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学校・まなび
小学1年生 2012年5月4日の記事
★本好きにするには(2)読み聞かせで本好きになる?
幼稚園の頃は「読み聞かせが大事」と言われてきましたが、読み聞かせでどんな子に育つのでしょう?
前回は、小谷田照代先生に
小学生になったからといって、いきなり読み聞かせをやめないことの
重要性をお話しいただきました。
「それでは読み聞かせで、本好きな子に育つのか?」
その問いに、小谷田先生は自分の経験を元にお答えくださいました。
小谷田 「2年生から3年生にかけて、担任したクラスが持ち上がり、
生徒たちに2年間毎日絵本を読み聞かせたことがあります。
2年生の1年間で200冊ぐらい読みました。
3年生では手持ちの本が無くなってしまうくらいでした。
その子たちが、中学3年生(15歳)になったときに、
アンケートをとったんです。
『小学2、3年生のときの読み聞かせを覚えていますか?』と。
多くの子どもたちが回答を寄せてくれました。
『とにかくすごく楽しかったことを覚えている』
『自分が本好きになったのはあそこだって思ってる』
と感謝の言葉を返してくれたんです。
15歳といったら反抗期まっさかりでしょう?
それでも、そんな素直な反応を返してくれて。
さらに驚いたのが、生徒のお母さんたちからも
『子どもが、図書館連れてって、って言うからよく連れて行きました』
『家でも読んで、って言うから一生懸命読みました』
『そういう子ども時代があってすごくよかったと思っています』
と言っていただけたんです。
涙が出そうなぐらい嬉しかったですね。
今は反抗期まっさかりでも、あの頃はすごくよかったって
親子共にそう思える時期があれば、
どんなことでも乗り越えていけると思います。
やってきたことは間違ってなかったな、と励まされました」
ああ、読み聞かせっていいものなんだな、と改めて思いました。
子どもは成長しても、その経験はステキなものとして
忘れられずに心に残っているものなのですね。
小谷田 「たくさんの子どもたちが、
『小学生時代の読み聞かせをきっかけに本好きになった』
と答えてくれました。
読み聞かせを通じて、
『本って面白そうだな』
と思ったから、本に手を出したのだと思います。
文字もまだちゃんと読めないときに、
『ほら、本を読め!』
と言われたら、普通は『本って面倒くさい』と思ってしまうでしょう。
そのままでは本嫌いの子になってしまいます。
しかし、読みきかせをしていけば、
たとえ自分では読めなくても、
『先生が持ってくる本には面白い物語がつまっているんだ』
ということがわかってきます。
それが本に対する信頼感になり、本が好きになっていくのだと思います」
小谷田先生のように、
家庭で上手に読み聞かせができるでしょうか?
上手に読み聞かせるコツはありますか?
小谷田 「上手に読む必要はありません。
俳優さんが読む朗読CDなども売っていますが、
上手に読めなくても、子どもにとってはお母さんの声が一番心地よいのです。
ですから、コツといっても特には無いのですが、
しいて言えば『丁寧に読む』ことでしょうか。
読むときには
・不機嫌(いかにも面倒くさそう)な声では読まない。
・早口(いかにも早く終えたそうな口調)では読まない。
ことを意識されたら良いと思います。
家庭での読み聞かせは、
教育的効果というよりも親子関係重視です。
『お母さんは、読んで、って言ったら読んでくれた』
という信頼関係が大切で、
それは成長してから親子の宝になります。
子どもにとってみれば、何を読んでもらうかより
いかに親が自分に向き合ってくれたかが重要です。
そうやっていたら、おまけで本好きになった、というぐらいに
思ったらよいでしょう。でも、絶対にそうなります。
頭から『我が子を本好きにさせるには』と
気負わず、楽しく読み聞かせましょう。
その時間の楽しかった記憶から、
成長したときに、自然と本を手に取る子になるものです」
なるほど。とってもよくわかりました。
私も、本屋さんで絵本のコーナーに行くと、
なぜか暖かい気持ちになるのですが、
それは絵本自体の魅力と共に、絵本を読み聞かせられていた頃の
思い出の暖かさなのだと気がつきました。
次回は「読み聞かせのときに言ってはいけないセリフ」についてお話しいただきます。
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