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生活・しつけ
小学1年生 2015年5月20日の記事
「ダメなママ」と自分を責めていませんか?[5/20]
《 “勇気づけ”の子育て・3回目》 家事や育児をするのはすごいこと。まず、ママが自分自身のがんばりを認めましょう。
前回は、子どもに自信とやる気を引き出し、困難を克服する力を与える“勇気づけ”についてお伝えしました。
子どもに“勇気づけ”をするためには、お母さんの心の余裕がとても大切だといいます。
元公立小学校の教師で、2人のお子さんのママでもあるHearty Smile代表の原田綾子さんに、引き続きお話を伺いました。
●子育て、家事……当たり前にしていることを認める
原田 「日々、子育てや家事をがんばっていても、お母さん自身が人からほめられることは、少ないのではないでしょうか。たとえ当たり前のことでも、子育てや家族のために家事をするのは、とても“尊い”ことです。
だから、自分に“ヨイ出し”をして、心のコップに勇気のエネルギーを入れましょう。“ヨイ出し”とは“ダメ出し”の反対のことで、自分が当たり前にしていることを認めることです。
例えば……
『子育てをしている自分って、すごい!』
『疲れているのに、早起きして家族のためにごはんを作ったね』
『私が掃除をしているから、家族がみんなが気持ちよく過ごせているんだよね』
『家事をしている私って、すばらしい!』
日々、このように考えていると、子どもにも自然に“ヨイ出し”できるようになります」
●自分を責めてしまいそうになったら…
原田 「お子さんを必要以上に叱ったり、怒ってしまったりすると、罪悪感を感じることはないでしょうか。まじめなお母さんほど、悩んでしまいがちです。
例えば、イライラして子どもを必要以上に叱ってしまったとします。『また怒っちゃった。私って本当にダメなママだな』と、ネガティブな悪魔のささやきが聞こえてきますよね。
それを、ポジティブな天使のささやきに変えてください。『そんな日もあるよ。疲れていたんだよね』と、自分に声をかけます。そして、子どもに『ごめんね。ママ、イライラしていてたくさん怒っちゃった』と伝え、いつもの2倍抱きしめてあげてください」
●ネガティブな感情があってもいい
原田 「子育ては思い通りにならないことがたくさんありますよね。だから、イライラする日があって当たり前です。泣きたいときだって、あると思います。
『子どもが泣き出すとイライラします』とおっしゃるお母さんがいらっしゃいます。それは、『泣くのはダメなことだ』と、ネガティブな感情を否定しているからです。泣くのは悪いことではありません。泣きたいときは、泣いていいのです。
まず、自分のネガティブな感情を受け入ると、子どもが泣いたり、失敗したりしたときも感情的に叱ったりすることが減っていきます。
前回もお伝えしましたが、困った行動(人や動物・物などを傷つける行動、他人に迷惑をかける言動・法律違反・犯罪行為)をしない限り、強く叱る必要はありません。
私は、ママたちに『完璧なママよりも幸せなママになりましょう』とお伝えしています。
子どものためを思って完璧なママをめざすと、できないことばかり気になって自分を否定し、勇気のエネルギーが減っていきます。
『イライラすることもあるよね。疲れたら、休もう』
『失敗したって、次にがんばればいいよね』
そう、考えてみてください。
お母さんが自分自身に日々“ヨイ出し”をしていれば、子どもにも同じように接することができるようになります。すると、お子さんの心のコップにも勇気のエネルギーが増えていき、自信とやる気がアップするのです。
“勇気づけ”の子育ては、何歳からでも取り入れていただきたい方法です。
子ども、自分自身だけではなく、ご主人にも“勇気づけ”することで、夫婦関係が良くなったという人もいらっしゃいますよ。
ぜひ、実践してみてください」
「できる・できない」にとらわれず、自分自身や家族の存在そのものを認めることが、勇気のエネルギーになるのですね。
原田さん、ありがとうございました。
プロフィール
勇気づけの親子教育専門家。
株式会社Hearty Smile 代表取締役。
埼 玉県公立小学校教員退職後、子育て講座、講演、教育コンサルティングなどを行うHearty Smileを設立。小学校教員時代、子どもを伸ばすには母親 自身の心がイキイキとしていることが重要だと気づき、教員退職後、“勇気づけ”をベースとした子育て講座、講演活動を行なっている。
プライベートでは、幼稚園児と小学生の2人の女の子のママでもある。
著書:『ほめるよりも子どもが伸びる勇気づけの子育て』(マイナビ)
『HeartySmile』