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学校・まなび
小学1年生 2014年5月19日の記事
国語、算数、生活科!? 生活科ってどんな教科か知ってる? [5/19]
《生活科ってなに? 1 》 自分を支える社会を知り、自立につなげる視点を養う
盛り上がった入学式から時もたち、お子さん、そしてママ・パパも新生活に慣れてきたころではないでしょうか?
さて、お子さんがもらってきた真新しい教科書を見て、はた、と気づいたことはありませんか?
そう、「こくご」「さんすう」「せいかつか」!
…「せいかつか」ってなんだ??
「理科」と「社会」がドッキングしたの?
いったい何を学ぶ??
「生活」ってことは、家庭でなにか教えたほうがいい?
そんなママ・パパの疑問に、現役小学校教師の舟山由美子先生に答えていただきました。
●「生活科」は、子どもたちが実体験を積みながら自分の身の回りを知る教科
私たちの世代が学んでいた「理科」「社会」がなくなり、「生活科」が始まっていたのですね。
舟山 「『生活科』は小学校1・2年生向けに1992年から施行されている比較的新しい教科です。若いお母さんならすでに習っていたかもしれませんね。
小学1・2年生の『理科』『社会』が消えたため、そのふたつを合わせた教科と考えられがちですが、まったく新しい教科と考えていいでしょう。
社会や子どもたちから “三つの間(ま)” がなくなったと言われた頃に生まれた教科だったと記憶しています。
“三つの間” つまり、空間(『遊び場』)・時間(『自由に使える時間』)・仲間(『友だち関係』)というのは子どもたちにとって大事なことである、と改めて考えさせられるような出来事や事象が社会的にあったのでしょう。
学校の教科の中にも、机上の知識を得るだけではなく、子どもたちの体験・経験を通した “知” や “学び” を取り戻すような教科が必要である、ということで作られたのではないかな、と教師として感じています。
ですから、どの内容も、頭を使って考えるだけではなく、実際に行動して考えて、集団としての社会性を身に着けることを大事にしていると思います」
我が家の新1年生の子どもは、すでに最初の授業で「学校たんけん」をしたようです。
舟山 「そうですね、ほとんどの学校で、入学してすぐに『学校たんけん』を生活科のなかで行います。
この活動で、学校生活を支えている施設や教職員についての理解を深め、自分と友だちの関わりも増えていくことになります。
基本的には、生活科の活動は教科書の内容に沿って指導していきますが、教科書があっても、たとえば北海道と沖縄では気候・自然・文化が違うわけですから、各都道府県や自治体によっても活動内容に特色がでやすい教科ともいえます。
ただ、生活科の目標である『生活上必要な習慣や技能を身につけさせ、自立への基礎を養う』ために、クラスやその学年の子どもたちに『いま』必要な活動はなんだろう?という視点で、授業を組み立てることもあるため、教科書とは違う内容の活動をすることも多いでしょう。
また、ほかの教科と比べて、計画・企画の段階から可動域が広いこともあり、いろいろなことを試したいという教師もいます。
クラスごとに活動内容が違うように感じることもあるかもしれませんね」
今後はどのような活動、学習をするのでしょうか?
舟山 「入学して学校を探検するなどして、自分のごくごく近い周囲の小さな『社会』から同心円状に視点を広げていき、地域の公共物や商店街、さらには幼児・高齢者・障害のある人へのまなざしという社会的な視点に広げていきます。
また、自然とのかかわりも生活科で学びます。
たとえば、アサガオの栽培がそうです。
そのほか、学校で飼育している小動物の観察や、学校のまわりの植物の観察なども行われるでしょう。
こうして自分に身近な自然から視点を広げて四季の自然を考えたり、その自然がもたらす地域の行事・伝統的な日本の行事について学んだりもします。
さらには、動物・植物の成長を学ぶことで『命』への気づきになるような活動にも広がっていきます」
自分の身近にあるいろいろな分野で、知識と体験が広がっていくイメージですね。
舟山 「そうですね。2年生の最後になると、それまでのまとめとして、自分自身の成長を振り返り、自分ができるようになったことや、自分の社会での役割というものを感じ取れるようになっているはずです。
自分の成長には多くの人々の支えがあったことを実感し、それに対して感謝の気持ちをもつことができるようになり、3年生以降も、意欲的に過ごしていくことができるようになるのです」
なるほど、とても意義ある教科なんですね。
次回は、「生活科」は家庭からの働きかけも大切、ということで、ママ・パパが「生活科」で子どもに教えることができることについて先生にうかがいます。お楽しみに!
プロフィール
小学校の現役教師。
低学年、中学年、高学年とまんべんなく担任経験あり。
「学ぶことは変わること」を信条に、子どもたちと日々接しています。