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学校・まなび
小学1年生 2015年6月16日の記事
新しい制度のスタートで、学童保育が変わる!?[6/16]
《知っておきたい、子ども・子育て支援新制度 前編》 全学年が利用でき、施設の数や受け入れ人数も明確に
2015年4月から「子ども・子育て支援新制度」がスタートしたことをご存知ですか?
子どもや子育ての環境の充実を図るための制度で、地域ニーズに即した保育サービスが市町村主体となって行なわれるようになりました。
取組みの多くは乳幼児対象のものが多く、認定子ども園の普及や待機児童解消策などが中心ですが、共働き家庭の小学生が利用する学童保育(放課後児童クラブ)の仕組みも大きく変わりました。
ママノートをご覧になっている皆さんの中にも、来年から学童保育を利用する予定の方も多いのではないでしょうか。そこで、新制度によって何がどのように変わるのか、全国学童保育連絡協議会・事務局次長の真田祐さんにうかがいました。
●市町村が主体になって実施
子ども・子育て支援新制度がスタートしましたが、学童保育に関しては、どんな点が変わったのでしょうか?
真田 「まず1つは、市町村が主体になって学童保育を実施することになったということです。これまでは、学童保育の施設それぞれで運営されていたため、同じ市町村内にあっても保育時間や保育料などすべてまちまちでした。
しかし今回、市町村が主体になるということで、条例で学童保育の基準を作ることが義務づけられました。
もちろん、まだ制度が始まったばかりなので、すぐに対応できていない地域もありますし、施設によっては、例えば開所時間などはその地域のニーズによって多少違ってくるかもしれません。でも今後は同じ市町村内の学童保育であれば、基本的な部分は一定の水準になることが期待できると思います」
●小学3年生まで→ 6年生までが対象に
真田 「それから、これまで学童保育の対象学年は、小学3年生までという市町村もありましたが、新制度以降は6年生までが対象になります。これは児童福祉法の改正にとのなって変わった点です。
すでに6年生まで受け入れていたところも多かったようですが、そうでない施設で、3年生以降をどうしようと困っていた親御さんの心配は軽減されるでしょう。
ただし一度に対象を6年生までに広げると、急に児童の数が増えてしまうので、しばらくは従来のように3年生までという施設もあるかもしれません。もっとも、来年度以降に学童保育を申し込みする子たちのときには、ほとんどの施設で6年生まで受け入れられる状態になっていると思います」
6年生まで引き受けてもらえると助かるという親御さんは多いでしょうね。
●受け入れ人数や施設の広さに明確な規定ができた
真田 「これまで学童保育には定員というものがなかったので、希望があれば基本的に受け入れるというところが多く、大人数のところも多かったのです。また、施設についても広さなどの条件がなかったため、狭い施設にぎゅうぎゅう詰めで、ゆったり過ごすスペースがないという状況もありました。
しかし今回、一施設あたりで受け入れる子どもの数がおおむね40人以下となり、大きく変わりました。施設の広さも子ども1人あたり1.6㎡以上という最低基準が決められたので、環境の改善につながるでしょう。
でも、これには少し課題があります。
新制度では40人以下の施設の数を増やすことで対応することになりますが、現状では、すぐに施設を増やせる状態ではありません。数が増えないということは、これまでよりも学童保育に入れる人数が減るということであり、今まで以上に待機児童が増えることも考えられます。
東京都の場合、学童保育の利用については、単年度審査といって、1年ごとに審査があります。1年生は優先的に入所できるのですが、2年生になってから利用できなくなるというケースが増える可能性もあります。
市町村には待機児童をなくさなくてはならないという義務づけはなく、数を増やすどうかは市町村それぞれの考え方によるところが大きいので、そういう点は保護者が声を上げて訴えることも必要ではないかと思います」
よい方向に変わっていくことが多いようですが、気になる問題もあるのですね。真田さん、ありがとうございました。
ちなみに国や多くの市町村では、「学童保育」という呼び方ではなく、「放課後児童クラブ」という呼称になっています。市町村によっては「児童クラブ」「育成室」「学童クラブ」など、様々な名称があるので注意してくださいね。
次回は引き続き、新制度で変わった部分、特に指導員に関わることについてうかがいます。