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学校・まなび
小学1年生 2012年12月31日の記事
楽しく勉強できる「間違い探し」のすすめ
《今年の反省・来年の目標2》「勉強をもっとがんばりたい」気持ちになるコツを親野先生が伝授します。
「来年は、漢字博士になりたい」
「計算がもっと得意になりたい」
新年に向けて、お子さんの意欲は高まっています。
その気持ちを生かして、学習面でのモチベーションを上手に保ち続けるにはどうしたらよいでしょうか。
教育評論家の親野智可等先生にお聞きします。
親野 「まずは、親が、子どもの苦手部分を見つけることが必要です。
宿題をしている様子やテストやノートなどを見て、『この子は計算が苦手だな』『小さい“っ”や“きゃ、きゅ、きょ”が分かってないかな』と親が苦手を分析します。
子どもの苦手が分かったら、ピンポイントで修復していきます。
小学1年生は、冬休み前に、くり上がりのある足し算とくり下がりのある引き算を習います。
“9+5、12-8” などの計算です。
大人にとっては簡単ですが、1年生の子どもたちにとってはけっこう高い壁です。
ここでつまずくと、この先“25+37、68-49” などと数が複雑になったとき、さらに苦労することになります。
計算が一応できているというレベルで安心せずに、できれば、“9+5、12-8” くらいの計算は瞬時にできるよう練習しておくことをおすすめします。
計算をスピードアップするには、毎日タイムを計りながら問題を解くことです。
子どものレベルによりますが、50問くらいの計算プリントを用意します。
市販のワークでもよいですが、親が問題を手作りしてもいいですね。
この計算プリントをたくさんコピーして、同じプリントを毎日解かせます。
そして、丸つけしてあげて得点とタイムを書いてあげましょう。
同じ問題を毎日やるので、必ず新記録が出ます。
『やったね、また記録更新だ!』毎日ほめてあげられますね。
『同じ問題では、答えを覚えてしまうのでは?』という心配もあると思いますが、
最初の10問くらいは、答えを覚えられてもいいような“3+5、4+4” など簡単な問題にしておきます。
そして、残りの40問を、練習させたい、『くり上がり、くり下がり問題』にしておきましょう」
なるほど、毎日記録更新できるとなると、子どもも燃えて取り組んでくれそうです。
国語の苦手を楽しく克服するよい方法はありますか?
親野 「国語では、
・カタカナ(特に『シ』と『ツ』や『ソ』と『ン』の区別など)
・促音、拗音(小さい『っ、ゃ、ゅ、ょ』『ッ、ャ、ュ、ョ』)
・のばす音(『おとうさん』『いもうと』など)
・濁音、半濁音(『が、ぎ、ぐ』『ざ、じ、ず』『だ、ぢ、づ』『ば、び、ぶ』『ぱ、ぴ、ぷ』など)
・「わたし“は”」「がっこう“へ”」「カバン“を”」などの助詞の使い方
・漢字
が、つまずきポイントになります。
この国語の苦手を克服するだけでなく、算数でも応用できる万能の勉強法が『間違い探し』です。
親が、教科書を見ながら、文を間違えて書き写します。
子どもに、丸をつけさせてどこが間違っているか気付かせ、正しく書かせます。
漢字の書き取りも、親が間違った漢字を書いて子どもに間違い探しをさせるといいです。
子どもは間違い探しが大好きです。
『お母さん、ここが間違ってるよ』と、立場が逆転して喜びます。
勉強だと意識せず、楽しく取り組むはずです。
間違い探しに慣れてきたら、今度は、子どもに間違い探し問題を作らせてもいいですね。
『お父さんに解かせてみようよ』なんて、盛り上がることでしょう。
楽しくて、頭をたくさん使って自然と苦手も修復されます。
冬休み明けにどんな学習をするか、親子で教科書を見ておくといいですね。
例えば、『長さくらべ』という学習があるとしたら家にある物の長さを比べたり、ものさしを遊びに取り入れて、いろいろな物をはかってみたりします。
教えると構えず、自然に触れておくことで、学校で習ったときに『これやったことある。できる』という子どもの自信にもなります」
親野先生、ありがとうございました。
この先、勉強が段々難しくなることを思うと心配になりますが、親野先生の方法で冬休みのうちに楽しく苦手を修復できそうです。
まずは、今年をプラス思考でふり返ってモチベーションを高めてから学習のふり返りをするようにしましょう。