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生活・しつけ

年長 2012年3月5日の記事

登校時間守れるかな?

《親野智可等先生に聞く入学準備5》
ご飯食べて、身支度して、朝はやることがいっぱいあります。

登校時間守れるかな?

 

 

「早寝早起きを心がけて、ちゃんと起こしたのに、出かける前にバタバタ……。つい『早くしなさい!』と朝から怒っちゃうのよねぇ」 という、先輩ママの話を聞くまでもなく、どこにでもありそうな朝のお悩み。 

 

親野先生に、怒らないで上手に時間を守らせる方法お聞きしました。

 

親野 「朝の時間は非常に忙しい。また、特にマイペースな子のお母さんは 『早くしなさい!』『時計見えないの!』『何度言ったらわかるの』 とつい言いたくなってしまいますよね。だけど、朝からしかられて学校に来ると、授業に集中できなかったり、友だちとケンカをしたり、子どもには悪影響だということを知ってほしいと思います。朝から叱らない工夫をしてみてください」

 

言葉で追いたてずに、準備をスムーズにさせる……。大変難しそうですが、どのような方法がありますか?

 

親野 「キーワードは『見える化』と『ゲーム化』です。一つ実践例を上げると、カード式、ホワイトボード式というのがあります。朝やることを、「かお」「かみ」「たべる」「はみがき」「きがえ」「うんち」などと、カードに書いて、もしくはホワイトボードに書いて、冷蔵庫に貼っておくんです。

 

それで、洗顔が済んだら「かお」のカードを裏返し、髪の毛をとかしたら「かみ」のカードを裏返します。裏返すと花丸印が描いてあったりして。 ホワイトボードなら、済んだものにマグネットを貼るようにします。

 

こうして、やることを見えるようにしておくことが大切です。そして、花丸が増えるなど、やることによって小さい達成感を得られるようにする。これが『見える化』と『ゲーム化』です。低学年の子であれば、文字よりもイラストや 本人が顔を洗っている写真なんかをカードにするのもいいですね」

 

朝はやることがいっぱいありますが、これなら忘れずにできそうです。ほかにおすすめの方法はありますか?

 

親野 「『模擬時計』というのも使えます。アナログの卓上時計の隣に、画用紙に同じデザインで描いた模擬時計を貼っておきます。模擬時計は、例えば、ご飯を食べ終えてほしい7時半を指すように針を描きます。本物の時計の針が動いて、どんどん模擬時計の時間に迫っていくのがわかる。ご飯を食べ終えなければいけない時間が迫っているのが 目に見えてわかるのです。目の前にあるものは無視できません。そうすると、自分でペースを調整できるようになる。

 

あるお宅では、この模擬時計を 就寝時刻、入浴、勉強開始など4つほど貼っていました。タイマーやストップウォッチを使って、『あと5分ででごちそうさま』『着替えが何分でできるかな? よーいドン!』 などと、ゲーム化するのもいいですね。

 

せわしないように思えますが、言葉で叱ってしまうよりは 子どももお母さんもよほど気分がいいですよ」

 

なるほど。うまく子どもにはまってくれればいいですが、それでも「早くしなさい!」って言いたくなってしまうときは どうすれば良いでしょうか?

 

 親野 「言葉を工夫してください。『さあ、2倍速で食べちゃおう!』『早送りで着替えて』とか。ガミガミ叱る必要はないはずです」

 

確かにそうですね。

 

 


登校準備をスムーズにさせるための工夫のポイントは三つ。

 

(1)見える化

2)ゲーム化

(3)言葉の工夫

 

子どもとの生活では、どうせ同じことを毎日言うことになります。それこそ、何千回、あるいは何万回も言うのです。どうせ言うなら、お互い不愉快になる言い方ではなく、明るく楽しい言い方にしましょう。その方がお互い気持ちよく過ごせますし、親子関係も良くなります。そういう言い方の方が子どもも素直になってきます。

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