藤咲ちとせ
大手エンタメ情報誌の映画担当を経てフリーランスのエンタメライターに。2003年、2007年に女児を出産した後、日本初の子どものための映画サイト「こども映画プラス」の立ち上げに関わる。長女が年少の頃から10年以上映画館、テレビ、DVDなどで子どもと映画を鑑賞しながら、“親子の映画の楽しみ方”“映画で子どもの好奇心や知識、語彙力、コミュニケーション力がどのように育つのか”を研究し続けている。
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週末・その他
年長 2018年1月10日の記事
昨年から続くパンダブームの中、親子でパンダの話で盛り上がることも多いのではないでしょうか。2018年最初のこのコラムでは、パンダが最強のヒーローになって大活躍するアニメーション映画『カンフー・パンダ』をご紹介します。舞台は古代中国、主人公は食いしん坊でぐうたらだけどカンフーへの愛と知識は人一倍!のパンダの男の子ポー。そんなポーが、見学に行ったカンフーマスター選抜大会でなぜか“伝説の龍の戦士”に選ばれ、村を救うために凶悪な敵と戦うことになってしまうお話です。
伝説の“龍の戦士”となるため、シーフー老師に弟子入りしたポーですが、厳しい修行にまったくついていけません。ポーも老師も諦めかけたとき、ポーの“食べることへの執念”に目をつけた老師が食べ物で特訓を始めると、あっという間にポーはカンフーのワザが上達! 興味や“好き”のやる気スイッチを見つけて伸ばしてあげることで、それまで隠れていた能力が開花していく。これは習い事や勉強に限らず、子どもの才能を伸ばすヒントに通じます。子どもたちも苦手なことを克服していくポーの姿を見れば、自分にもできる!と、勇気付けられるのではないでしょうか。
ポーにはカンフーはムリだと思っていたシーフー老師に、その師匠であるカメのウーグウェイ老師が言います。「ただ信じればいいのです」。師匠であるシーフー老師がポーを信じ、ポーも自分自身の力を本気で信じ始めたときから、ポーはみるみるうちにカンフーが上達していきます。相手を信じ、自分を信じれは道は開ける。「偶然はない。すべては必然」「それぞれにふさわしい場所がある」「“これまで”と“これから”を心配しすぎない。昨日は過去のこと。明日は未知のもの。今日は天からの贈りもの(プレゼント)。だから現在=プレゼントなのだ」……子育て中のママにもグッとくる、含蓄のあるウーグウェイ老師のセリフが心に沁みます。
この映画のもう1つの見どころは、動物たちのキレのあるアクションです。カンフーの師匠・シーフー老師はレッサーパンダ。その弟子の戦士集団“マスター・ファイブ”のメンバーはトラ、サル、カマキリ、ヘビ、ツル。それぞれの動物たちの特徴を活かした動きやキレのあるアクション、太っちょパンダのゴムまりのように跳ねるユーモラスな動き、そしてレッサーパンダのキュートな体型とスピーディな動きとのギャップなど、子どもたちが大喜びしそうなシーンが満載です。
この作品の根底に流れているテーマは親子の絆と師弟の絆。ぜひ親子で一緒に見て、お互いに感想を言い合ってみてください。ポーの過去が明かされる『カンフーパンダ2』、親子の絆に更にフォーカスした『カンフーパンダ3』も面白いので、こちらもぜひどうぞ。
<データ>
2008年/92分/アメリカ/監督:マーク・オズボーン、ジョン・スティーヴンソン/声の出演:ジャック・ブラック、ダスティン・ホフマン、アンジェリーナ・ジョリー/吹き替え版:山口達也、笹野高史、中尾彬、木村佳乃
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