藤咲ちとせ
大手エンタメ情報誌の映画担当を経てフリーランスのエンタメライターに。2003年、2007年に女児を出産した後、日本初の子どものための映画サイト「こども映画プラス」の立ち上げに関わる。長女が年少の頃から10年以上映画館、テレビ、DVDなどで子どもと映画を鑑賞しながら、“親子の映画の楽しみ方”“映画で子どもの好奇心や知識、語彙力、コミュニケーション力がどのように育つのか”を研究し続けている。
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週末・その他
年長 2017年9月4日の記事
今年ももうすぐハロウィン。そこで今月は、子どもと楽しく見られるおばけ映画を紹介します。この作品は、古い屋敷に住む、キュートな男の子のおばけキャスパーと、その屋敷に住むことになった12歳の少女キャットの友情を描くファンタジー・コメディ。キャットは幽霊専門カウンセラーの父とふたりぐらし。転校ばかりしているので友だちがほとんどいません。最初はおばけの出現に驚きながらも、自分と同じようにひとりぼっちで寂しい思いをしていたキャスパーと次第に友情をはぐくんでいきます。まるっこくて優しくて愛嬌抜群のキャスパー。こんなかわいいおばけなら友だちになりたい!
お屋敷にはキャスパーと、キャスパーをこきつかい悪さばかりする、おじさん3人組のおばけが住んでいます。実はこのお屋敷は、強欲な女性キャリガンが富豪の父から遺産として相続したもの。価値のないオンボロ屋敷を残された!と怒っていたキャリガンでしたが、権利書に「海賊の宝がある」と書かれているのを見るやいなや、弁護士のディップスを連れて遠くの屋敷まで赴きます。お宝のためおばけ退治に懸命になりますが、うまくいきません。
そこで呼ばれたのが幽霊専門のカウンセラー、ハーヴィ博士と娘のキャット。おばけを追い出そうとする強欲二人組とおばけたちの攻防戦が面白く、小さいお子さんも大笑いすること間違いなしです。
広いお屋敷に住むキャスパーの願いはただひとつ。「友達がほしい!」。でも姿を現すと逃げ出されてしまう。キャットに出会うまでは、ずっと寂しい思いをしてきました。友達が欲しくてちょっかいを出してしまったり、うまく気持ちが伝えられず泣いてしまったり、そんなキャスパーの姿は「友達が欲しいのにうまくいかない」年少さんに重なるかもしれません。
キャットと話すうちに、生きていたころの思い出、大好きだったパパとの記憶を思い出すキャスパー。発明家だったパパはどんなに忙しくてもキャスパーと遊んでくれた。彼がおばけになったのはパパへの「思い残し」という愛情ゆえでした。パパの発明した、人間が蘇る機械のありかを思い出したキャスパーはキャットを地下の発明工房へ案内します。人間に戻ってキャットと本当に友だちになれる!と喜ぶキャスパーですが、この機械の存在を知った強欲二人組が邪魔をしにやってきて……。
巨大な実験室のような地下の発明工房、ジェットコースターのような地下へ続く階段など、お屋敷の中は、まるで楽しいお化け屋敷か遊園地! 冒頭ではゴースト・バスターズも登場します。
ラストシーンはキャットのクラスメートがお屋敷に集って開催されるハロウィンパーティ。キャスパーとキャット親子にある奇跡が起きるのですが、その素敵な奇跡はぜひ映画を見て確かめてみてください。次々と起こる事件に笑い親子の愛情にホロリ、笑って泣ける楽しい作品。ハロウィンシーズンに親子で楽しみたい1本です。
<データ>
1995年/1時間40分/アメリカ/監督:ブラッド・シルバーリング 出演:クリスティーナ・リッチ:ビル・プルマン
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