- トップページ >
- 生活・しつけ >
- 親の「伝え方」ひとつで、子どもは変わる! 動く![3/11]
生活・しつけ
小学1年生 2015年3月11日の記事
親の「伝え方」ひとつで、子どもは変わる! 動く![3/11]
《人の話を聞ける子になるために・後編》「ちゃんと」「しっかり」「キレイに」など、曖昧な言葉ではなく具体的に伝えましょう。
前回は、子どもが人の話を聞ける子になるために、家庭で注意したいポイントをお伝えしました。
そもそも、子どもが「親の話を聞けない」のは、「話の内容を理解できていない」ことに原因があるのかもしれません。それでは、どのように伝えればいいのでしょうか?
NPO法人ハートフルコミュニケーション 代表理事の菅原裕子さんにお話を伺いました。
●曖昧な言葉より、具体的な言葉がいい
菅原 「子どもが親の話を聞けないのは、“伝え方”に原因があるのかもしれません。説明が具体的でないために、子どもが理解できていないのです。
例えば、『ちゃんとやってね』『キレイにやってね』と親から言われても、経験の少ない子どもには、“ちゃんと”や“キレイに”の意味がわかりません。
私が過去に受けた子育て相談では、こんな例がありました。
あるお母さんがお子さんにお風呂掃除をお願いするとき、『ちゃんとキレイに洗っておいてね』と伝えたそうです。
そして、掃除が終わるころにお風呂場に行ってチェックしたところ、湯船に湯垢が残っていたのだとか。これは、お子さんがお母さんに何を求められているかがわからなかったためだと考えられます。『キレイに洗って』という、漠然とした伝え方ではなく、どんなふうにキレイにして欲しいのを具体的に伝えたほうがいいのです。
そこで、このお母さんはお子さんに『ザラザラしたところを落として、こするとキュッキュッって鳴るようにしてね』と伝えました。すると、とてもキレイに掃除をしてくれたそうですよ。
このように、お子さんには、求めていることを具体的に伝えてみてください」
●片付けをお願いするときの伝え方は?
菅原 「子どもにオモチャの片付けをさせるときも具体的に伝えてください。
『ごはんだから、キレイに片付けて』と言うよりも、
『もうすぐ、ごはんだよ。はい、じゃあ、床にあるものをママが10個、あなたが10個拾って、おもちゃ箱に入れよう。よーいドン! 1、2、3…』
そんなふうに言えば、きっとアッという間に床が片付くでしょう。
この例の場合、具体的に“10個”片付けようと伝えるところがポイントです。ぜひ参考にしてください」
●親がコミュニケーションをとる姿を見せる
菅原 「子どもは親と自分との会話以外にも、夫婦、親戚、近所の人、ママ友との会話など、親が他人とどのようにコミュニケーションをとっているかをよく見ています。
例えば、食事中にご主人が仕事の話をしているとき。
『そんなことより、今日○○がね』と話を遮ってお母さんが自分のことばかり話したり、『それは、あなただって責任があるわ』と結論づけたりしていたら、それを横で聞いているお子さんはどう感じるでしょうか。同じことは、お父さんも気をつけたいものですね。
親御さんがお互いの話を『そんなことがあったのね』とじっくり聞いたり、『大変だったね』とねぎらいの言葉をかけたり。和やかな雰囲気で会話を楽しんでいれば、お子さんも人の話を聞くことを自然に学んでいくでしょう。
親のコミュニケーション力は、子どもに大きな影響を与えるのです」
子どもが「話を聞いていない」と頭ごなしに否定するのではなく、まず親の伝え方を見直す必要があるのですね。
菅原さん、ありがとうございました。
プロフィール
NPO法人ハートフルコミュニケーション代表理事。
有限会社ワイズコミュニケーション代表取締役。
企業を対象とした研修や企業文化変革のコンサルティングを行う。
企業の人育てと自分自身の子育てという2つの能力開発の現場での体験をもとに、子どもが自分らしく生きることを援助したい大人のためのプログラム『ハートフルコミュニケーション』を開発。各地の学校やPTA、地方自治体の講演やワークショップを行っている。
著書:『子どもの「やる気」のコーチング “自分から学習する子”に変わる方法』(PHP文庫)、『自分と子どもがよくわかる本~エニアグラムで幸せ子育て~』(二見書房)など。
『NPO法人ハートフルコミュニケーション』