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生活・しつけ
小学1年生 2015年5月19日の記事
“ほめる”よりすごい! “勇気づけ”の子育てとは? [5/19]
《 “勇気づけ”の子育て・2回目》 子どもが何かできたときだけではなく、日常の当たり前のことに注目して声をかけましょう。
こんにちは。『ママノート』編集部です。
子どもを「ほめる」子育てが良いと言われていますが、「できたこと」だけをほめていると、子どもはほめられないとやらなかったり、「できる」ことを期待されるプレッシャーを感じてしまったりする、と元公立小学校の教師で、2人のお子さんのママでもあるHearty Smile代表の原田綾子さんはおっしゃっていました。
そして「できたこと」を“ほめる”のではなく、子どもが当たり前にできていることを認める“勇気づけ”をおすすめされています。
では、“勇気づけ”とは、どんな子育て法なのでしょうか?原田さんにお話を伺いました。
●“ほめる”と“勇気づけ”の違いは?
原田 「“勇気づけ”の子育てとは、子どもに『困難を克服する力を与える』ことです。
まず、“ほめる”と“勇気づけ”の違いについてお伝えしますね。
例えば……
・いい姿勢で食事ができたとき
・病院で静かに待っていられたとき
・テストでいい点がとれたとき
このようなシーンで、子どもに『えらいね』『すごね』『いい子ね』と言うのは、“ほめる”ことです。つまり、条件を満たしたときだけほめて、子どもを評価していることになります。
一方、“勇気づけ”は、条件抜きで子どもに寄り添い、共感します。
例えば……
『今日も1日、元気に過ごせたね。うれしいな』
『ごはんをいっぱい食べくれたね。ありがとう』
このように、特別なことではなく、日常の当たり前のことに注目します。
失敗したときでも、
『失敗したけれど、がんばったよね。ママは見ていたよ』
『少しずつできるようになるから、大丈夫。ママは応援しているよ』
というように、結果を評価するのではなく、過程に注目します。
すると子どもに、『ママはあなたのことが大好きだよ』『いつでも応援しているよ』という愛情が伝わり、心のコップに“勇気のエネルギー”が満たされていくのです」
●“ダメ出し”より“ヨイ出し”がいい
原田 「子育てをしていると、子どもの好ましい行動よりも困った行動が目についてしまいがちです。そこで親は、子どものためを思って“ダメ出し”をしてしまいます。
しかし、“人は、注目された行動の頻度が増える”と言われています。つまり、子どもの困った行動を見ていつもダメ出しをしていると、余計にダメなところが増えていくということです。
子どもは24時間の中で、寝ている時間も含めて95%は好ましい行動をしていると言われています。困った行動があっても、たった5%です。
もちろん、人や動物、物などを傷つける行為、他人に迷惑をかける行為をしたときは、叱らなければいけません。しかし、これらを子どもがすることはほとんどないですよね。
ですので、5%の困った行動だけを見て“ダメ出し”ばかりするのではなく、95%の良いところに注目して、“ヨイ出し”をして欲しいのです。
子どもは、親から“ダメ出し”をされ続けると、やる気と自信がなくなっていきます。これは“勇気くじき”と言われます。
例えば、子どもが宿題の計算問題を間違ったとします。
『ここ間違っているでしょ。なんでできないの!』
などと、ダメ出しをしてしまうと、余計に計算が嫌いになるかもしれません。
宿題している当たり前のことに注目して、
『がんばっているね』
と認めてあげます。その上で
『ここの問題が間違っているね。もう一度考えてみようか』
と伝えればいいのです。
とはいえ、子どもに“勇気づけ”をするためには、お母さんに心の余裕がなければいけません。
お母さんにも心のコップに勇気のエネルギーが満たされていないと、子どもに勇気づけできないのです。次回は、お母さんが自分自身で勇気づけする方法をお伝えします」
次回に続きます。
プロフィール
勇気づけの親子教育専門家。
株式会社Hearty Smile 代表取締役。
埼 玉県公立小学校教員退職後、子育て講座、講演、教育コンサルティングなどを行うHearty Smileを設立。小学校教員時代、子どもを伸ばすには母親 自身の心がイキイキとしていることが重要だと気づき、教員退職後、“勇気づけ”をベースとした子育て講座、講演活動を行なっている。
プライベートでは、幼稚園児と小学生の2人の女の子のママでもある。
著書:『ほめるよりも子どもが伸びる勇気づけの子育て』(マイナビ)
『HeartySmile』