大切なのは診断名ではなく、子どもがどうしたら困らず日常生活を送れるかですね」

 

他の子と同じことができないとつい叱ったり、障害を心配したりしてしまいます。でも、“学校は楽しい”と子どもが思えることが先決。原因を見つけて適切な支援をしていくことが大切なんですね。

高山さん、ありがとうございました。

プロフィール

高山恵子(たかやま けいこ)


NPO法人えじそんくらぶ代表。臨床心理士。
HP: http://www.e-club.jp/
 
大学卒業後、学習塾経営を経て、アメリカトリニティー大学大学院教育学修士課程にて、幼児・児童教育や特殊教育などを専攻。
大学で講師を務めるほか、文部科学省や厚生労働省などにおいて協審議会等委員としても活動されています。
「NPO法人えじそんくらぶ」は、AD/HDなどの発達障害のある人とその家族の支援に力を入れている団体です。その活動で培った、子育てやストレスマネジメントのスキルを広く一般向けにも提供しています。

プロフィール

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「親子のストレスを減らす15のヒント 保育・教育・福祉現場の保護者支援に」(学研教育出版)


子育てにストレスを感じている親に対して、教育者や保育者、子育て支援担当者などが生かせるストレス軽減のためのヒントを、アメリカ等で評価されている「ストレスマネジメント」理論をベースに、絵や図表を多用しながら紹介。


「育てにくい子に悩む 保護者サポートブック」(学研教育出版)

子どもの困った行動が理解できない、育児が思うようにいかない、と悩む保護者は多くいます。プロとして、保育者が保護者にどう寄り添い、育児をサポートできるか、「子どもの行動の見直し」「保護者のストレスマネジメント」という2つをテーマにしています。


●ご購入の際はお近くの書店でお求めください。
また、オンラインショップ「ショップ.学研」でもお求めいただけます。
「親子のストレスを減らす15のヒント」は → こちら
「育てにくい子に悩む 保護者サポートブック」は → こちら

 


その他の書籍
「おっちょこちょいにつけるクスリ」(ぶどう社)
「気になる子がぐんぐん伸びる授業~すべての子どもの個性が光る特別支援教育~」(小学館)

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