塩谷 京子(しおや きょうこ)
現在放送大学客員准教授/関西大学・昭和女子大学非常勤講師、博士(情報学)。静岡県の公立小学校教諭、関西大学初等部教諭/中等部兼務を経て現職。図書館教育、情報教育に取り組み、著書を多数執筆。教育用情報システムの開発・研究にも複数参加している。現在大学では「司書教諭資格取得科目」を担当。
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学校・まなび
小学1年生 2018年4月18日の記事
小学校生活が始まって感じることのひとつに「やたらと持ち物が多い!」ということが挙げられるのではないでしょうか。また、日々持ち帰ってくるお便りの数も多く、どう管理していいのかわからないママも少なくないのでは。そこで今回は、持ち物が多い理由とお便りや連絡帳の活用法について、元小学校の教員であり大学の客員准教授として活躍されている塩谷京子先生に教えていただきました。
最近の授業は、子どもが先生の話を一方的に聞くだけではなく、自分で調べたり、クラスメートと話し合ったりする、たくさんの「活動」が組み込まれています。そして、あらゆる教科において活動があるということは、その分、持ち物が増えることにつながるのだと塩谷先生。
「たとえば、ペットボトルや空き箱、スーパーの袋、カラーペンなど、毎週のように何か新しい持ち物があると思います。ただ座って45分間話を聞く授業ではなく、子どもたちが外に出てインタビューをしたり、教科書の内容を試してみたり、絵に描いて発表したりすることで学びを深めるので、それぞれの活動に応じた持ち物が必要になるのです。そのため、活動の数だけ持ち物も増えることになります。ただし、急に『持ってきてください』と言われても親御さんが困るため、少なくとも一週間前からお便りで持ち物の予告がされます。持ち物を忘れる=子どもが学習活動できないということなので、忘れ物がないようにサポートしてあげてください」(塩谷先生)
ちなみに、お便りに書いていない持ち物を子どもからリクエストされることも何度かありました。親としては、「お便りには書いていないのに、本当かな?」と思ったのですが…。
「お便りは一週間前に印刷されます。でも、授業を進めていく中で、これもあったらいいなという物が出てきた場合、先生は『もしもお家に○○があったら持ってきてね』と子どもに伝えることがあります。お便りに書いていない物をリクエストされるということは、子どもが先生の話をしっかり聞いて授業に取り組んでいる証拠。ぜひ褒めてあげてくださいね。もちろん、もし用意できるものであれば、持たせてあげてください」(同)
持ち物が増えるということは、それを説明するお便りも増えるということ。一年生は毎日、たくさんのお便りを持ち帰ってきます。
「学校からのお便りには、時間割や持ち物、服装の指示などが細かく書かれています。そういった子どもの学習活動に関わるお便りは、できれば子どもが見える高さに貼って、親子で毎日確認するといいですね。持ち物を準備するときも、ママが勝手に用意しないで、子どもの手助けをするというスタンスがいいと思います」(同)
そういえば、お便りを読んだだけでは、どんな物を用意すればいいのか迷うことがあります。先日も、「図工で作った作品を持ち帰るので、スーパーの袋か紙袋を持ってきてください」とお便りに書かれていたものの、その作品がどんな物かわからないので大きさに困ったことがあり…。そこで息子と、「これでいい?」「それじゃ全然入らない!」「こっちは?」「それだったらギリギリ入るかな~」とやりとりしながら準備を進めました。私が勝手に用意していたら、袋が小さすぎて持ち帰れなかったと思います。
「そのやり方は正解です。あくまでも子どもの持ち物なので、ママはサポートするだけでいいのですよ。子どもと一緒に用意することが大切です」(同)
また、もらってくるお便りの量にゲンナリしてしまうこともありますが、まずは子どもから受け取ったお便りを大切に扱ってほしいと塩谷先生。
「学校側としては、普段どんなことを行っているか保護者に伝えたいという思いがあるため、学級通信以外にもいろいろな種類のお便りを配布します。子どもから受け取ったら、大事に扱ってください。その様子を見れば、子どもはお便りが大切なものなのだとわかり、必ず渡すようになります。渡した紙が乱雑に扱われていたら、大したことはないものなのかと思い、次第にお便りを渡さなくなってしまいますよ」(同)
お便りの他に、連絡帳も学校との大切な連絡手段です。しかし、幼稚園や保育園のときと違って、何を書いたらいいのか迷います。どのように活用したらいいでしょうか。
「たとえば、今朝は元気だけれど昨夜少し体調が悪かった、食欲がなくて朝ごはんを食べていないなど、健康に関することは連絡帳に記入して先生に伝えておきましょう。特に、学校で過ごす分には問題ないけれど、校外に出かけるなど何か特別な活動があるときは、些細な体調の変化でも記入しておくといいと思います。そうすると、先生たちは予防線が張れます。
それから、子どものちょっとした変化を記入してもいいですね。連絡帳は子どもが渡すので、秘密にしたいことは書かないほうがいいですが、子どももわかっている事実で、でも子どもが自分から伝えるには…ということがあれば、書いてもいいでしょう」(同)
息子の場合、はじめて歯が抜けたことを書きました! すごくうれしそうだったので、先生にも伝えたいかなと思ったので。
「そんな使い方もいいですね。ほかにも、『こんな良いことがあった』という報告もいいでしょう。それから、何か心配事があって先生に相談したいときは、その内容は書かず『電話したいことがあるので、ご都合のいい日時を教えていただけますか』というように予定を確認する手段として使うこともひとつの手です」(同)
持ち物、お便り、連絡帳…すべて子どもの学習活動に関連していることがわかりました。上手に活用して、子どもの学ぶ意欲や学校へ通うモチベーションを高められるといいですね。
(取材・執筆:水谷映美)
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塩谷 京子(しおや きょうこ)
現在放送大学客員准教授/関西大学・昭和女子大学非常勤講師、博士(情報学)。静岡県の公立小学校教諭、関西大学初等部教諭/中等部兼務を経て現職。図書館教育、情報教育に取り組み、著書を多数執筆。教育用情報システムの開発・研究にも複数参加している。現在大学では「司書教諭資格取得科目」を担当。
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